2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

広告会社の流した口コミ宣伝通りの、女子高生を狙った連続殺人が起きる。事件の解決にあたるのは中年の男やもめと、子持ちの可憐な女性刑事のデコボココンビ。それぞれの過去と家族への情愛を織り交ぜながらのストーリー展開は作者の得意とするところ。ミス…

プロフェッショナル

There is always another way.自閉症の子供たちと向き合ってきた、ベテラン女性教師。相手にあわせて柔軟に方法論を変える。必ず子供の成長する日が来ることを信じる。

滅び行く国家

立花隆の評論集。日経BPサイトへの連載。BLT問題すなわち、防衛、ライブドア、天皇問題、に焦点をあてる。最近は学究肌のイメージが強いが、考えれば元々はばりばりの政治記者であったわけで、その論説の鋭さは衰えていない。女系天皇問題、憲法改正問題には…

女系天皇

憲法第一条に「天皇の地位は、国民の総意にもとづく」とあり、女性天皇の容認は、世論調査では8割以上が認めておりすでに結論が出ているのではないか。(P122) 明治天皇も、大正天皇も側室の庶子であり、一夫一婦制で男系男子の相続はどこかで断絶する危険性…

Bonjour Russland

Dusseldorfのmuseum kunst plastで開催中の展覧会を出張合間に。次のアポまでの時間つぶしにロシア絵画でもと思っていったのがうれしい大誤算、Ereitage、Puschkinとロシアを代表する美術館から、印象派から近代絵画までの名画が大挙して出品されていた。日…

女系天皇

憲法第一条に「天皇の地位は、国民の総意にもとづく」とあり、女性天皇の容認は、世論調査では8割以上が認めておりすでに結論が出ているのではないか。(P122) 明治天皇も、大正天皇も側室の庶子であり、一夫一婦制で男系男子の相続はどこかで断絶する危険性…

デュセルドルフ

ポーランドからドイツへ移動。K-FAIRが目的だがおかげで定宿は取れず、Courtyardに投宿。初め通された部屋は、クーリングタワーの真ん前で騒音がひどく替えてもらう。400Euroでそれは無いだろうというのが実感。豪胆になったものだ。すれたともいう。無線…

ワルシャワ国立博物館

出張合間に探訪。素っ気のない外観は共産主義時代の遺物か。中の収蔵品は豊富で楽しめた。エジプト、ローマ時代の遺物から20世紀初頭の絵画まで。お国柄かキリスト教関係の美術が多い。期待の絵画はポーランド作家のものと、他のヨーロッパ絵画をギャラリ…

笑う警官

北海道警の不祥事を元ネタにした警察モノ。これまでの一連の著者の作品(歴史物大作)とは毛色が違う。翌日に議会証言を控えた刑事が、「うたう」ことをおそれた上層部が、組織防御のために彼を凶悪犯に仕立て、射殺指令まで出す。その同僚を信じる仲間の刑…

ROEとPER

PER=株価/1株あたりの利益 PBR=株価/1株あたりの自己資本 ROE=純利益/自己資本なのでPER X ROE = PBRとなる。当たり前だが(サンデー日経)

悪夢のサイクル

ショッキングな警告の書。ネオリベアラリズム(新自由主義)への盲従とマネー崇拝により、日本経済と社会が崩壊する。この陰にはシカゴ学派を理論的根拠とするアメリカの資本の論理があるという主張は形は異なるが森本氏と同じ。アメリカで見られるのと同じ…

投資バカにつける薬

表題通り、日本の個人投資家がいかに金融機関の餌食にされているかを説く。内容は講演をベースにしているというだけに具体的で分かり易い。販売推進のためのセールストークに負けない反論を準備する。説得力有り。結局作者のお薦めは「個人向け国債」と個別…

憑神

機内上映で映画を先に観てしまったが、その原作を読破。(映画が原作に忠実であったため)、筋書きの先が読めてしまうところはあったが、その分細かいところまで読み込めた。主人公は最後の御家人として武士道を全うする。妻子への想いを断ち切るあたりは情…

憲法九条を世界遺産に

憲法問題に焦点をあてた対談。戦争放棄を定めた現行の9条は、アメリカの無邪気な理想主義と日本社会の猛省から生まれた人類史上の奇蹟であるとし、安易な改憲論議には一石を投じる。また60年それを維持してきた日本の歴史の重みもある。前半部分で手がか…

台北散策

出張の合間、フライトまでの時間を使って市内を散策。まず地下鉄を体験。20NT$=80円とお安い。ホテル近くの中山路から中正紀念堂前まで乗車。駅、社内とも新しいだけにきわめてにきれいだが、情緒はない。切符購入等はすべて英語表示が選択でき、分かり…

日本発世界技術

雑誌SAPIOの連載。日本企業の先端技術を平易に紹介する。2003年度の出版でやや古いかと心配したが、一部を除いて大きな影響はなく未だに新鮮。日本経済が落ち込んでいた時代にあって世界に誇る独自技術により自信を取りさせようとする。対象は有名企業から零…

