短編集。こういう人情モノを書かせたら現在間違いなく1,2であろう。いずれも家族の情愛、たがいを想いあう男女の純粋な愛情がテーマで思わずほろりとさせられる。現在から過去を想い出すパターンが多いが、いずれも予定調和の範囲内で意外な結末が待っている。文句なしのA評価。
- 月島慕情 身請けを待つ吉原の芸者と、男の妻子
- 供物 20年前に別れた夫の仏前に参る妻
- 雪鰻 自衛隊師団長がガダルカナルでの惨状を語る
- インセクト 孤独な大学生と隣の母娘
- 冬の星座 老婆の通夜と意外な弔問客たち
- めぐりあい 眼の障害のため、別れた医学生と恋人
- シューシャインボーイ たたき上げ社長と育ての親
どれも良いが、ひとつあげるなら「めぐりあい」を推したい。
- 作者: 浅田次郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
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