五郎治殿御始末

幕末モノの短編集。収録は6編。維新後の新時代で生き方を変えられない無名の武士達。古き武士道を守ろうとする彼らの矜恃と主従、親子の情愛をヒューマニズムあふれた視点から暖かく描く。予想通りの作品。やはり最後の表題作がベスト。評価はB。

  1. 椿寺まで  (母子の再開)
  2. 函館証文  (戊辰戦争での命を賭けた証文)
  3. 西を向く侍 (幕府天文方の秀英と太陽暦
  4. 遠い砲音  (近衛砲兵と主君の情)
  5. 柘榴坂の仇討(井伊直弼の近習と水戸浪士)
  6. 五郎治殿御始末(桑名藩没落士族)


五郎治殿御始末 (中公文庫)

五郎治殿御始末 (中公文庫)