古い日本人よさようなら

元東大教授の評論集。もともとの専攻は機械工学だが化学工学最後は遺伝子工学。と連載ものだけにテーマは多岐にわたるが、下り坂の時代に自己を確立する必要性を説く。満州で敗戦を迎えた悲惨な原体験と国際人として各国特にヨーロッパの文化を見てきただけに、根っ子を持たない日本社会の危うさに警鐘を鳴らす。以上は観念的な回答例で、平易な文章で書かれているわりには全体にまとまりがなく、主張がつかめない。乱読の弊害か。「地球の人口上限は実は水の量で決まる。」という記述が印象に残っている。