月島慕情

短編集。こういう人情モノを書かせたら現在間違いなく1,2であろう。いずれも家族の情愛、たがいを想いあう男女の純粋な愛情がテーマで思わずほろりとさせられる。現在から過去を想い出すパターンが多いが、いずれも予定調和の範囲内で意外な結末が待って…

言葉ある風景

文化放送でのラジオ番組を再編。シンガソングライターとして大切に思う日本語の奥深さを語る構成。若い世代の日本語の乱れを指摘しつつ、時代と共に変わる言葉に対する理解も示す。初歩的なネタも多いが、知らずに使っている日頃の誤用も数多く認識を新たに…

ムンク展

金曜の時間延長をねらって退社後、観に見に行く。混雑は覚悟していたが予想外に空いていてじっくり観賞することができた。オスロのムンク美術館の代表作がほとんど来ていたようだ。ただし「叫び」は盗難騒ぎの影響かコピーのみ。「不安」「絶望」の兄弟作は…

スチャラカ東京のおきて

コテコテの浪速娘である作者が、東京での一人暮らしを始める顛末記。日刊紙への連載だけにおもしろおかしく書いているが、ひとりぼけつっこみは後半耳障りになってくる。衣食住から、男女関係まで対象の守備範囲は広いが、論点はやはり東京と大阪の比較文化…

古い日本人よさようなら

元東大教授の評論集。もともとの専攻は機械工学だが化学工学最後は遺伝子工学。と連載ものだけにテーマは多岐にわたるが、下り坂の時代に自己を確立する必要性を説く。満州で敗戦を迎えた悲惨な原体験と国際人として各国特にヨーロッパの文化を見てきただけ…

ラッキガール

文武両道を実現し、早稲田大学のチアリーダーとして活躍していた著者が、突然骨肉腫を発症し、右足切断を余儀なくされる。抗ガン剤の投与、切断手術、苦しいリハビリを克服しても、精神的な苦悩からは逃れられない。そんな彼女を救ったのは障害者スポーツ。…

さくら咲く

今や参議院議員の「さくらパパ」の子育て記かつ教育論。自らの経験「成績順心太輪切り」の高校進学と、ノルマを達成するためだけの就職指導に反発し、娘達に早い段階から人生の目標を与え、それに向かって邁進させる。横峯さくらの強さは誰にも負けない練習…

ポーランド人のまっかなホント

お国気質暴露本シリーズ中の一冊。著者はポーランド系イギリス人女性。その目的からして面白おかしく書かれているが、私の数少ない交遊範囲から仕手もなるほどとうなずかされる。あまり先入観にはしたくないので参考本という位置づけに。ポーランド人のまっ…

ポーランド人気質

勇敢な戦士であるが、自己防衛のためであり好戦的なわけではない。 適応力に富む。やりくり上手である。 何でも両極端。働くときは働き、遊ぶときは遊ぶ。「仕事を遊ぶ」芸当はできない。 何事にも明確にYES/NOを言うことが道徳的なつとめである。チームプレ…

ポーランドと諸外国の関係

ポーランド人はロシア人を「支配されるために生まれてきたうすのろ」と見なし戦争に勝ったのは単に人口が多かったからと考えている。 ドイツ人については、一人でいるときは家で庭いじりをする無害なうすのろであるが、ひとたび国家となると、領土拡張主義を…

ピカソ展

高速を飛ばして、岡崎で開催中の「ピカソ展」を観に行く。地方開催なので大したことはないだろうという予測を覆す見事な内容。ケルンのルートヴゥッヒ美術館のコレクションを年代順に一同に展示。初期キュビズムから古典への回帰、晩年の大作と見応えは充分…

鹿男あをによし

産休代行で奈良の女子校の教師となった主人公が、巻き込まれる不可思議な騒動。卑弥呼の時代の神獣三角鏡をめぐり繰り広げられるドタバタ劇。古都を舞台とした荒唐無稽な設定は前作「鴨川ホルモー」と同じだが、少しこなれてきた感じ。ヒロインである剣道部…

仮面山荘殺人事件

結婚直前の女性が、交通事故で急死。両親、許嫁、友人が山荘に集うが、それぞれ死因に疑問を感じている。そこに逃亡中の銀行強盗が押し入り全員を監禁するという素晴らしい設定。結末はお約束の2重のどんでんがえしが用意されている。作者はいつも新たな舞…

五郎治殿御始末

幕末モノの短編集。収録は6編。維新後の新時代で生き方を変えられない無名の武士達。古き武士道を守ろうとする彼らの矜恃と主従、親子の情愛をヒューマニズムあふれた視点から暖かく描く。予想通りの作品。やはり最後の表題作がベスト。評価はB。 椿寺まで…