2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

僕たちは宇宙のことぜんぜんわからない

最新の宇宙物理学の案内書。数式はほとんどなく軽い記述とユニークなイラストで笑わせる。結論的にはいまだわからないことだらけであるが、科学の進歩はめざましくやがて解明されていくであろうとの希望。宇宙に存在するブラックマテリアルや膨張のエネルギ…

なぜ日本の当たり前に世界は熱狂するのか

「もののあわれ」や「わびさび」に代表されるように日本文化が世界で再評価されている。その原因はSNSによる世界の村化に日本の均質的で中庸な社会がFITしていると分析。明治維新や戦後に西洋的な価値観を追い求めてきた日本人自らが再考する必要がある。根…

経済学なんて教科書だけでわかるかボケ

著者による経済学入門書。非常に卑近な例を多用して、シンプルに解説。大いに脱線しながら笑いを取る手法。内容的には基本的な事項ばかりであるが、復習確認には丁度良いか。アベノミクスの評価は中立。インドネタとアイドルネタが多い。 経済学なんて教科書…

愛加那と西郷

奄美大島の島妻として西郷を支えた愛加那。史実をベースにしながら二人の情愛を細やかに描くところが著者の真骨頂。出会いから数度にわたる別れ。二人の子供も薩摩に送り出す。彼女や子供への想いがあったればこそ、西郷は不遇を乗り越え歴史に名を遺した。…

娘に語るお父さんの歴史

1963年生まれの父親が自らの子供時代を娘に語る。普段の想い出話ではなく、しっかり図書館で調べ、時代背景と歴史上の意義を諭す。高度成長の真っただ中、テレビが家庭に入りスピードに価値のあった時代。人間の幸せは突き詰めれば自分の子供のために未…

なぜ男子は突然草食化したのか

著者自ら統計探偵を名乗る。豊富なデータを解析し、社会現象を解き明かす。マスコミでは伝えられない深層が見えて非常に興味深い。センセーショナルなタイトルだが、中身は極めてアカデミック。それぞれに自らの結論を明示するのも好感。注目したい。 なぜ、…

理系の企画力

企画開発について9つの法則を上げる。優良企業の成功事例の具体例をあげ理解を深める構成。サントリーの伊右衛門やコマツのダントツなど良く知られた事例。目新しいのは安川電機の「外専内標」。2009年版なので、少し危惧したがあまり古さは感じなかっ…

福岡市を経営する

著者は地方の民放から福岡市長に当選。圧倒的な実績で3選を果たす。若い世代らしくSNSを活用。新たな政治手法を確立、若者の共感を呼びつつ、他の首長とも連携を図る。もともと政治家志向。難関のアナウンサー試験を突破したのは陰ながら努力を怠らない。ト…

経営の美徳

経営学の泰斗と現役の経営者からなるフォーラム。その講演、対談集。特に人材活用と次世代リーダーの育成がテーマとなる。錚々たる顔ぶれだが、共通するのは企業の社会における存在価値の重視。SDGSもそうだが結果として社員のモティベーションに繋がる。イ…

帝国ホテル建築物語

大正初期、帝国ホテルライト館の建築をめぐる物語。ライトの優れた設計と日本の卓越した職人技の結晶。現場は芸術家のライトとプライドの高い職人とで一触即発の危機の連続。やり直しが続き、工期は伸び予算は膨らむ。最後はお互いに理解尊敬していくが、ラ…

富士山はどうしてそこにあるのか

地形学の入門解説書。地殻変動と気象状況が長年かけて現在の地形を形成した。キャッチーなコピーの回答はプレートテクトニクスで説明。本来は海縁部にあるべき沈み込みが北側に移動し、現在のポイントとなった。伊豆半島の衝突もいちいん。他に活断層の産む…

日本の城下町を愉しむ

紀行集。タイトル通り城そのものでなく城下町の歴史や風情を楽しむ。北から南まで100か所を紹介。各地とも振興のため、再建や付属設備の建設が進んでおり、様変わりしているよう。挿絵が素晴らしいが、写真は小さすぎる。著者とは同年代。共感はある。 日…

人生後半戦これでいいの

70歳を超えた著者。第一線は引退しているがますます意気軒高。新しいことに挑戦し続ける。常に既成概念に疑問を持ち、チャレンジし続けてきたことが彼の成功の秘訣でもあった。これまでの人生経験も節々で語られ興味深い。平明な文章で簡潔。薄いページ数…

グッドフライトグッドナイト

現役BAパイロットのエッセイ。搭乗機はエアバスから747へ。日頃知ることの出来ない操縦席の内幕と飛行にこめた想いを綴る。4種の速度が存在するなど知らない事実も結構多い。天空から見る景色の描写は誌的で美しい。予想していたが翻訳もので記述が長く…