2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

働き方2.0VS4.0

最新の論評。テーマは働き方改革。日本政府主導の改革は2.0に過ぎず、世界の趨勢からは周回遅れである。戸籍やムラ会社の存在する古い社会は束縛が多い。近未来はフリーエージェント化さらにギグ化により、より自由な社会が到来する。会社の存在価値はビジネ…

ニワトリは一度だけ飛べる

企業小説。派閥争いからリストラ部屋に送られた3人組。会社側はさまざまな手で退職に導こうとする。それぞれ家庭の事情は複雑。社内にはオズの魔法使いを名乗る謎の協力者。虚偽表示の不祥事から一気に逆転に持ち込むスリリングな展開。一気に読ませる力は…

トランプに学ぶ現状打破の鉄則

トランプの政治手法を礼賛する。課題の優先順位を決め、揺さぶりをかけることで事態を動かす。悪役は演技の部分が大きい。直接会いギャップを感じさせることで関係を構築する。対極にあるのが、綺麗事に終始する理想主義者。特に学者に代表されるインテリ層…

御苑に近き学び舎に

明治初期の京都。遷都の噂の中、新政府主導で番組ごとに小学校の設立が計画される。主人公である豆腐屋主人はお役人と町衆の板挟み。初めは本人も反対派だったが、使用人の娘の死をきっかけに設立に奔走する。登場人物はほとんどフィクションであるが、作者…

レインツリーの国

純愛小説。ネットの書評で知り合った彼女は、後天性の難聴者でそれがー一因となりややこしい性格の持ち主。関西系の主人公はそれでも惹かれて、想いを伝える。もどかしい恋の行方にハラハラしつつも、ハッピーエンドは予感される。図書館戦争シリーズからの…

サクリファイス

自転車ロードレースを題材にしたフィクション。主人公は期待の新人ではあるが、チーム内の人間関係に取り込まれる。個々の能力より戦略によるところが大きく、如何にエースを勝たせるか、アシスト役の貢献が重要となる。逆にエースはチームの全てを背負い勝…

ど忘れをチャンスに変える思い出す力

軽めのエッセイ。専門である脳科学をベースに新しい人生の過ごし方を提案する。繰り返されるのは5歳児の自分に戻り、やりたいことをもう一度探し出すこと。年齢により物忘れは仕方ないが、思い出す喜びでドーパミンを出す努力をする。一般向けで平易ではあ…

なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか

本屋好きの著者がその効能を説く一冊。検索ではネットに敵わないが、社会の動きや流行を俯瞰するには定点観測が欠かせない。この点には全く同意。優れた本屋の棚構成には秘めた思いがあり、それにハマるのも一興。本屋ごとの個性を感じる域には残念ながら私…

和の国富論

対談集。林業、漁業、地方、教育、高齢化という日本の社会問題に最前線で取り組む人々と未来を語りあう。高度成長の残滓を追い求める政策から離れ、新しい価値観はすでに若い世代の中では生まれつつある。未来に絶望することなく、解決策をみつけていくのが…

円卓

主人公は小学3年生。公団住宅に両親、祖父母、三つ子の姉と暮らす。独特の感性を持つ、クラスでは少し浮いた感じ。少女の純粋さと自分を取り巻く関係性との折り合いがつかない時期。周囲の登場人物も際立った個性。国際色豊かなクラス構成。関西弁のあけす…

東京のナゾ研究所

軽めのネタを集めたエッセイ。公表された各種データをもとに、意外と知られていない事実を取り上げる。23区の比較など注目を集めやすいものは定番ではあるが興味深い。著者は日経記者。ややタイトル倒れ。まあ繋ぎの一冊。 東京のナゾ研究所 (日経プレミア…

忠臣蔵の決算書

大石内蔵助が残した金銀受払帳を基に、刃傷から討ち入りまでを紐解く。浅野家の残した残高をやりくりし、プロジェクトを遂行する。初期残高は約8千万円影響。これをほぼ使い切り、決行はギリギリのタイミングであった。内訳は交通費と工作費、志士の生活補…

八九六四

天安門事件から30年。当事者たちの現在を追跡したルポ。当時の大学生はインテリで超エリート。社会、政治に対しては純朴で理想主義であった。日本では報道されてない弾圧の惨劇は今でも生々しい。その後の中国の経済的成功で正当化され、一般人の記憶は薄…