2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ニューノーマル時代の構想力

BBTでの講義集。大前氏の主張は従前どおり、教育改革と道州制。いつまでも動かない日本の政治にいら立ちを隠さない。AIの第一人者松尾教授と建築家安藤忠雄氏の講演が目新しい。時代の変わり目で将来への構想力が問われる。 大前研一 ニューノーマル時代の「…

小さな宇宙ベンチャーが起こしたキセキ

著者は三井物産のエースだったが、退社し独立。世界初の宇宙商社を設立。短期間でJAXA初の民間参入を果たす。圧倒的な人間力をベースにしたネットワークの構築。何事にも真正面から取り組む熱情は周囲の人間を取り込んでいく。世界各地を飛びあるくフットワ…

最軽量のマネジメント

サイボウズで実施している全く新しい人事システム。基本は徹底的な情報開示。グループウエアを使い、全社員で情報を共有する。ピラミッド型の組織は時代遅れで、目指すはキャンプファイアー型。100人には100人の働き方が存在する。雑談でコミュニケー…

その犬の名を誰も知らない

南極観測史上誰もが知るタロウ、ジロウの物語。実はもう一匹、第3の犬がいた。第一次越冬隊の唯一の生き残りで、当時の犬係である北村氏の記憶をたどるノンフィクション。当時の犬ぞりによる冒険は迫力十分。犬たちのサバイバルについては、50年の時を超…

美術展の不都合な真実

メジャーな美術展が満員でゆっくり鑑賞できない日本。その内幕を暴露、批判する。原因はマスコミ主導。金に物を言わせて海外美術館から所蔵品をパッケージで借り受ける。これは個人展より容易。大々的な広告で集客する。海外側にとっては休館中のサイドビジ…

アンマーとぼくら

僕ら沖縄を舞台にしたメルヘン小説。カメラマンで大きな子供の父と反抗期の息子。実の母を亡くし1年後に再婚。主人公は当然反発する。沖縄の母の優しい想いに次第に心を開いていく。父は事故で急死。本編は3日間のノスタルジア旅行。やがてくる不幸が暗示…

愛国とナチの間

ドイツの政治と社会に関するルポ。メルケルの長期政権は一見盤石でが、内実は連合政権で現実的な妥協を迫られる。人道主義で難民を受け入れた結果、右翼の台頭を許し、社会の分断が進む。ナチへの反省から右翼の内部も複雑。移民を排除すれば経済が回らない…

本を守ろうとする猫の話

メルヘン小説。祖父から古書店を引き継いだ高校生が、本の精である猫に導かれて、本を救う冒険に出る。4つの迷宮での武器は本を愛する心。本には人を想う力があるというのが主題。本が大事にされず、読まれなくなった世相への批判。淡い初恋を絡めて一気に…

フードテック革命

次に来る注目分野である食料業界を俯瞰する。人口増と所得増で700兆円の市場規模。一方で環境、食糧問題への対応も必要。前半は注目すべきテクノロジーを紹介。キッチンOSと代替タンパクは注目。明らかに欧米が先んじており、日本にとっては第二のスマホ…

データでわかる2030年地球のすがた

近未来の地球の姿を統計学より予想し、認識の甘い日本に大きな警告を発する。すべての要因は地球温暖化と人口増加。食料、水と生きるためのリソースがすべて不足する。欧米では危機感があらわで、すでに対策が先行している。繰り返されるのは日本社会の危機…

日本習合論

評論集。明治期の神仏分離令への疑問から端を発し、日本文化の長所ととらえる習合につき肯定的に論じる。宗教だけでなく、産業や組織論にまで展開。単純に純化を良しとする風潮にはつよく反対する。特に農業を論じた講演は興味深い。引用多数。刺激的な好著…

OKI

近未来軍事シュミレーション小説。半島から武装勢力が隠岐に侵攻、日本に対する情報戦。一発の銃弾も撃たず、世論を分断し内部からの崩壊をめざす。平和ボケした日本ではありうる展開で空恐ろしい。ラストは一旦撤退するが、続編に含みを残す。フィクション…

米国人博士大阪で主婦になる

著者はユダヤ系の裕福な家庭で育つ。ボストンで文学博士。MBAのため短期留学した日本人のサラリーマンと恋に落ち結婚。大阪との二重生活に。やがて不妊治療、高齢出産、義父の介護と看取り。後半はシリアスな展開になる。文化論でありかつ個人の精神の遍歴。…

マイストーリー

ファーストレディの回想録。シカゴ、サウスの貧しい家庭に育つが、ブリンストン大学へ進学。エリート弁護士時代にオバマと知り合う。夫はダントツに有能で政治の世界でもめきめき頭角を現し、若くしてトップに上り詰める。本人は幼い子供と共にホワイトハウ…