2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧
尖閣問題で日中関係が最悪期を迎えた時期に駐中大使を務めた著者が、その経験から今後の日中関係を予測、打開策を提言する。商社のトップらしく外交関係に止まらず、日本のグランドデザインについても言及する。日本の優位性はブルーカラーの優秀さ。これを…
法隆寺百済観音のモデルを求めて、古代史における豪族の関係を読み解く。回答は物部守屋。蘇我氏との争いは宗教論争ではなく、律令制の導入による既得権益の侵害であったとする。法隆寺は物部氏の鎮魂の寺。中臣鎌足は百済の王族とする新説も披露。著者は歴…
一匹のキャリアチェンジ犬に焦点をあて、介助犬事業を紹介する。パピーウォカーでは家族をひとつにし、キャリアチェンジ先では引き取り後に難病に陥った主人の生きる希望となる。別の現役犬の活躍とあわせて、プロの作家による記述は胸打つものがある。協会…
さまざまな職業にスポットをあてる短編集。少し奇をてらった設定は作者のアイディアならでは。主人公たちはそれぞれ真剣に夢を追いかけており、ラストではそれなりの希望が示される。いずれも面白いが地方公務員がゆるきゃらで奮闘する一作がお気に入り。ユ…
NYを舞台としたラブロマンス。30を過ぎてロックバンドを率いる主人公が、韓国人女性と恋に落ちる。一旦は結ばれる二人だが、初のライブを目前にして9.11のテロに見舞われ彼女は行方不明に。元々の実在したのか問われるラストは疑問が残る。背景には…
著者は韓国籍の国際法学者。日米の大学で教鞭を取る。竹島問題を皮切りに最悪の状態となった日韓関係を憂慮し筆を取ったとのこと。日本の侵略に対する謝罪は言葉足らずだとしながら、戦後の平和主義はアジアで評価されているとする。集団自衛権の問題は、中…
他人の死を予知することのできる能力を持った男の物語。運命に抗い他人を助けようとすると自らが傷つく代償を支払わねばならない。不幸な生い立ちから天涯孤独。自動車塗装工としては一流で独立を果たすが、他人との交流は不得手で恋愛には臆病。命を救った…
経済学者がTPPの功罪をわかりやすく解説する。基調は推進派。WTO(GATT)が本筋だが多国間では合意できない事項は、地域別の連携を取るのが現実的な路線。アメリカには対中国の地政学的な思惑はあるが、日本に取っては経済成長の糧になる。韓国やタイも参加し…
ANAで定期的に行われる機長の査察フライト。若手の機長が評判の良くない査察官とフライトする。神経質になりいつもの実力を発揮できないが、雪での着陸には逆に力が抜け、リーダーシップを発揮する。合否のポイントは自分の家族を乗せるに足りうるかどうかと…
売れないジャーナリストが次々予告テロに巻き込まれる。見え隠れするのは満州国に縁のある老人達の姿。謎のキーとなる不思議な美女とチームを組み探索を続ける。老人達は旧独軍の88mm対戦車砲で原発を爆破しようとする。結局は主人公の通報により、海兵隊に…
*[書評]モチベーション3.0 表題の数字はバージョンを示す。人間の動機付けについて社会心理学の成果を紹介。生存本能の1.0.飴と鞭の2.0から一歩進んで、内的動機である3.0への進化を提唱する。人間の内部には本来向上したいという要求がある。キーは「自律…
論評集。日本、海外の政治経済の動向を、圧倒的な情報量で論理的に分析。将来を予想する。冒頭に世界と伍するにはロジカルであるべしと明言するだけに、内容は論理的で明快。歯に衣をきせぬ物言いは健在というかより鋭くなった感じ。ケインズ経済学はボーダ…
日記風エッセイ。日々の出来事をおもしろおかしく描く。芸人としての交友関係からのネタが過半。芸風通りユーモアセンスにあふれ、感性も高いのはよくわかる。2006−12年の雑誌掲載をまとまたもの、同じような内容が多く、単行本にするとやや内容は薄い…
信長を取り巻く8人の視点から、カリスマ改革者を描く。敵対する上杉謙信や足利義昭、部下である蒲生秀郷や柴田勝家に加えて同族や実母など史上あまり知られていない人物も登場。作者独自のキャラクター設定により生き生きと人間模様が交錯して愉しい。似た…
新宿の場末にあるBAR「追分」。夜はバー昼間はやどかり営業のバールとなる。ここに巣くうことになった主人公を語り手に、訪れる客の人生の岐路を描く連作集。人情味たっぷりのほのぼの系秀作。追われて分かれるのではない。夢を追って分かれるのだ。BAR追分 …
シリーズ第2弾。もしドラに触発された次世代の女子マネが休部中の名門野球部を見事復活させ、甲子園に導く。イノベーションの7原則に則り、部員の募集から始め、新しい練習システムを確立。最後は魔球を開発する。ストーリーはあり得ない話だが展開が早い…