2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

生人形

小説中に出てくる生人形とは、見せ物用の実物大の人形で、芸術的な彫刻とは別物。写真で見る限りかなり精巧で、ホラーの題材にはもってこい。機会があれば一度見てみたいものだ。http://www.mus-his.city.osaka.jp/news/2004/ikiningyo/tuika/html/ikiningyo…

ドールズ

ひき逃げにあった7歳の少女の意識の底に潜んでいた何者かの霊魂がよみがえり精神と肉体を支配する。叔父と恋人それに親友の医師が謎に挑み、少女の取り戻そうとする。キーワードは江戸時代の生き人形。題材の割におどろおどろしくならず、軽快に楽しめるの…

ウェブ時代をゆく

ベストセラー「進化論」の続編の位置づけ。急激に進化するネット社会と個人生活との関係を中心に述べる。1975年からの50年間という視点で見た場合、2つの人生を生きることが出来るという恵まれた時代に我々は生きているとする。前半部分は刺激的であったが…

プリンセスマサコ

著者はオーストラリアのジャーナリスト。期待通り宮内庁関係のしがらみ無く事実の核心に迫る。雅子妃は皇太子からの2度に渡る求婚に断りきれず外交官のキャリアを断念。最後は天皇皇后からの要請に押し切られた格好。逆に父親の小和田氏は外務官僚として登…

裁判官の爆笑お言葉集

裁判官の法廷で発した被告に対する説諭や付言をまとめている。もちろんそういうネタを集めているのであるが、無味乾燥と思われがちな日本の裁判審理の中で、心情の機微に触れるような名言が多く判事の人間味があふれる。検察官、弁護士を含めた裁判システム…

おじさん通信簿

同世代でありながらなんとなく住む世界が違うので避けてきた作者。他愛ないエッセイ集だが「おじさん」として共感出来る部分は多数ある。思わずくすりとさせられるユーモアのセンスはさすが。細君の高井麻己子さんのネタが結構出てくるが、オニャンコの中で…

与太郎戦記。

柳昇師匠の一兵卒としての戦記。東京で健二の誉れとして入営し、機関銃部隊の兵長殿として中国駐屯から、最期は輸送船の護衛部隊として対空戦闘に従事する。日常の兵営生活と人間関係が軽妙なタッチで描かれる。人情家でその暖かい人柄から自ずから部下、同…

さよなら、盲導犬ミッキー

TBSの「どうぶつ奇想天外」のディレクターの取材記。勤めを引退した盲導犬が老犬ホームで最期を迎える。ユーザー、パピーウォーカー。センターの人々と出会いと別れを繰り返し、たくさんの幸せを振りまいてきた一生。内容がわかっていても涙してしまう。レト…

いま、会いにゆきます。

若くして最愛の妻を亡くした、少し神経症のシングルファーザーの元に妻の幽霊が現れる。彼女には全く記憶がなく二人は一から恋愛を始めることになる。6歳の息子を含めて遠くない別れを恐れながら不思議で幸せな生活が再開される。彼女に説明する形で高校時…

私をスキーに連れてって。

帰国便の2作目。ストーリーは単純きわまりないが主演の原田知世はいい。奥手の秘書室OLを演じる。外見はある意味平凡なのだが笑顔がいい。周りの共演者も皆若くバブル期の時代設定と共に笑わせて頂きました。1987年作。ホイチョイプロダクションは今…

国家の罠

副題通り、日本のラスプーチンと呼ばれた外務省の情報専門家の暴露本。鈴木宗男を排除するためのスケープゴートにされ国策捜査の被疑者となる。逮捕から一審の判決まで担当検察官との真剣勝負が赤裸々に語られる。もちろん自己弁護の部分もあるだろうが、自…

Zeppelin

出張の最終日。フライトまでの空き時間を利用して見学。中央にヒンデンブルグ号の実物大模型が再現されており、圧倒される。ただし内部設備が見れるのは客室等ごく一部。操縦席やサロンなどあれば良いのに。展示品はさすがに実物、書類とも豊富で興味深いの…

オズの魔法使い

伝説の名作だが考えてみたらまともに観たことがなかったので到着前の2作目に選択した。さすがに古い。ある意味安心して観てられるが、ノスタルジーを醸し出す以外は正直退屈。途中で止めようかと思ったが。現代の子供たちにも小馬鹿にされるかも。

オリオン座の人々

京都の名画座が閉じられる。館主夫妻と近所のオリオン座を縁に夫婦となった幼なじみのカップルの情愛を描く。昭和30年代を舞台に叙情的な作品に仕上がっている。主演の宮沢りえは病的に細いがやはり美しく可憐な未亡人を見事に演じる。キャスティングの勝…

巨大銀行システム崩壊

みずほ銀行の統合の内情を描いたフィクション力作。実名に近い企業名が次々登場する。社会的には開業後のシステムダウンが世間の注目を浴びたが、内部では事前に予測されていた。各銀行トップ同士の宥和政策のため結局責任が明確でなくなり、大きなトラブル…

わが名はオズヌ

開発計画により取り壊し予定の高校に、役小角の転生者が舞い降り危機を救う。周囲を不良少年と警察少年課のはみだし刑事が手助けする。わかりやすい勧善懲悪ストーリだが、正直途中で先が読めて若干退屈。役行者=出雲の製鉄技術者=キリストと古代日本の謎…

技術者に求められるマーケティング視点

Profitでなく顧客のBenefitを探せポジショニング5つの法則 「No.1の法則」絶対有利 「ルール変更」四則演算で自分に有利な土俵作り。 「バイパス活用の法則」急がば回れ(Sony VAIO) 「選択集中の法則」自社の強みを相手の弱点に 「属性逆手の法則」欠点を…

密告

元射撃選手の警察官が、署内の不正に絡んで上司に対して密告の嫌疑を受ける。二人の間にはかってのオリンピック代表と一人の女性を争った過去があった。警察の巨大な組織の中で、真相の解明に向けて孤独な闘いを続ける主人公。中盤はなぜこんな陰湿な世界に…

ニッポンを繁盛させる方法

対談とそれぞれの短いエッセイで構成されている。政治に対する熱い想いは伝わるものの、現状打破のための画期的な解決策があるわけではない。日本は破産状態の商店街であると喩える紳助からいくつか(冗談めかした)提案はなされているものの、表層的なレベ…

外交五十年

口述筆記の自伝。外交官としての一生は思ったより豪放磊落で、意外なエピソードも語られているが、常に信念を持ち国益を優先していた。時代もあろうが若くして重責を担っている。それだけ優秀であったのだろう。基本姿勢は奇をてらわず正直、誠意を持っての…

ZERO

日中の諜報合戦。互いに組織間の権力争い有り。戦争時の秘密ありで盛りだくさんの大作だが、正直言って人間関係が錯綜しすぎて読みづらい。後半の潜水艦による救出作戦でようやくスピード感が出てきた。念密な調査と詳細な記述で重厚な作品に仕上がっている…

この国の品質

辛口の評論集。講演、エッセイ、ルポの3部構成になっており、互いに重複するのは序文で断りがあるので承知済み。はやりの「品格」でなく無機質な「品質」としたのは底が抜けようとしている現代日本社会を冷徹に見据えるため。小泉、安倍政権を痛烈に批判。…