2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

みんな不安に思っているのにだれも口にしない「人生とお金」の話

若者向きに書かれた投資の指南書。将来の年金支給額の不足分を補うべく、マーケットへの投資を推奨する。方針は単純でインデックスへのドル平均法による長期投資。各市場のETFへの分散投資が効果的。レベル的には入門者用だが一般読者に親身に書かれており、…

モンスター

醜い外見から不幸な青春時代を送った女性が、風俗に身をやつしながら稼いだ資金で絶世の美女に返信し、故郷の町でオーナーレストランを開業する。昔と態度を豹変する友人たちに復讐しつつ、初恋の人との再会を待つ。女性が外見によって人生を左右されるのは…

死の淵を見た男

大地震と津波に襲われた福島原発。絶望的な状況の中でなんとか原子炉をコントロールしようと必死に挑む東電社員のドキュメント。所長の吉田と当直長の伊沢に焦点をあてる。外野があれこれ騒ぐ間にやるべきことを着実にこなしていく。起こりつつある危機を正…

エンジェルフライト

日本で唯一、国際霊柩を生業とする家族経営の会社。海外で亡くなった方の遺体は、現地での処置、空送中の気圧変化によってひどい状態で日本に到着する。彼れの仕事はそれを処置し、家族との最後の別れに備えるためのものである。送葬が終われば、美しい思い…

繁栄か衰退か

自民党若手のホープの著書。政権交代前に書かれているが、きっての国際派として閉塞感のある日本社会への処方箋を示す。日米同盟を軸に小さな政府でグローバル化による成長路線を提唱。論旨は明快で説得力はある。自慢話が多いのが鼻につくが政治家である以…

ヘンな日本美術史

現役画家が独自の視点で日本絵画史を述する。歴史順の構成になっているが、西洋絵画に出会うまでは透視図法(遠近法)を用いていないことが繰り返し述べられる。画聖として雪舟は別格扱い。中世に流行した画家の異なる洛中洛外図を詳説。近世では応挙と契沖…

カラマーゾフの妹

古典名作をベースにしたアンソロジー。親殺しの事件から13年後。特別検事となったエリートの次男が、事件の真実を明かすべく再捜査に挑む。複雑な家庭環境下で次男自身が多重人格者で心理療養によって隠された過去が明らかになる。一方誰にも好かれる天使…

愛と魂の美術館

著者は85歳の医療史研究家。古今東西の美術の中から54点を取り上げる。作品自体の解説は最小限で、芸術から発起される医学、宗教さらには死生観と結びつけた散文形式のエッセイ。最終的には美術品の持つ本来の意味、何が画家を動かしたかという命題。知…

それでどうする日本経済これが答えだ

3人の論客の鼎談。日本の問題認識から入り、米欧中と巡った後で解決策を提示する。とかく意見の対立を指摘される2大エコノミストだが、指摘する問題点はほぼ一致。デフレ容認論の榊原氏と成長論の竹中氏が最後に激突する。いずれにせよ日本経済は円熟期に…

世界から猫が消えたなら

若くして余命を宣告された主人公の元に脳天気な悪魔が現れ、この世からモノを消す度に一日寿命が延びるという契約を持ちかける。電話や映画、時計が消されていくが、予想に反して社会の混乱は起こらない。家族に取ってかけがえのない猫が次の対象に選ばれた…

赤猫異聞

維新直後の江戸の町。大火の発生に牢獄から囚人達が解き放たれるいわゆる「赤猫」。特に事情持ちの3名には厳しい条件が科せられる。すなわち3人揃って戻って来なければ全員死罪。それぞれ悩みを抱えながら自分を裏切り罪に陥れた相手に意趣返しに向かうが…

続大人の流儀

週間現代連載のエッセイ集。男の矜持と美学を語る。良く練られた文体と単語の選択が心地よい。厳しい父親から躾けられた男の流儀は時代に合わないかもしれないが、生き方として美しく読む側の共感を呼ぶ。仙台の自宅で震災に遭遇し、その後の政府対応に憤る…

走れ優輝

話題の市民ランナーの実母による子育て記。年の差婚。夫の早逝を乗り越えて3人の男児を育て上げる。長男はまじめな外見通り文武両道をモットーとするが、意外と頑固でしたたかな面も。大学時代のコーチと意見が合わず、独自の道を行く。今や日本を代表する…

Beフラット

著者が複数の若手国会議員とインタビューをベースとする社会派エッセイ。同世代でありながらエリートである議員達と、世界を放浪しまた底辺に近い派遣労働を経験した著者と話がなかなか噛み合わない。閉塞感のある日本を打破するには、世代、キャリア、地域…

ブラックジャックキッド

手塚治虫の名作漫画ブラックジャックにはまる小学生。黒マントを身にまといドライバーをメス代わりに武器とする。恵まれない家庭で母親は蒸発。父親の愛は薄い。学校ではイジメに会い孤独。救いは川で知り合った不思議な少女。やがて同級の文学少女との淡い…

大好きなことをやって生きよう

タイトル通り、自らの好きなことを職業にし有用な人生を歩もうと主張。自らのコンサルタントとしての成功体験経験をベースにし、具体論に言及してはいるが、正直万人に適用できるとは思えない。もっともその努力を否定するつもりはない。内容的には当たり前…