2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

波濤の城

クルーズ船を舞台にした。ノンストップアクション小説。休暇中の女性消防士ペアが大活躍。取り残された乗客たちを救う。訳ありの乗客たちの再生を描くあたりは定番。船長以下は責任回避と自己中心で悪者にされるのは気の毒。エンタメとしては普通の出来。少…

甦る天平の夢興福寺中金堂再建まで25年の歩み

興福寺の管主である著者が、中金堂再建の軌跡を描く。奈良公園の一部となっていた寺を本来の祈りの空間にするのが長年の夢。柱となるヒノキの巨木は国内では入手できず、カナダやアフリカから別材を調達。これで物理的な目途は立てる。構造体には最新の技術…

自衛隊失格

著者は軍国ばばあ、中野学校出身の父と右寄りの家庭で育つ。日体大の陸上部で特待生だったが、就職をけって自衛隊に入隊。しかも海兵団からというたたき上げ。それだけ使命感は強い。幹部となるが、予定調和の組織に飽き足らず常にアウトロー。新設なった特…

素顔の西郷隆盛

著者による新書版の伝記。とかく神格化される虚像を取り去り実像に迫る。周囲を取り込んでいく人格者の部分と緻密な計画を立てる策謀家の部分が共存する。現実主義を重んじる薩摩の風土が背景にある。これまでになかった視点で新しい英雄像を打ち出すことに…

宇宙はどこまで行けるか

宇宙開発の分野では推進機すなわちエンジン屋の著者が基本原理から最新の技術動向まで平易に解説する。ロケットの重量の過半を占めるのは推進剤。はやぶさのイオンエンジンではキセノンを使用。太陽系では内惑星(固体)と外惑星(気体)では様相と難度がま…

骨ん中

硬派のミステリー。東北地盤の土建屋の物語。侠客上がりの創業者、苦労人の2代目、坊屋育ちの3代目とそれぞれの愛憎を描く。結局3代目の不祥事をかばった父親が罪に問われ、会社は倒産、本人は罪に問われる。後半に用意された2段のどんでん返しには正直…

まぐだら屋のマリア

人生に絶望した主人公が死に場所を求めた辿り着いた最果ての地。そこでマリアと呼ばれる女性が営む食堂「まぐだらや」。あばら家の定食屋だが地元の人には愛されている。元板前の若者はそこに住み着き手伝ううちに、マリアの人間関係と過去の衝撃的な愛憎劇…

魂の退社

朝日のアフロ女性記者の退社顛末記。50歳になったのを機に会社人生に決別。人生を見直す。給料と地位で縛られた厳しい競争社会は新聞社でも変わらない。退職して初めていかに日本社会が会社員のために作られているか実感する。これからの人生を豊かにいき…

経済の不都合な話

著者の経営論。章ごとに内容の変わるエッセイに近い。経済学、心理学をベースに実践を解析する刺激的な内容。人間の本質には認知バイアスがあり、経営者が誤るもとになる。変化の激しい時代には大企業は適さず、150人を限度とするスピード感あふれる組織…

日本発ロボットAI農業の凄い未来

高齢化と補助金頼みの日本農業。衰退産業のイメージだが、最新技術の導入により甦ろうとしている。AIによる知識化とロボットによる無人化により収量は飛躍的に向上する。離農による集約化をテコにする。国内市場は縮小するため、輸出さらには現地化が求め…

そこらじゅうにて

著者の日本面白紀行。これが第二弾。女性編集者とのペアでメジャーでない各地を訪れる。一筆書きのイラストがまた笑いを誘う。軽い内容だがもう一つ引き込む魅力には欠ける。繋ぎの一冊だから仕方がない。行きたいところは長崎のランタン祭りと山口青海島。…