2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

勝者の思考回路

著者は外食系のブランドプロデューサー。お嬢様から社長秘書を経て辣腕コンサルへと華麗な転身。派手な外見とは異なりしっかりした生き方を実践。実家の破産や厳しい留学体験が彼女の成功への思考回路を形作る。本書はそのエッセンスを述べる。基本は誠意を…

フラウの戦争論

戦争論の著者ででるクラウゼヴィッツの物語。プロセイン軍の参謀として、ナポレオン戦争を戦う。妻であるフラウは貴婦人であるが、夫の仕事に理解は無く夫婦仲は円満と言えない。一方の主役であるナポレオンは軍事的天才であり、圧倒的なカリスマで国民皆兵…

孤塁

震災ノンフィクション。3.11の激震から文字通り奮闘する地元消防の苦闘を描く。ほとんど報道されてないが、原発にも何度も出動。被爆の恐怖と闘いながら、使命感に突き動かされる。特攻という言葉が自然に使われる。自らの恐怖、家族への想い、いわれな…

あの絵のまえで

短編集。名画がキーになる家族や男女の物語。決して豊かでない人々が、それぞれに絆を確認し、幸せを見つける。主題としてはアートにはその力があるということ。全6作。巧みである。直島には行かなくては。 〈あの絵〉のまえで 作者:原田 マハ 発売日: 2020…

Yコンビネーター

シリコンバレーのスタートアップ養成スクールに密着取材。1クール90日、起業を目指す若者たちの奮闘を描く。ほとんどが有名大学の俊英。まずは入学審査が厳しい。最後のデモデーで投資家の前でプレゼン。起業にこぎつけるのは1割に満たない。今はネット…

世界の神様解剖図鑑

タイトル通り、世界中の神話の世界をイラストつきで解説する。日本、インド、ギリシャ、北欧がメイン。一神教の世界には存在しない分野。強調されるのは共通性。これはよく言われるところ。入門書として網羅的だが、一部の雑学の域を出ない。何かあったら調…

青い星までとんでいけ

SF短編集。ハードウエアの宇宙探索ものやライトノベル的な美少女恋愛ものもあり、バラエティには富む。エンタメとして十分楽しめたが、のめりこむほどではない。今後の読書領域にてSFをどうするか微妙なところ。 青い星まで飛んでいけ 作者:小川一水 発売…

絶滅の人類史

猿人類から現在の我々まで。人類の進化を科学的に辿る。700万年の間に多くの種が発生し絶命していった。生物考古学的な論争は数多いが大体の道筋は明らか。2足歩行の人類は、大きな脳を持つことができ、食物を運搬、共同社会で子育てをし、厳しい競争を生き…

FACTを基に日本を正しく読み解く方法

評論集。もとはWEBか。タイトル通り直近の社会問題をデータをもとに解説、自論を展開する。論調は右寄りで、現行の政策を擁護。対するマスコミや左側の政治家には手厳しい。データを見れば説得力はあるが、上から目線なのは財務官僚のキャリアのためか。 -川…

参謀の思考法

中堅時代秘書課長として、トップに使えファイアストンの買収を乗り切った著者が、参謀役の重要性を説く。原理原則に従い自律のロジックを持ち思想まで高め、結果を恐れずトップに諫言する。トップから見れば、裸の王様にならぬよう、信頼できる参謀役を置く…

邦人奪還

軍事IF小説。尖閣への中国侵攻排除、北朝鮮からの拉致被害者奪還と陸海の特殊部隊が大活躍する。元自衛官の著者ゆえにPRになるところはやむを得ないが、リアル感は十分。主題はむしろ法制上闘えない組織にある。日本政府とその背後にあるアメリカの戦略が垣…

超限戦

中国軍人が書いた軍事論。湾岸戦争の結果を色濃く反映するが、非軍事部門への展開を強く示唆。未来の戦争はサイバー空間や経済、メディア戦が主戦場になるとする。ハード技術だけでなく、思想の転換が必要。20年前なので未だ米中間には戦力差がある局面。…

火星の人

SF大作。アクシデントで火星に一人残された主人公が、自らの科学的知識でサバイバル。植物学者でエンジニアの経験を活かす。何より活力は明日を信じることと切り替えの早さ。最後は残りのクルーが身を挺して救出にあたる。評判に違わぬ秀作だが、少し長す…

バッタを倒しにアフリカへ

昆虫学者を目指すポスドクが、アフリカモーリタニアでフィールドワーク。大量発生するバッタのメカニズムを探り、撲滅へのヒントを探る。異文化の中での研究生活の実態が面白おかしく描かれる。京大の白眉研究者に選ばれるなどユニークで優秀なのだが、肝心…