2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

池上彰の世界の見方フランス

独自の政治、文化を誇るフランス。その内実をわかりやすく解説する。独特の政教分離、植民地からの移民、教育システムとあまり知られていないことが多く興味深い。高校生への事業形式であるが、質疑応答もレベルが高い。シリーズ展開に期待。 -EU本部をブ…

プアジャパン

時評。急激な円安もあり国際的な地位を下げる日本。インバウンドの増加は単純に喜べる現象ではない。政府の補助金政策と円安誘導でイノベーションを怠ったのが最大の要因。打開策はデジタル人材の育成と確保。企業ごとの固定的な人事政策を打破し、流動性を…

問題解決のための名画解説

著書は米の美術史家。名画を鑑賞することで、ものの見方には様々な観点が存在することをセミナーで角界に伝えている。特に警察や医療関係には公表とのこと。写真で美術作品の実例を示し主張を繰り返す。興味を引かれる部分とそうでない部分の山谷はあるもの…

老いては好きにしたがえ

老境に入った著者の人生実践論。絶頂期にお笑い界から転換。ボクシング、絵画、ヨガをそれぞれ極める。それぞれゼロからのスタートだが、反復練習で頂点をめざす。現在は納得の上離婚。一人暮らしは一日一食の宗教者のような暮らし。決して枯れたわけではな…

凡人が天才に勝つ方法

歌手そしてプロデューサーとしられる著者の人生を切り拓く手法。自らを凡人と位置づけ、たゆまぬ努力と工夫で現在の地位を確保した。内容的には極めて常識的。好きな分野をみつけ、ともかく数多く作品を生み出す。一定の確率でヒットは生まれ、自らは上達す…

逆境を生き抜くための教養

著者は脳出血で右半身マヒ。電動車いす生活となるが、リハビリを乗り越えてAPU学長に復帰。改めて人生の逆境に対する身構えを示す。基本的な考え方は、運命論となるが、起こったことは受け入れ、そこからの展開を前向きに考える。その糧となるのは、本、人、…

敗軍の名将

太平洋戦争。戦後生まれの著者が悲惨な戦場から4人の名将の戦いぶりを描いたノンフィクション。インパール作戦の佐藤、宮崎、沖縄戦の八原参謀、海軍芙蓉航空隊の美濃部。理不尽な大本営や上層部の命令に反してでも、合理的な自らの理想を貫く。ただその正…

屋根裏プラハ

写真家によるエッセイ。プラハの街に魅せられ、アトリエを持つ。共産党時代からの街の変遷をレンズを通して見てきたことになる。盟友である現地のカメラマンとの交流。尊敬する先人へのオマージュも。内容の濃い硬質な文章で読破に時間を要した。沢木氏の推…

蔡英文自伝

出生から総統就任までの自伝。専攻は法学で米欧へ留学。学者から官僚さらに政治へ転身。自らの分析では内向的とのことだが、常に冷静で長期的なビジョンを見据えて行動する。強い意志と使命感でリーダーシップを発揮する。周囲からの信頼は自ずと巻き起こる…

殺人者たちの午後

イギリスのノンフィクション。殺人犯に著者がインタビューを行い、殺人の実際とその後の収監、思うところを赤裸々にする。イギリスでは死刑は廃止、殺人罪は終身刑となるが、刑期は短縮され厳しい監視のもとに社会復帰が図られる。10例が示されるが、恵ま…

少年空海アインシュタイン時空を超える

科学系SF。空海と観音菩薩が、博士(ホーキンスがモデル)の導きで時空を旅し、物理学の歴史をたどる。それぞれエポックメーキングな発見の瞬間に立ち会う。地球上のことはニュートン力学で証明できるが、宇宙のことは相対性理論が必要。毎回のことだが、後…

おあとがよろしいようで

大学の落研が舞台。新入生の主人公はコミ障で孤独な学生生活を覚悟していた。新歓で誘われた落研に入部。仲間に恵まれ一気に人生が展開していく。特に部長は自分に似た性格の新入生をほっておけず、自らの過去をさらして導く。よくある青春感動モノであるが…

語前語後

エッセイ集。数学系の雑誌への連載。Volemeは毎回違うようだ。世相を斬り、芸術を語る。ユーモアも忘れない。著者の主張は極めて常識的で、ともすれば行き過ぎてしまう世間にブレーキをかけるスタンス。納得感はある。巻末は数学者森毅氏との対談。いずれも…

森保一の決める技法

日本代表監督として多くの実績を残す森保氏のリーダーシップの源泉を探る。選手としてはエリートでなく、オフトに見出された。視野の広さと献身的な守備でボランチをこなす。選手としてドーハの悲劇を経験。その指導力のベースは人間力。誰にでも誠心誠意向…

文字を超える

夫婦でジャストシステムを起業。夫人がプログラム、著者が営業と経営を担当。ワープロソフト一太郎で一世を風靡する。その後マイクロソフトのOS抱き合わせ戦略に押され、経営は苦しくなり、現在ではキーエンス参加。夫婦で新たにメタモジ社を起業、IPADベー…

花嫁を探しに、世界一周の旅に出た 

著者はTV番組制作者。離婚を期にバックパッカーとして世界放浪の旅に出る。2部構成になっており、前半はアジア各地で知り合った女性との恋愛模様をwebに連載。後半は旅にはまる自らを忠実に描く。アフリカを縦断し、危険度の高いソマリアまで。結局4年弱の長…

化け込み婦人記者奮闘記

明治から戦前にかけて、婦人記者の潜入取材を描く。女性の地位が低く、また記者の立場も決して高くない時代。部数獲得のために社会の下層実相を描く。読者は興味本位であり、あまり本質に迫るルポにはならない。若い女性にはどこでも芸者やその筋への勧誘が…

目の見えない白鳥さんとアートを見にいく

全盲の白鳥さんとのアート鑑賞貴。健常者が美術をまえに見た印象を会話することで、想像を膨らますようだ。面白い体験記が続くが、テーマは意外と統一性がなく、芸術論から優勢主義や差別の問題まで幅ひろく広がる。つきつめれば求められるのは人間同士の関…