2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

日本のノーベル化学賞(復習メモ)

福井謙一 量子力学からアプローチした「フロンティア理論」(有機化学反応理論) 「応用化学を専攻とするなら基礎をやれ」が恩師の言葉 白川英樹 導電プラスチック(ポリアセチレン) (研究生がチグラーナッタ触媒を通常の1000倍投入して合成。) 野依…

日本はなぜノーベル化学賞につよいのか

2000年から2002年にかけて、日本の化学界は3人のノーベル化学賞受賞という輝かしい時代を謳歌する。特に3人目は民間の若手研究者である田中氏であり大きな話題となった。本書ではその経歴と研究成果をきわめて平易に解説する。島津製作所は組織よりも研究…

神様からひと言

旧態依然とした中堅食品メーカーへ途中入社した主人公が、問題社員の掃きだめである「お客様相談室」配転させられる。全体のプロットは同じ著者の「メリーゴーランド」によく似ていおり、相談室のメンバーがデフォルメが効いて個性的で充分笑わせてくれる。…

GO

在日韓国人の高校生が主人公。自然と身につけた暴力で校内無敵を誇る。同世代の女子高生との恋愛が軸になっているが、織り込まれるのは南北の体制問題、子供の頃からの日本人からの差別、親友の死、そして失恋とテーマはすべて重い。ボクサー上がりの父親の…

誰も知らない名言集

市井の人々の日常あるいは非日常の名言をそのエピソードと共にコミカルに収集する。雑誌の連載。圧倒的に男女間しかも下ネタが多いが、軽妙な文体もあって正直楽しめた。作者の読ませ笑わせる力は充分。新幹線移動の車中で読破。暇つぶしには適。増量・誰も…

はみだし銀行マンの投資戦略

副題は「オレ流資産運用術」。要点は日米欧の3極x株、債券、不動産の3種でのポートフォリオを推奨。地域と種別による時間差を利用して、ベストの運用を目指すとするもの、時間のない副業投資としては納得のできる戦術。ただし不動産はREITが上がりすぎて…

ミッドウエィの刺客

大敗の中で敵空母を撃沈し一矢を報いた潜水艦の奮闘を描く。実際の艦長の手記をだいぶ前に読んだ覚えがあり、その中ではかなり僥倖な戦果であったのが事実のはずだが、それでは小説にならず劇的なモノに仕上げている。エンタメとしては当然の手法であろう。…

幕末バトルロワイヤル

江戸幕府末期の政局を「政治権力の動態史」として描く。天保の改革から、ペリー来航まで。水野忠邦は権力志向が強く、自藩を犠牲にして猟官運動を行った。武士政治を継続するには、自ら権力を掌握し改革を推進するしかないとの使命感だったのであろうか。政…

国際人の英会話学習法

自称日本人の英語コーチの著者が、現状の日本における英語教育(学校教育だけでなく商業主義の英会話スクールも含めて)を厳しく批判。曰くテキストを読むだけの「英語観賞」に過ぎないとばっさり。実用的な「釣り竿」として"May I have ..."の構文活用を提…

勇気の一瞬

新大久保駅での決死の救助に挑み、不幸にして若い命を落とした韓国人留学生への追悼文集。日韓のマスコミの共著の形になっている。彼が如何に人間的に暖かく、また明確な目標を持って学んでいたかが多くの証言によって語られる。故人の文章も引用されるが若…

誰か

自転車接触事故で、亡くなった父親の過去を闇の部分を探る姉妹。慎重な姉と活発な妹。性格の違いだけでなく、産まれた時期の差で両親への想いも異なる。二人のライバル関係が意外な結末を導く。比較的単純なプロットで謎解きよりも、親子、男女の機微を描い…

ポーランドの歴史

10世紀 ピャスト王朝による建国&ローマ教会の布教 14-16世紀 ヤギェウォ王朝 中世の大国 ポーランド−リトアニアの合同によりドイツ騎士団を撃破 16世紀はルネッサンス(コペルニクス) 16-18世紀 シャラフタ民主制(国王選挙) (1863)ヤン3世ソビェンスキ …

ポーランドを知るための60章

エリアシリーズの中の1冊。歴史、文化、言語等各専門家が単文を寄稿した入門者。16回も仕事で訪問している先なので、幾ばくの予備知識はあるはずなのだが、カタカナの固有名詞の壁はなかなか高い。珍しく家内も手に取ったとのこと。興味ある部分のみのよ…

重力ピエロ

母親がレイプされた結果生まれた弟が、連続放火事件を起こし犯人である生物学上の父親にメッセージを送る。それに巻き込まれていく兄である私。最後は復讐の形で決着をつけるが、それは自らの中での邪悪な遺伝子との訣別であり、本来の家族への回帰である。…

ポーランド

同僚を案内がてら、クラコフ市内を観光する。暑かった先月とは大違いで、外は冷たい風が吹きジャンパーが手放せない。まず目玉のWawel城へ。今日はむしろどう時間をつぶすかがテーマだったのでフルオプションでチケットを購入。 3部構成になており、拝観順…

長崎ぶらぶら節

直木賞受賞。明治から昭和初期にかけて長崎、丸山に生きた芸妓の一生。貧しいが故に花街に売られ、容色のために美しい姉妹と比較され、必死で芸を磨き、常に誇りを持ち続ける一本筋の通った生き方。地元の学者であう古賀十二郎に恋をしつつも、その歌の収集…

社長のベンツはなぜ4ドアなのか。

大胆なタイトルで評判になった経理入門書。中身は平凡。経理的な内容はほぼ技術やの私でさえ身につけている範囲。後半は中小企業の節税対策をおもしろおかしく書いているが、それがどうしたというのがサラリーマンの正直な印象。読破に通勤往復のみなので文…

女はなぜ土俵にあがれないか

一時大いに盛り上がった太田知事と相撲協会の土俵上男女平等論争。横綱審議委員である著者は、無理矢理の平等論に反論を試みる。原本は宗教学の修士論文であるため引用文献も多く、やや読みにくいが、土俵を「結界」ととらえ、神が鎮座するとされる間は女性…

メトロに乗って

作者初期の秀作。立志伝中の経営者でありながら、家庭内では暴君である父親に反発し、実家を飛び出した主人公が、タイムスリップにより過去の重要なターニングポイントに降り立つことにより、父親の孤独な生い立ち、また人間味にふれ理解を深めていく。東京…

全身漫画家

人気漫画家江川達也氏の作品主題と精神的バックボーンを経歴と作品を紹介しながら解説する。本人の語り口になっているが、実際の執筆は別人。私はあまり漫画自体を読んでおらず完全には共鳴できない。コミック雑誌の商業主義と特に教育に関する作者の意欲的…