2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

プレゼンテーションの極意

現代日本を代表するデザイナーによるプレゼン論。内容はパワーポイントによる表面的な技巧でなく、いかに相手を説得するか(女性をくどくように)という根源論が主題。基本は「わがまま」と「誠実さ」。著者は実母と祖父からそれぞれを受け継いだと述懐する…

リンゴが教えてくれたこと

著者は「奇跡のリンゴ」の実践者。農薬、堆肥にたよらない自然栽培はリンゴにとどまらず、米作や他の作物にも展開。日本のみならず海外にも講演と普及に飛び回る日々。大豆で土壌を窒化し、小麦で硬化層をやぶり、低温層をなくす。あくまで植物の力で土地を…

世界がわかる理系の名著

人気の鎌田教授が、今や古典となった著名な科学書14冊を紹介する。生物学から物理学までその後の社会に大きな影響を与えた著書を厳選。それぞれに著者の紹介、内容、エピソード、その後の世界への影響、さわりの引用で構成される。簡潔にして平易。すぐれ…

沈黙の春

60年代のアメリカ。害虫駆除のために大量に散布されたDDTを初めとする薬剤が、生態系を破壊し鳥も鳴かない沈黙の春を迎えることになった。当時の社会に反響を呼び起こした警告の書。化学メーカーが批判され、天敵を利用した自然の駆除を訴える。時のケネデ…

ポリシリコン

ポリシリコンの世界生産能力は、60,000T/Y。すでに35,000T/Yは太陽電池用途。半導体用途を上回っている。太陽電池のグリッドパリィティを迎えれば大化けする可能性。

オリンピックの身代金

秋田の貧農出身の東大生が主人公。本来ノンポリであったが、出稼ぎの兄がオリンピック工事の飯場で不慮の死を遂げ、その実像を追ううちに資本主義社会の虚像と矛盾に気づき、戦後日本復興の反映であるオリンピックを妨害しようとする。帰京の車内で知り合っ…

オバマ大統領

アメリカ通の気鋭の若手学者による対談。オバマ大統領誕生の背景と今後の課題を論じる。レーガノミックスから続いた保守化の流れに一つの区切りをつけた新大統領は、その出自から混血のライトブラックであり、奴隷のDNAを受け継いでいる訳ではない。民主…

ジウ1

二人のヒロインが活躍する警察小説。天性の運動神経と恐れを知らない闘志でSATへの昇格を果たす基子と、人への気配りと優しさで抜群の説得力を誇る美咲。全くタイプの違う二人が立てこもり事件を契機に転機を迎え、その後の歩む道が交錯しながら描かれる構成…

ゴッドストン犬舎の迷走

子供のない自衛官夫婦が番犬として犬を飼い始めるところから物語は始める。業者のすすめに寄って血統書付きの牝犬を飼い、繁殖させることを目指す。犬舎の名前は名字の石神からつけたもの。ブリーダーは素人が片手間にやれるほど楽なものではなく、毎日の下…

メタルウォーズ

IT社会に欠かせないレアメタル、レアアースを中心に、鉱物資源の現状をレポートするノンフィクション。中国が国家戦略として第3世界の資源確保に動いている一方、資源メジャーは合併を繰り返し、巨大化していく。資源は地政学的に偏在しており、ほとんだが…

負け犬の遠吠え

負け犬の狭義としては、未婚、子無し、30代以上。作者を含め総じて高学歴のキャリアウーマンで、容姿も悪くない。好奇心、向上心が強いため、普通の人生観、結婚観ではもの足らず、結果として晩婚化、少子化の一因となる。将来に対する漠然とした不安はあ…

福沢諭吉が生きていたら

閉塞した現代の日本社会を諭吉ならどう見るかをテーマに17人の論客が論じる。その範囲は政治家から芸術家まで幅広い。当然ながら執筆者により立場、論調は異なる。諭吉の先進的な提言が、明治維新後の近代日本を導いたことは認めながらも、その理想からは…

セーラが町にやってきた

長野の小京都小布施に舞い降りた金髪の台風娘の大活躍。地元の名家である居酒屋に就職するや、次々と新機軸を打ち立て持ち前の行動力でそれを実現していく。冷ややかだった周囲も彼女の熱意に引きずられるように参画し、真の町興しの実例となった。ある意味…

日本美術の名品展

金曜の午後仕事を早めに切り上げ美術館へ。阿修羅やルーブルの陰に隠れて比較的閑散。ゆっくり鑑賞できた。美連協の25周年記念とのことで、日本各地の美術館から代表作を集め一堂に展示。満足の行く内容。西洋絵画は印象派以降が中心で、私の好みには合う…

密約

佐藤長期政権の末期。沖縄返還協定をめぐって日米間の密約をスクープした毎日新聞の敏腕記者が、そのニュースソースは外務省の秘書役の女性事務官で、男女関係をエサに機密情報を持ち出させたとして二人とも罪に問われる。高度な政治的な問題が、男女のスキ…

お金は銀行に預けるな

今をときめく著者による資産運用の入門書。副題は「金融リテラシーの基本と実践」。資本主義とは賢い人へマネーの集まる世界と定義。日本人が投資に消極的なのは必要な教育を受けていないためであり、知識=リテラシーを身につけた上でリスクをコントロール…