2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

閉鎖病棟

九州太宰府近くの精神病院を舞台に、患者たちの日常を描く。それぞれ重い過去や傷害を引きずりながら、他人を思いやる心を忘れず、むしろ極めて純粋に生きようとする。心に傷を持つ少女に対する暴行がやがて覚悟の殺人事件を呼ぶ。健常者は家族に代表される…

ルソーの夢

図書館の新刊コーナーで見つけた。初心者用の画集。「イメージの森へ」のシリーズ。学術解説から離れ、子供に語りかけるような調子で独特の画風であるルソーの代表作を紹介する。MOMAで見たばかりなので印象は強烈。値段も手頃で面白い構成になっている。ル…

ジョーク対決世界戦中国人VS日本人

もはや作者の定番シリーズとなったジョーク集。日中の比較を行っているが、圧倒的に中国を「笑う」ものが多い。共産党の独裁制には手厳しい批判がなされる。日中間で抱えている社会問題には共通点も多いが、社会体制の違い、国家規模の大きさのため、中国で…

これから10年、新黄金時代の日本

評論集。日本はバブル崩壊後の長い不況を抜け、第2の黄金期に入ったとする。成長を続ける巨大市場である中国を後背地に備えているという地政学上のメリットを享受できる。解決すべき社会問題も複数正確に指摘されているが、知日家である作者は将来に関して…

プロフェッショナルの条件

ドラッカーの著作の要約集。経営から組織論までエッセンスを95の教訓にまとめる。構成としては自らのおかれた状況をメモし、フィードバックしながら把握すべしとのもので車内で流し読みではいかんようだ。内容は実社会に則して平易であるが、訳のせいか観…

めぐみへ横田早紀江、母の言葉

北朝鮮による拉致問題。そのシンボルとなっている横田めぐみさんの母親の手記、講演からの抜粋と、父滋氏の撮影した家族写真で構成される。6ヶ国協議を前に、問題解決の最後の胸つき八丁ではあるが、これまで来し方の壮絶な苦しみと、これからの困難さを思…

有頂天家族

京都に救う狸の4兄弟。偉大な父親の血を4分割したため性格の異なる4匹が、気丈な母を支えて一致団結?。それぞれの特性を活かして父の仇である同族一家と競いあう。天狗・人間・それに狸が入り乱れてのどたばたエンタメ。休日に楽しく拝読させてもらった。…

効率が10倍アップする新知的生産術

IT時代の知的生産術。膨大な情報から優良なモノを選別してインプットし、自分なりに咀嚼してアウトプットする術を公開する。マッキンゼーのコンサルだっただけに、内容は極めて整理され論理だっている。IT機器の使いこなしは大胆で合理的でありるが、私…

甲子園への遺言

副題は「伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯」。現役時代は怪我に泣いたが、卓抜した技術論と指導力で30年間にわたりプロの打撃コーチとして多くの選手を育て上げる。指導は理論の押しつけでなく手持ちの多くの「引き出し」から選手の個性にあった方法を見つ…

天使の軍隊

近未来。ロボット軍隊の民間会社がその技術力でテロ対策と中朝戦争勃発を阻止する。米軍では実際に「軍隊の無人化」によるWar3.0(戦争のバージョウンアップ)が現実化している。戦争での死亡率は第一次大戦から急激に上昇しているのは歴史的な事実。設定の…

ナショナルトレジャー

帰国便で鑑賞。こちらも第2作だそうな。リンカーン暗殺を巡っての疑惑と、先住民の黄金財宝を解き明かす学者一家の明るい活劇アドベンチャー。謎を追ってバッキンガム宮殿、ホワイトハウスと侵入を繰り返す。最後はみんないい人で、夫婦はよりをもどす。ま…

だれが本を殺すのか

未曾有の出版不況に対する要因を「串刺し」的に明かそうとする本格的なルポルタージュ。仮にも乱読家を称する人間としては外せない1冊でした。書店/流通(取次)/版元/編集/図書館/著者と各分野を念密に取材する。いずれに対しても批判の眼は厳しく、…

メトロポリタン博物館

3度目のNY訪問にしてようやく訪れる機会を得た。入館は14:30。聞いていたとおり巨大でとても回りきれない。2Fのヨーロッパ絵画からスタートしたが、展示品の質、量に圧倒された。特に印象派のコレクションは素晴らしい。主立った画家の著名な主題はす…

MOMA

この日は時間の制限があったので、わずか一時間の滞在。しかも館内ツアーに参加したので自由に見られず、やはり呼びものは6Fの近代絵画。ピカソの初期、ゴッホ、マチス、シャガール、カディンスキーと秀作がずらずら。なぜアメリカにという単純な疑問。裕福…

続三丁目の夕日

アメリカ出張の機内で。売れない作家茶川の芥川賞候補作を通じての騒動がメインだが、踊り子(小雪)への恋とそれを支える周囲の人々の暖かさ。筋はわかっているのだが後半はぼろぼろに泣かせてもらった。飲んでいた焼酎のせい。最初のゴジラ出現シーンは予…

ロックフィールド

看板メニュー30種類の生野菜サラダを購入。まずくは無いが、400円/100gかと言われると?。半分は健康のための投資。

プロフェッショナル

録画していた将棋の羽生さん編。放送自体がアンコールに応えたものとのこと。 リスク無しで進化はない。 30代からは直感を信じる。直感は多くの経験から生まれる。 10年前の自分にくらべて、将棋全体への理解の深さは絶対の自信がある。

パッチギ

映画のノベル化。1968年の京都。朝鮮高校と府立高校の不良グループ同士の抗争の中で、音楽を通して恋をはぐくむ二人。完全にウエストサイドストーリーの焼き直しである。圧倒的な暴力描写の中で、一人の少年の死を通して消しがたい日朝の悲しい過去を、新た…

イン・ザ・プール

神経科医伊集院のシリーズだがこちらが第一作。自律神経失調症、自意識過剰、強迫神経症とさまざまな症状が深刻化していく患者たちを、天衣無縫の神経科医が故意か無意識か自然流で快方まで導く。症状を自覚しながらしだいに深みにはまっていく現代人に危う…

商人道「江戸しぐさ」の知恵袋

作者は江戸時代の商人の人生哲学として口伝された「しぐさ」の語り部を自称する。最近TV−CM等で評判になっている。単なるマナーと誤解されがちだが、そこにはビジネストップたちの実経験に培われたソフトが凝縮されており、現代でもグローバルスタンダー…

「課題先進国]日本

副題はキャッチアップからフロントランナーへ。現在日本が直面している環境、資源。食料、教育等の問題を解決することが、真の先進国としての責務であり地球の未来を救うことなると熱く説く。作者は東大総長。化学工学の専攻で図表を多用したシステマチック…

たまには、時事ネタ

婦人公論の連載コラム「女のニュース」。2001−206年分を収録。平易にかつ軽めの文体で読みやすく書かれているが、社会批評としての内容はく結構硬派。小泉政権の一見派手だが反動的な体質を鋭く批判する。男女の別なく生活者の視点という意味では私に…