2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

四十日と四十夜のメルヘン

新潮新人賞受賞作とのことだが難解。表題作は1999年7月の4日間の日記が繰り返しつづられる。一応作家自身の創作の苦しみ、日ごろの生活とのギャップが描かれているが、時間も立ち位置も激しく循環し、読むものを混乱させる。絶賛する解説によると何度…

ハゲタカ

日本人の米系ファンドマネージャー。倒産の危機にある日本企業を容赦なく買いたたく。銀行の不良債権パッケージ買い取りから、オーナー企業のビット。最後は栃木地銀の破綻処理。資本力と情報力をバックにあらゆる手段を用いるが、逆に言えば不可解な日本の…

Opローズダスト

全3巻の大作。元自衛隊の特殊工作員グループが起こした一大テロ。。北朝鮮への潜伏工作が上層部により中断され、仲間を抹殺された過去から、寝ぼけた日本を覚醒することを目的とする新右翼をスポンサーに海新都心を舞台に暴れまくる。立ち向かうは同じ特務…

鎌倉シャツ

カンブリア。5000円のYシャツの少量多品種生産、高品質でアピール。創業者は元VAN出身で安売りの横行するアパレル業界にもの申す。 通常の衣類は買った日がもっとも満足が高い。製品をして語らすべし。 毎週新製品。各店にサイズ毎2着のみ。 季節毎…

壊れる日本人再生編

評論集。表題は続編しかも解決編のように記されているが、原本よりは改題されている。ITにより文化破壊が起こっているのは日本に限らない。子供だけの問題でなく、社会性を失った専門家がすでに各界に現出している。具体的な解決策として絵本による教育を推…

ああ阪神タイガース

智将野村が屈辱の3年間を振り返る。阪神低迷の根源は選手をあまやかすファンとマスコミ、一貫性のないフロントにあるとする。在任中に残せたものは編成部の改革。次の星野が人脈と政治力を活かして積極的な強化に繋げた。中心のない組織は機能しないとし、…

武士道エィティーン

3部作の最終編。ハイライトは主人公二人のインターハイでの再戦。ただ怪我のため完全ではない状態。今回は卒業を控えてそれぞれの進路が主題。あるていど予定調和のハッピーエンド。予定調和を避けるためか教師や師範の過去のエピソードを絡めて物語をふく…

凄い時代

金融危機を受けての著者の評論。今回の危機は近代工業社会から知価社会への遷移期にあたる重大な局面であるとし、各国の景気刺激策が息切れする来年に2番底が来ると予測する。日本がこれを克服するには明治維新並みの大改革が必要と力説。21世紀に入りう…

凍りついた香り

突然謎の自殺を遂げた調香師。恋人の女性は彼の師が受け入れられず彼の過去を探る旅に出る。実家では実母から天才数学少年であった事実を突き止め、最後のコンテストが行われたプラハへ飛ぶ。そこで異次元の洞窟で過去の真実と巡り合う独特の世界。天才なる…

9.15リーマンショック

各界のトップマネジメント7人のインタビューをまとめる。リーマンショック前後の各企業の対応と今後の予測。金融界と製造業でとらえ方は異なるが、共通しているのは危機の予兆を感じながらも、上げ潮の時はだれもブレーキを踏めなかったこと。グローバル化…

ポスト消費社会のゆくえ

対談。西武百貨店&セゾンの栄枯盛衰をたどることで、日本の戦後の消費社会の発展とその転換をつまびらかにする。話題はビジネスにとどまらず、堤清二の思想背景、文化事業への想い、女性の社会進出と多岐にわたる。今でも心情として共産主義である明言する…

がんばらんと

闘争の書である。前半は病気との闘い、後半は政府官僚との果てしなく苦しい戦い。著者は出生時の投薬で感染し、20過ぎで発症。薬害訴訟の原告となる。匿名を選択する被害者が多い中で、あえて実名を公表したのは、不条理に対し正義を貫こうとする使命感か…

チョコレートコスモス

大学(多分早大)の独立系演劇サークルに飛び込んできた天才少女飛鳥。演劇界では素人同然の彼女が、独特の感性で引き起こす奇跡。劇団の旗揚げ公演から、業界のだれもが注目するオーディションと一気に駆け抜ける。学生仲間、脚本家、相手役の女優と視点を…