2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

残月記

月を題材にした中編3篇で構成。いずれもパラレルワールドを描く。発送、設定は興味深いが、文体が重く読みずらい。表現はもう少し直線的でもいいのではないか。著者の作品は初めてだが、残念ながら趣味では無い。 残月記 作者:小田雅久仁 双葉社 Amazon

人生はそれでも続く

読売新聞に連載された「あれから」。様々な分野で脚光を浴びた人のその後を追うシリーズ。まさしくタイトルにあるように人生は続いていく。その後の生き方が重要。若手記者の力作ぞろいで読みごたえがあった。 人生はそれでも続く(新潮新書) 作者:読売新聞…

湯道

廃業寸前の地方の銭湯。兄弟の葛藤。建築家の兄は取り壊しマンションに建て替えるつもりであったが、生真面目な弟や、湯を楽しむ客たちになじむうちに心境が変化していく。タイトルの湯道は入浴を道に高めた家元の話。定年まじかの弟子の物語を絡ませる。予…

やっぱり食べに行こう

食に関するエッセイ。日本、世界各地を仕事で巡り、その土地土地に美味を発見。自らの思い出と共鳴させながら綴る。高級店は数少なくどちらかと言えば庶民感覚。取材旅行でパリ、スペインのネタが多い。毎日新聞日曜版への連載。軽妙な語り口はさすが。 やっ…

座右の寓話

古今東西の寓話を集め、そこから現代社会での生き方のヒントを抽出する。全77編。結論から言うと寓話がすごい。古人の知恵の集大成である。半分ぐらいは知っていたイメージ。もう少し解説を絞り込んだ方がいいかな。愉しく読めました。 -1.01と0.99の法則 -…

11人の考える日本人

近代日本において思想の礎となった11人を取り上げる。その生涯と思想哲学のエッセンスを平易に紹介。錚々たるエリートの系譜。思想を紹介すると内容的にはどうしてもハード。特に時代が近くなるほど難易度は上がる。予想はしていたが。 -吉田松陰 教育の力…

黒い海

2008年の海難事故。漁船が沈没し17名の命が失われた。事故調査委員会は波のためとシナリオ通りに簡単に片づけた。海難事故としては漁船は優先度が低いとは憤りを禁じ得ない。生存者の証言と大量の油が大きな疑問として残る。可能性が高いのは潜水艦との衝突…

予言された世界

落合親子による共著。動転する世界情勢がテーマ。信彦氏はオバマ、トランプによるアメリカの劣化と、プーチン、習近平の独裁体制の領土拡大の野望から、世界大戦まで予想。陽一氏はネット世代による新しい価値観の創造を期待する。タイトルは父世代の予言が…

不思議の国ニッポン

日本の社会、文化をテーマにした対談。よく言われる通り空気を読むことが必要なムラ社会であり、個人が正当に評価されていないと批判。その要因として一神教と自然万物崇拝の差も強調される。二人とも歯に衣を着せぬ物言いで、いろいろ面白い視点を提供して…

吉村洋文の言葉101

今や維新の顔となった吉村府知事の実像にせまる。普段は気さくな大阪の兄ちゃんだが、一本筋の通った政策と実行力。弁護士時代に見いだされ橋下氏の懐刀的な存在。著者はTVプロデューサーとして近くから見ており、その成長を目の当たりにしてきた。党の主張…

臆病者のための億万長者入門

著者による投資指南書。対象は一般のサラリーマン。金融業界ではあまり表に出ない本音トークは真骨頂である。推奨はETFのドルコスト法と外貨投資による分散投資と常識的な線。不動産はクローズトマーケットでありお勧めできない。2014年の初版だが基本は変わ…

伊藤忠

見事に商社のトップに躍り出た伊藤忠の経営の歴史。近江商人を発祥とし、繊維問屋から総合商社へ。高度成長の波に乗ろうと資源、石油精製に乗り出すが痛い目にあい、撤退。現在は生活関連に重点を置き、堅実に業績を伸ばす。歴代優秀な社長を生み出している…

人口戦略法案

日本の国難である人口減少問題の解決策を提案。柱となる財源問題は保険方式で、国民全体に将来社会への投資を要請する。ライフプランの啓蒙と出会の場の創設が他の二本柱。野党からは国家統制によるセクハラ法案との反発必至。介護保険のように国民的議論が…

人口戦略法案

日本の国難である人口減少問題の解決策を提案。柱となる財源問題は保険方式で、国民全体に将来社会への投資を要請する。ライフプランの啓蒙と出会の場の創設が他の二本柱。野党からは国家統制によるセクハラ法案との反発必至。介護保険のように国民的議論が…

静かな人の戦略書

著者は自他ともに認める内向的な性格。対人関係を苦手としていたが、長所を武器にアメリカ、台湾社会で活躍。本書をまとめベストセラーになる。静かな人は慎重で計画的に物事を考え、文章やSNSで発信は得意。最大の武器は傾聴力。外交的な人間と組み合わされ…