2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

未来への大分岐

世界的に著名な政治学者、哲学者、経済ジャーナリストとの対談を通じて、ポスト資本主義を予測、準備すべ点を明らかにする。ITの発展により、限界効用が上がり、人類は労働から解放されるが、利益は生じなくなる。またプラットフォーマーによる寡占、SNSによ…

2030年の世界地図帳

SDGsの解説書。17の課題に対する現状認識と克服への処方箋を示す。国連として数値目標を明確にしたことには高評価。各国の事情に配慮して最大公約数となっていることはある意味仕方がない。アメリカ(情報)と中国(工業)の覇権争いにあってヨーロッパは…

戦略の創造学

ドラッガーの経営学とアメリカ最新のデザイン思考の融合。未来へ向けての企業戦略を創造する。キーとなるのは「すでに起こった未来」と顧客との共感。前者は人口動静と環境問題を挙げる。後者ではペルソナ分析。世代間格差は無視できず、ステレオタイプから…

地名崩壊

平成の大合併により失われた歴史ある地名。影響は市町村名から町名までに及ぶ。地名の変更は時代を映す妙薬のように処方されてきた。地図マニアである著者はその名を惜しみ、復活を期待する。懐古趣味だけでは実利を伴わないので容易ではない。博識ぶりは披…

スパイの妻

舞台は戦前の神戸。貿易商を営む正義感の強い夫とその美しい妻。商用で訪れた満州で知った細菌部隊の非人間性に憤慨した夫は、その事実を米国に知らせようとする。結果として妻を囮に利用した形。それも彼女を安全圏に残す彼なりの愛情。ジェトコースターノ…

テクノロジーの未来が腹落ちする25のヒント

副題にあるように「シンギュラリィティーにっぽん」と題した新聞連載。AIの発展による来るべき未来を予測する。決してバラ色ではなく、独裁の危険性と個人情報の濫用が危惧される。冒頭の引用が素晴らしかっただけに、内容的にはやや平凡で不満が残る。朝…

移動革命

近未来の交通うぃ変えるMaaS Caseを解説する。MaaSは特に公共交通機関が核となる。都市部にすむ鉄オタとしては、あまりメリットを感じないが、地方、高齢化社会には有効か。目的を持った移動のように如何に付加価値をつけるかが鍵だろう。総研の解説書だけに…

絵を見る技術

プロの名画鑑賞法を伝授する。フォーカルポイント、経路、バランス、色、構造の5点。当然ながら画家たちは十分計算して、名画を製作している。観る側としては、知識として知っていれば、見方を広げることができるだろう。カラー図版を多用し、しかも同じ作…

大阪の逆襲

2025年の万博を契機に関西の復権を図る。その先の高齢化社会へ向けてのコンセプト作りが重要。強みは商人としてのリアリスト気質と圧倒的なコミュニケーション力。これで何か新しい起業が育つ土壌を育成。目指すは多世代循環型の命輝く未来社会。具体案…

一日一生

比叡山で2回の千日回峰行を成し遂げた大阿闍梨である著者の人生哲学、信条を聞き取りで書き留める。貧しく厳しい子供時代、妻を自死で無くすなど不幸な前半世から、お山にこもり悟りを開くまでを、淡々と話される。繰り返されるのは一日を一生ととらえ、日…

大空に夢を求めて

日経の「私の履歴書」。満州から命からがら引き上げ。慶応から全日空へ。会社の発展とともに要職を歴任。生え抜きの社長となる。国際化を進め、黒字化。目指すはアジアNo.1。トップとしては組織へのビジョンの浸透に心を砕く。茶目っ気のある気さくな人柄だ…

イスラム2.0

衝撃の内容である。2.0とはSNSで直接、啓示の書であるコーラン、経典に接した一般大衆が、原理主義化していくこと。最終目標は異教の打破、世界のイスラム化である。アラーの神の教えは絶対で、西欧社会のルールとは相いれない。人口の増加も相まって静か…

達人かく語りき

著者の対談集、吉本隆明から羽生善治まで計10人。巧みな会話で互いに自分をさらけ出し、その仕事や生き方の神髄にせまる。総じて内容的には硬派な感じ。相手によって使い分ける。女性との対話は優しく興味深い。著者自身の成長の記録でもある。週末にバタ…

新聞記者

著者は東京新聞社会部の女性記者。菅官房長官の会見で歯に衣を着せぬ質問で名をあげる。貫いているのは社会的な正義感と入社以来現場で鍛えられてきた記者魂。政権におもねり予定調和で済ます記者クラブ体質にも一石を投じる。本人も自覚しているが熱しやす…

人の名前が出てこなくなったときに読む本

自覚しているが、名前が出てこないのは認知症の初期症状。脳は着実に老化している証。大敵は糖尿病と高血圧症。対策は運動と食事の順番。何よりも実践と継続を強く推奨。シンプルな内容であるが、意識して気をつけたい。 健康長寿の医者が教える 人の名前が…

座右の書貞観政要

中国古典のリーダー論の講義録。唐の太宗とその忠臣である魏徴の言行が記録されている。絶対君主を恐れずなされる諫言の数々。それを受け入れる行いを改めるのが名君の度量。公平を旨とし、部下を信頼し権限移譲を行う。まさに今の私に必要とされる資質。大…