2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ポストグローバル時代の地政学

地政学、地経学の観点から急速に変化する国際情勢を予想する。内向きなトランプ政権。拡大志向の中国、ロシアに挟まれ日本は周辺国への陥落が懸念される。取るべき方策はアメリカ発の民主主義、国際協調主義を堅持しつつ、中国主導のアジア発展に寄り添う。S…

星野仙一決断のリーダー論

著者は元NHKアナウンサー。星野監督と親交が深かった。天性のリーダーシップはその人柄と人脈で球界一のリーダーに成長していく。特に解説者時代に川上氏の薫陶を受け多くを学ぶ。本書は阪神を優勝に導き体調不良で退団した頃に書き下ろされた。経営者と…

バブル入社組の憂鬱

自らがバブル世代である著者が、その世代の特徴とこれからの生き方を探る。キャリアの最終コーナーにあるが、上下に評価されず、お荷物扱いに。人数が多く大量採用の結果でもある。特徴である人好きあいの良さと、根拠のない自信で役職定年後のラストスパー…

太陽の塔

7人の関係者へのインタビューを通じて、誕生秘話を明らかにする。一流の人材を投入しているが、当時は皆若手。国家プロジェクトに携わる情熱が、困難な建設を成功させた。戦後の高度成長期の熱もある。そもそもアウトローであった岡本太郎にプロデュースさ…

ドラッガーの講義

初期の講義集。分かりやすい言葉で自らの思想を語りかける。これが第一冊で戦前のものから。一貫して知識労働についてのテーマが多い。驚かされるのはあらゆる分野に関しての博学ぶり。未来予測もかなり正確。少し古さはあるものの、読み応えあり。 組織はそ…

おらおらでひとりいぐも

老境で孤独な主人公が、亡き人々と会話しながらこれまでの人生を振り返る構成。自らの死を意識し、人生の意味を改めて問う。全編に東北弁が散りばめられ、意味はわからないまでも郷愁を誘う。最後に救いが描かれ、読後感は若干明るくなった。著者は63歳の…

大予測次に来るキーテクノロジー

著者は野村総研の研究員。タイトル通りの内容。急速に進化するAIを中心とした最新技術を紹介。ある程度知った内容とそうでない部分が分かれる。音声操作とチャットポットが後者。単純化するとAIをベースとする分散化の時代。いずれにせよ急激な技術の変…

奇跡の人

三重苦ヘレンケラーの物語を津軽で展開。教師役の去場安が主役。6歳の野生児れんに意思疎通から教育を始める。旧家の抵抗、両親との葛藤を繰り返しながら、最後は必死の思いが通じ奇跡を導く。重要な役柄が、盲目の三味線弾きである少女キワ。はじめての友…

はしっこに馬といる

著者と与那国馬の交流の記録。自然体で馬の気持ちを理解し、コミュニケーションを図る。自然条件は厳しいが、のどかな島の中での暮らしは癒やし系。イラストも良い。素子大満足の一冊。これが実は続編とのこと。はしっこに、馬といる ウマと話そう?作者: 河…

潜伏キリシタンは何を信じていたのか

日本のキリスト教史を根底から覆す学術ルポ。戦国時代南蛮貿易に魅せられたキリシタン大名は領民ともに信者となる。これは教義を理解してのことではない。その後禁教の時代。指導者のない信者たちは潜伏しやがて教義は忘れされれていく、あたかも仏教の一宗…

グッバイレニングラード

ショスタコーヴィチの交響曲7番は、包囲戦の最中に作曲され初演を迎える。ソ連側のプロパガンダに利用されたと言われるが、国民を勇気づけたのは確か。100万人を越した戦死者、その大半が餓死または凍死という悲惨な史実。著者は25年前に子供特派員と…

ルビンの壺が割れた

かっての恋人同士がSNSで語り合う。大学の演劇部で結ばれた二人だが、結婚前日に新婦が逃走。その謎が明らかにされる。後半はどろどろした展開に。話題になった一冊。エンタメとしては充分。ルビンの壺が割れた作者: 宿野かほる出版社/メーカー: 新潮社発売…

友情

ノーベル賞受賞者の山中教授とラクビー界のレジェンド平尾誠二。対談をきっかけに無二の親友となる。お互いのオーラや生き方が共鳴した。平尾氏は若くしてがんに冒されるが、山中教授は全力でサポート。努力の甲斐なく病魔に倒れた。本書はその闘病を教授と…

北朝鮮核の資金源

著者は安保理の専門パネルとして、北朝鮮の制裁実務に従事。捜査の最前線にあたる。国連は究極の官僚機構。物事の進まなさは想像以上。各国の思惑とメンツでなかなか進展しない。特に中ロは煮え切らない態度。一方の北朝鮮は巧みにカバーを作りしっぽを掴ま…

日本の論点2018-2019

最新の論評集。あいかわらず論旨明快。多岐にわたるテーマをすべてバッサリと。トランプ政権と北朝鮮は早期の崩壊を予測。現在は急転直下の米朝トップ会談が準備中。少し情報は古いかも知れない。大前研一 日本の論点 2018~19作者: 大前研一出版社/メーカー:…

告白

カンボジアでのPKO活動。自衛隊の陰に隠れるように派遣された警察官。選挙監視が任務だがタイ国境の紛争地区で丸腰で厳しい任務にあたる。ポルポト派の襲撃で尊い命が失われてしまった。時間から23年。ようやく語りだした当事者の記録を丹念に追ったノンフ…

サムソンクライシス

対談形式でサムソングループの発展を解析する。張氏は長年サムソンの研究機関で人事問題を担当。凋落した日本勢との比較を織り交ぜながらその強さを浮き彫りにする。決断力のあるオーナーとそれを取り巻くエリートの経営戦略室。信賞必罰の人事制度。長期的…