2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

運命の絵

著者の解説シリーズ。題材、登場人物や画家の運命を変えた作品を紹介する。意外と知らない作品や画家が多い。図番が改良され拡大図も入り見やすくなった。いつもながら史実への含蓄多く楽しく読めました。中野京子と読み解く 運命の絵作者: 中野京子出版社/…

トヨトミの野望

トヨタをモデルにした企業小説。主人公は武田(奥田碩)。直言居士で左遷されていたが清濁併せのむ度量の大きさで、頭角を現し、トップへ上りつめる。積極投資で業容を拡大するが、最後は創業家と衝突し道半ばで解任。後をついだプリンスは凡庸だが、リコー…

数学的コミュニケーション入門

著者はビジネス数学の提唱者。若手の読者を想定し、定量化、グラフ化、ロジック化によるプレゼン力のアップを伝授する。理系の人間としては当たり前の話でが、実践面では参考になる部分もある。最後はロジックが9割で、人間力が1割の黄金比率とのこと。納…

経済を見る眼

現在の日本と世界の経済を平易に分析解説。経済学者らいい解析だが数式は一切用いず、大局的な考え方を伝授する。圧倒的な数字とデータの定時で戦後の日本経済の歩みがよくわかる。現在は不安定な低成長。最後は日本の製造業はピザ式の海外移転に成功してお…

戦略がすべて

時事評論形式で作者の戦略論を述べたケースブック。それぞれ短編で述べた後、まとめに方程式という名の総括を提示する。階段式に昇進してくる日本人トップの限界を指摘する。戦略はむしろ弱者の武器で、ルールを変えることで局面の転換を図る。タコツボに陥…

テクノロジー4.0

またも大前塾。AIとIoTで進行する現在の革命を第四の産業革命と位置付ける。既存ビジネスにはリスクであり、チャンスであり得る。キーワードはブロックチェーンによるフィンテックと位置情報技術。現在のボーダレスの世界ではトランプの保護主義は時代遅れ。…

文春砲

2016年にスクープを連発した週刊文春。その舞台裏を編集長やデスク自らが語る。メディア凋落の中で取材力と信用の高さで読者の支持を勝ち取る。ベッキー不倫報道では生々しい取材現場が再生され迫力がある。週刊誌だけに一気に読ませる構成。新幹線の車中で…

[書評}僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう。

4人の有名人による講演と著者との対談で構成。若い聴衆に向けて、今を生きる上で大事なことを語り掛ける。山中教授、羽生名人、是枝監督、山極京大総長の4人。生きてきた世界は様々だが、失敗を恐れず自分の信じた道に飛び込み全力を尽くす姿勢は共通。若…

ダヴィンチ絵画の謎

著者はイタリア文学者。天才の手稿を読み解き、その実像に迫る。画家としてより科学者の側面が強い。モナリザに代表されるようにその背景に描かれているのは、長年の研究成果による地層学の知識である。モナリザに対する独自の推論も披露。理想の母性とする…

地学のススメ

日本の教育システムでは重視されない地学の入門書。最新のプレートテクトニクスやぷるーむテクトニクスにより、地震や火山のメカニズムがわかりやすく紹介される。東日本大震災により日本列島は活動期に入り、南海トラフ地震は20年以内に間違いなく発生す…

百田名言

自らの作品から気に入った100のセリフを選び一冊にした。選定は意外と偏り、処女作である「錨を上げよ」に集中している。思い入れの表れか。確かに全作品を通じて登場人物たちは印象的なモノローグを残している。宣伝臭もあるがぱっと読めたところがプラ…

日本の論点2017-18

評論集。タイトルと異なり2016年の掲載が主。トランプ政権はまだ成立していない。自らの従来の主張は変わらず、低欲望社会、アイドルエコノミーを予見。オバマの理想主義には手厳しく、EUはプーチンのシリア制裁に期待している。ドイツーメルケル、台湾祭の…

日本の戦略外交

戦後日本の外交史を記者の立場でまとめる。吉田、岸と続くリアリストの流れを組む安倍の手腕を評価。大国間のバランスの中で微妙な舵取りが要求される。中韓とは靖国問題がネックだが間隙をついた参拝で支持層である右派へ仁義を切った形。北方領土はプーチ…

採用基準

著者はマッキンゼー日本法人の人事マネージャーとしてコンサルタントの採用、教育を担当。世間一般のもつファームへの誤解を是正するとともに求められる人材像を明確にする。強調されるのはリーダーシップ。すべての人がもつべき能力で育成可能である。日本…

キャスターという仕事

NHKのクローズアップ現代で23年間キャスターを務めた著者の独白録。帰国子女として働き始め、海外キャスターに抜擢されるが降板。挫折をバネに猛勉強。番組開始以来、毎年契約を更新してきた実績。番組構成の内情の部分と報道に臨む自らの立ち位置。視…

JALの現場力

破綻からの再生ドラマを現場側から記録する。稲盛イズムの浸透とフィロソフィーの徹底によって、サービスの向上が図られ、顧客満足度で首位に躍り出る。余裕が出たあとは機体とITに積極投資。この際も現場からの発案を重要視。要は一人一人の社員の力を活か…