2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

はかせのはなし

東京都のPR誌への連載を単行本化。都の施設や政策をユーモアたっぷりに紹介するエッセイとなっている。石原都政の時代。特に3人の子供の父親として子育てに絡むネタが多い。知らない機会が紹介され興味深い。筆はさすがにおとなしめ。楽しく読ませて頂きま…

スタフ

バツイチのヒロインは移動バンでケータリングを営業。ひょんなことから車ごと拉致される。犯人は中学生の男女が主人公。背景には不幸な家庭の事情で肉親に構って欲しいという子供らしい感情があり、これが主題。前半は他愛ない展開と思っていたが後半じっく…

ブロックチェーン革命

最新のIT技術であるブロックチェーン。日本ではビットコインの誤ったイメージが先行しているが、第2のインターネット革命と呼ぶべき変革がすでに始まっている。相互に監視し、記録を残すシステムは圧倒的にコストが安く金融界のみならず社会に大きな変化…

モネのあしあと

著者のモネ遍歴から、印象派を解説。日本人が印象派を好むのは、浮世絵をはじめとする日本文化の要素が入っていること。大胆な構図や自然を対象とするあたりに顕著に現れる。明治期に購入された作品が多数国内にあることも一因。講演をまとめた一冊。入門書…

上海クライシス

舞台は2000年代半ばの中国。日本領事館の電信担当者とウィグル族の美女との純愛。テロリストの一族として迫害され、身を売ったヒロインを、ノンキャリアの主人公が救う。共産党トップの権力争いと超大国の思惑が複雑に絡み合う。独裁下の官僚の腐敗と環境汚…

空気の作り方

著者はDeNA球団社長。大赤字の会社を数年で黒字化。最大のキーは横浜スタジアムのTOB。固定観念に囚われず誰もが楽しめるプロ野球を目指す。真の意味でのマーケッターであるプロデューサー。山本七平が愛読書だとは思わなかった。経営者の肝は車内に良き空気…

旅だから出会えた言葉

旅と美術に関わるエッセイ集。旅先で出会った印象的な言葉を軸に得難い経験を綴る。長年美術を訪ねてきた著者だけに画家に関する言葉が多い。文章は流れるように抒情的でいてかつ力強い。同じエピソードが数度にわたり使われるが残念。印象深い一冊。旅だか…

インスタントジャーニー

短編集。ファンタジー小説。淡い文体でありえない小さな奇跡がつづられるが、よく言えば心地よく、悪く言えば他愛ない。一作ごとが適当な長さで、読み続けるには丁度良い構成。微妙な評価。ぜひ次作をというレベルではない。インスタント・ジャーニー作者: …

最速123キロ、僕は40歳でプロ野球選手に挑戦した

お笑い芸人である著者が、四国独立リーグに挑戦する。トライアウトで合格。一年間二足のわらじを履く。帝京野球部の出身だが、実力はプロのレベルには無く、球団としては話題作りの意味合いが強いだろうが、本人の取り組む姿勢は至って真剣。やがて周囲にも…

パンク侍斬られて候

江戸時代の小藩が舞台。新興宗教の腹ふり党騒動で大混乱に陥る。登場人物に現代口語を話させ、今の時代感覚で内面まで描写する。ユニークで面白かったが主題ははっきりせず、文学界としては高評価なようだが個人的には微妙。正直ついていけない部分もある。…

家電の神様

大手メーカーをリストラされた主人公は、母親が経営する実家の家電販売店を継ぐことになる。そこには大型店が安売り競争を仕掛ける厳しい実態がある。過剰と思えるサービスを徹底し、高売りを目指していく。結果は予定調和のハッピーエンド。著者には楽しめ…

格言

*[書評]ビジネスエリートの新論語 著者が司馬遼太郎として作家デビューする以前の作品。タイトルと異なり論語以外も古今東西の格言を集め、サラリーマンとしての処世術を語る。ユーモアたっぷりで軽妙な語り口は意外な印象。博学ぶりは十分伝わる。先輩の老…

カエルの楽園

カエルの国の寓話で日本の現状を憂う。憲法を順守し軍備を否定する平和主義の理想郷は外敵を防ぐことができず、滅亡する。実質守っていたのはアメリカの抑止力。国内で繰り返される議論と派閥争いは不毛である。著者の主張は求めるのは憲法改正と再軍備。あ…

トランプ政権と日本

NHK特集の取材記。泡沫候補から大統領選の勝利までの道のり。目立つためにわざと過激な発言で名を売り、選挙に行かない層をターゲットにSNSでの発信を繰り返す。民主党支持者には既存エスタブリッシュメントに対する不信感があり、投票へ行かない層を…

リーダーは前任者を否定せよ

著者は日商岩井からMBA留学。ビジネスのメジャーリーグ志向で、GEに転職。優れた成果で役員まで昇進。LIXILの社長として招かれる。プロの経営者は次々と改革に着手。大事にするのはDiversityと公平な競争環境による実力主義。次世代を育てることが…