2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

月の裏側

著者は仏の人類社会学者。日本と西洋の比較文明学。神話を手掛かりに研究を進めるが世界各地の神話は驚くほど類似性が高い。人類の移動に伴い形を変えて伝わっていったと思われる。日本は極東で文化が蒸留され純粋な形で残っているとする。恥ずかしいほどの…

プラージュ

社会派ミステリー。気の迷いから覚醒剤使用で執行猶予の刑を受けた主人公。焼きだされ身を寄せたシェアハウスは過去に同様の経歴を持つ住人が巣くう。女主人の想いから設立された私的な厚生施設。潜入記者も含めて謎解きが表看板だが、主題は前科者への社会…

20年続く人気カフェつくりの本

茨城勝田を本拠とするサザコーヒー。熱烈な固定客をつかみ、着実に業容を拡大する。基本は本格的なジャパンコーヒー。自社農園を持つなど味にこだわる。地元への貢献など足元もしっかり。本書はカフェ経営を目指す人々へのガイドブック的な意味合い。カンブ…

日本の論点2019-20

最新の評論集。政治、経済を中心に世の中の情勢に辛口でコメントする。安倍政権の経済運営は時代遅れ。いくら緩和しても需要に繋がらない。金融経済は実態と乖離しておりブラックマンデーのリスクはある。トランプ追従の外交は評価されない。後継の有力は小…

ねじとねじ回し

過去1000年に発明された最も価値ある道具を探る。結論はネジ。螺旋構造自体はアルキメデスを父とするが、工具として実用化されたのは15世紀ごろ。武器の発達が契機となる。幅広い技術史の探訪は知的興奮を呼ぶが、翻訳だけにやや読みずらい部分もあったの…

悲観する力

最新のエッセイ。自らの生き方である悲観する力を推奨。あまりに楽観的過ぎる日本人に警鐘を鳴らす。将来を予測しありうる最悪の事態に準備するのは技術屋としては当然。日本社会は同調圧力によりそれを怠っている。感情と理性は別物。過去には楽観的に。未…

百貨店の進化

小売業を代表する百貨店業界を解析する。協会70周年の記念出版。実は50周年でも同様の企画がありそちらがベースになっている。eコマースの発展と少子高齢化により経営環境は厳しい。対応は国際化とデジタルトランスフォーメーション。小売業は変化対応業…

理系で読み解くすごい日本史

地理学の竹村氏の新著かと思いきや、監修とのこと。内容としても平凡で歴史好きには常識の範囲。目新しいのは明暦の大火の詳細くらい。繋ぎの一冊としても不満は残る。こ出版社は以降注意。 「理系」で読み解くすごい日本史 (青春新書インテリジェンス) 作者…

精日

精日とは最近中国で急増している精神日本人。日本に来てその素晴らしさに魅了された人々。中国政府は警戒しており、一部軍服マニアを例に挙げ、統制にかかる。開放政策を続ける限り、完全にコントロールすることは難しい。本書はさまざまなタイプの精日にイ…

日本進化論

昨年開催された平成最後の夏季セミナー。各界の有志が日本の社会問題について議論する。根底にあるのはポリテック。IT技術を使いうと同時に、政治的な解決を目指す。少子高齢化、財政問題。現実は率直に受け入れありうる解決策を模索する。見通しは意外と楽…

官僚たちの冬

著者は元財務官僚。内部から見た霞が関の実情を詳細に述べる。20年にわたる公務員改革には一定の評価をするものの、政治色が強くなり、政治家の下請けと化す現状には警鐘を鳴らす。優秀な人材が希望せず、また若手の退職者も多いとのこと。諸外国の実例に…

ピコ太郎のつくりかた

PPAPで大ブレークした本人兼プロデユーサーが、その内幕と想いを語る。長年音楽と笑いの融合を目指し努力。地味ながら存在感を醸し出す。短い動画にはこれまでの経験が凝縮。ネットワークを活かして拡散を図る。突き詰めれば成功の秘訣は人への愛。臭いのを…

涼宮ハルヒの退屈

ハルヒシリーズ。これは本筋から外れたスピンアウト。気軽に楽しむ。アニメの世界を知らないとしんどいだろうな。 涼宮ハルヒの退屈 (角川文庫) 作者: 谷川流 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2019/02/23 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る

あなたの知らない大阪「駅」の謎

駅にスポットをあてた鉄道もの。大阪府内の面白駅を紹介する。駅名一つに私鉄の変遷の歴史が反映されて興味深い。地図を見ながら追っかけるのは楽しい。軽めの読み物。繋ぎの域を出ない。 あなたの知らない大阪「駅」の謎 (新書y) 作者: 米屋こうじ 出版社/…

ちょいバカ戦略

刺激的なタイトルだが、要はマーケティングにおいてターゲットをどこにおくかの議論。意識高い系では実需を見誤る罠がある。意識は高く持ちつつ、低い側からの視点も重要。内容的には教科書通りで、あまり新鮮味はない。2次元マッピングの解析には説得力が…

行く先はいつも名著が教えてくれる

著者はNHKプロデューサー。哲学専攻の読書家。これまでの自らの人生と、折々に出会った名著を紹介。選書は重めで思索的なものが多い。要所での引用がなかなか印象的。少し時間に余裕ができれば読書家としては手をつけたいところ。表紙の写真はサルトル。 -よ…

持たざる経営の虚実

「選択と集中」の言霊により日本企業は縮小均衡に陥った。利益は増大したものの、新たな投資は抑制され、売り上げは伸びていない。対策として境界的M&Aを推奨する。取引コストが増大する中で、周辺の事業を取り込み新たなコングロマリットの形成を促す。ベン…

フーテンのマハ

旅行エッセイ。若いころからいつも旅をしている著者。気のおけぬ女友達との旅は、創作の糧となる。作者デビューからアート作品までのエピソード満載でファンには大満足。ユーモアたっぷりで笑わせるが亡父との別れではしんみりさせる。満足できる一冊。 フー…

政治に口出しする女はお嫌いですか

フランス革命前後、サロンを主宰したスタール夫人の伝記。圧倒的な知識とネットワークで政治力を持つ。激動の時代で中庸を目指すがフランスでは難しい。ナポレオンから嫌われ国外追放となる。作家としても名を馳せ、大作を残す。時代に埋もれていたが近年再…

死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい

著者は順大の教授。老化対策としてスクアットを強く推奨。下半身の筋肉を鍛えると同時に、副交感神経を活性化し、自律神経を安定化する効果も大きい。あまりにいいことずくめの気もするが、まあ信じて続けてみよう。あっという間に読破。ハウツー本。 死ぬま…