2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

RISE

南アフリカラクビー代表の主将を務める著者の自伝。黒人スラムの出身。ラクビーの才能を見出され、奨学金を受けエリート校に転校。プロチームに所属し、南ア代表となる。ポジションはフランカー。若い時は飲酒で悪さもしたが、キリスト教の洗礼を受け、敬虔…

自由の丘に小屋を作る

フリーライターの夫婦が、自力で山梨に小屋を建てる。設計士や大工がボランティアで協力。チャレンジに面白がる人たちを巻き込んで3年がかり。途中コロナの影響や自らの著作の入選もあって、遅々として進まない。本書の主題はむしろ娘の成長期。不妊治療の…

ひとり趣味入門

人生の後半にかけて趣味開拓の勧め。大上段に振りかぶるのではなく、好きなこと、興味を持ったことから試してみるのが良い。若い時と違い、仲間とワイワイやるのではなく、一人でも楽しめることがポイント。本人も多くの趣味を紹介しているが、魅かれるのは…

エネルギー危機と原発回帰

NHKの重鎮二人がエネルギー危機を理由に急がれる原発再稼働に疑問を呈する。中立であると断ってはいるが、様々な問題点を指摘。老朽化対策と原発のゴミ問題。いずれも見切り発車の状態。根底には関係省庁、電力会社、地方自治体と関係者が多すぎ、変革が進ま…

前人未踏

話題の人二人の対談。山中教授が聞き役となり、藤井名人から話を引き出そうとするのだが、ついつい自らの話になり、7割がたは教授のパーツ。年齢差や人生経験の差からして致し方ない。AIの進化が大きなテーマ。名人も活用しているとのこと。研究や将棋の…

紛争地の看護師

国境なき医師団の看護師の体験記。著者は日本の看護師であり、国際貢献のためにオーストラリアに留学したことにまず驚く。英語を身に着け、17回も戦地に赴く。シリア、イエメン、ガザ。想像以上に悲惨で過酷な状況。安全は考慮されているが、保証は全くな…

東京ひがし案内

東京の東地区、東京駅から王子、町屋あたりを散策する。下町情緒あふれる一帯。作者の好みは歴史的建築に旨いもの屋。文学史も噛合わせる。秀逸な地図とイラストも掲載。2010年の著書であり、それからコロナもあり変わってしまった部分も多いであろう。馴染…

国境を越えたスクラム

日本代表で目立つ外国人選手の活躍。批判も少なからずある中でその実像に迫る。歴史をひもとけば37年前のトンガからの留学生にさかのぼる。戦力強化だけではうまくいかず、その人間性とチームへの融和が問われる。受け入れる日本側も彼らの突出した能力に…

シンプルで合理的な人生設計

著者による幸福論。理論と実践に分かれる。3つの資本を活かし如何に満足できる人生を送るか。これまでの著書で述べられた内容が多く、さすがに出版過多のイメージがあり減点対象。ところどころハッとさせられるネタがあるところが著者に魅力ではある。 -幸…

ナポレオン街道

稀代の英雄の足跡を訪ねる紀行文。生誕の地コルシカ島からパリ、イタリア、エジプトと巡る。行く先々で無頼派らしくギャンブルと酒に興じる。それも旅情を掻き立てて良い。ナポレオンにまつわる書物は30万冊を超えるという。軍事的才能は言うに及ばず非常に…

トヨタのEV戦争

出遅れた感のある日本のEV車戦略。盟主トヨタの将来をアナリストが分析する。EVの神髄は電池とSDV(Software Defined Viecle)。特に後者は車のスマートフォン化として繰り返し強調される。この両面で立ち遅れる。テスラやBYDは垂直統合による内製化を完了。…

蔦重の教え

江戸中期の吉原にタイムスリップした主人公。出会ったのは蔦屋重三郎と喜多川歌麿。辣腕プロデユーサーでありながら、人情味あふれる蔦重の魅力に引き込まれていく。真面目に働き、浮世絵の制作過程を見るうちに、これまでの人生を見つめ直す契機となる。し…

政治はケンカだ

暴言市長として名を馳せ、マスコミの批判を一身に浴びた泉市長。元朝日新聞記者の鮫島氏との対談で、これまでの政治家人生を語る。貧しい漁村に生まれ、弟は障害者。10歳にして市長を志し、市民に優しい政治を目指す。東大時代は学生運動にかかわる。その後N…

かっかどるどるどぅ

4人の恵まれない人々の物語がそれぞれ進む。真面目に生きながらそれぞれ事情があり、破産や自殺の寸前。救世主となる老婆は自宅を開放し、ちゃぶ台で食事を提供する。自らも不運を乗り越え、人の輪を大切にする。最後は大往生。現代の世界情勢や環境問題もま…

2040年の日本

近未来予測。日本の未来は人口減少、高齢化により決して明るくない。成長率は良くて1%。政府試算の2%は現実を隠ぺいするためのまやかしでさる。急激に変貌する社会に対して、デジタル化が急務。それを担う人材が圧倒的に不足している。リスキリングを含め…

硫黄島上陸

太平洋戦争最後の激戦地硫黄島。軍事基地として一般人の上陸は原則禁止。戦死率95%の島にはなお一万以上の遺骨が眠る。著者は新聞記者でありながら自発的に収集団に参加。その現状と謎の解明を本書に託する。様々な神話があるが、外務防衛筋のアメリカに…

言い訳するブッダ

仏教経典の中の、矛盾を「言い訳」としてユーモアたっぷりに解説。ブッタの時代の初期から、現代の各宗派に至るまで、普通では解説できないところに辻褄合わせを行う。著者は浄土宗の僧で高名な仏典の研究者であるが、初心者向けに平易に解説。好感が持てる…