2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

東京を経営する

都知事選を見越してのマニフェスト的な一冊。教育委員を務めた経験から官僚的な行政に不満を抱き、使命感を持って立候補を決意。自治体を企業、都民を顧客とみなし経営手法を導入しようとする。論争点を網羅しているが掘り下げは浅い。民間側としては応援し…

私たちの幸せな時間

貧しい生い立ちから罪を重ねた死刑囚の男と、富裕な一族に育ちながら親族による強姦のトラウマを持ち自殺願望のある女性。叔母であるカソリックの修道女が主催する面談で巡り合った二人の魂の交流。ようやく心を開き愛情を感じ始めた矢先、死刑が執行される…

作家の口福

人気作家のエッセイ集。朝日新聞のコラムに各人が4回連載。日常の食生活をネタに軽妙に笑わせる。職業柄閉じこもりがちな生活の中でそれぞれこだわりを持つ。やはり皆様あふれんばかりの文才を感じさせる。繋ぎの1冊だが充分楽しめた。作家の口福 (朝日文…

ストーリーでわかる財務3表超入門

経営コンサルタントの父親が、会社を設立した娘に財務の基本を手ほどきする。PL,BSの成り立ちを一から解説。非常に平易でまさに高校生でも理解できるだろう。企業の管理職としては当然知っているべき内容がほとんどだが、おさらいにはちょうど良い。意外と知…

フェイスブック

今話題のフェイスブックの入門書。日本では別のSNMが発展しているが、アメリカでは60%と独占。著者は時代変える新しい技術となりうるとの見解。キーワードは共有。経済成長が望めない若い世代でのムーブメント。後半はビジネスへの応用を丁寧に解説してい…

ラストラン

74歳の主人公が、バイクを駆って最後の旅に出る。行く先は母親の実家。そこで出会ったのは母親の幽霊ただし12歳の少女であった。少女は生前の記憶があいまいで、奇妙な二人の道行が始まる。奇抜な構想のファンタジー仕立てだが内容的には今一つ。同じ主…

オケ老人

34歳の高校教師が主人公。単純ミスから老人だけのオケに入り、指揮者となることに。一方で機密文書を取り戻そうとするロシアのスパイと2重構造で物語は進展する。途中から様々な藤樹人物か加わり、ドタバタ笑わせながらオケは急速に上達し演奏会を開くま…

即戦力は3年もたない

著者は人事コンサルタント。HPでの長年人事部に勤務。特に中小企業が望むような人材はなかなか転職市場には存在しないと結論。一方売り手側からみれば賃金デフレの中で、いかに自分の市場価値を高めるか。採用のキーワードは素直さとやわらかさ。面接のテ…

聖灰の暗号

主人公の歴史学者が偶然発見した手稿。中世にカソリックから弾圧を受けたカタリ派の歴史が隠されていた。暗号を解き本編を探し出そうとする主人公達にも、協会関係者の魔の手が伸びる。ミステリー仕立てになってはいるが、主題は宗教論。手稿に残された審問…

「歴史]土門拳が封印した写真

戦時中鬼才の写真家土門拳が、時勢に逆らえず戦意高揚のため予科練で撮影していた。戦後本人がその過去を封印していたという知られざる事実。巻頭に飾られた写真はさすがに素晴らしい。内容的にはむしろ予科練の学生達の生活と特攻隊の真実に重点が置かれる…

水銀灯が消えるまで

短編連作。地方のさえない遊園地が舞台としているが経営難から閉園となる。遊園地は象徴ではあるが主題ではない。日常生活で孤独を抱えた人々が描かれる。作者は歌人だけあってどこか感性の世界。叙情的できれいな文章。それぞれに結末は明示されず読者に委…

日本と朝鮮の100年史

2010年は日韓併合から100年である。著者はロシア、ソ連史が専門であるが、日露戦争の研究から朝鮮半島情勢にも造詣が深い。6章の構成で近代史を概観する。4つの戦争はいずれも半島を舞台に借りた列強の勢力争いであったと断じる。北朝鮮問題では文…

ちょっと変わった守護天使

IT企業につとめる34歳の女性バイヤー。キャリアだが上司との不倫がもとに閑職へ追われる。そこへ現れたのがITオタクの青年。一緒に車で旅をすることになるが、2次元にしか興味のない童貞で夜も手を出さない。二人の噛み合わないやりとりがコミカルに語られ…

日本でいちばん大切にしたい会社

続編。今回は8社を紹介。一番なのは富士メガネ。難民に無償でメガネを提供する社会貢献。これにより社員のモチベーションがあがる。次いでカプセル内視鏡のアールエフ。樹研工業やサイボクハムそれに未来工業とやはりカンブリア宮殿のタネ本のようだ。いず…

現存12天守閣

女性でありながら城マニアである著者が現存する12天守閣を有する城を紹介する。建築だけではなく歴史や逸話をを解説。建造には予想以上に長い年月を要している。江戸時代には改易でたびたび城主が変わっていることに驚かされる。城内をくまなく探索する姿…