2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

部長その勘はズレています。

キャッチーなタイトルはあるが、内容はWEBのA/Bテスト。聞き慣れない言葉だが、WEBを変更した場合の顧客の反応をビッグデータの統計解析で判断するというもの。効果は大きく、少しの変更でページアクセスや購入を向上することができる。具体的な例…

紙つなげ

大震災の津波で壊滅的な被害を受けた日本製紙の石巻工場。従業員に被害者が出なかったのは日頃の訓練の賜。工場長は半年での運転再開を宣言するが、当初は誰もが無理無謀と思った。不可能を可能にしたのはトップの揺るぎない意志と見事に作業のタスキを繋い…

乱読のセレンディピティ

90歳を越えてなお矍鑠たる著者の読書に関する最新エッセイ。タイトルの通り乱読による発想のヒントを実例を挙げて示す。さらに異分野の人間との積極的な乱談を推奨する。、おそらくとてつもない読書量から得られた毛経験と知恵は貴重。古典を創るのは読者…

さいごの毛布

対人関係が苦手な主人公が就職したのは個人経営の老犬センター。離婚歴のあるオーナーと不倫中のスタッフと女性3人の住み込み生活が始まる。飼い主と別れねばならなかったそれぞれの犬の事情と女性たちの抱える家族の問題が同時進行で展開する。犬たちは言…

世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法

著者はイエール大学の助教授から中高生向けの英語塾へと意外な転身。思いは世界に情報発信できる日本人の育成。現地で学んだ手法を活用する。全編通して強調されるのは、英語は手段に過ぎず、従来の修行のような学習法から脱却し、英語を使って何かを学ぶこ…

だから日本はズレている。

若手の論客の社会評論集。原題は「おじさんの罪」とのことで世代間格差をするどくつく。政治家を始め決められないエスタブリッシュ層を痛く批判。今ここにないものに過剰に期待している。オリンピック然り、ソーシャルメディア然りである。若者側は意外と現…

本日は大安なり

グランドホテル形式。高級ホテルの宴会部門。大安吉日にウェディングプランナーを軸に4組の挙式が行われる。それぞれ訳ありのカップルが同時進行で挙式と披露宴が進める。安くない費用を払い人生最良の日を演出し、されるそれぞれの事情がユーモラスにスピ…

しなやかな日本列島のつくりかた

対談集。各分野の気鋭の社会学者とテーマをしぼり討議。理論だけでなく現場の智慧に精通していることが選定基準。商店街、限界集落、医療、観光地、農業、鉄道、不動産と社会問題を鋭く斬る。共通するのは高齢化と地方の疲弊。一時的でなく、長期ビジョンで…

猫と妻と暮らす

戦前らしき時代設定。京都の山奥に存在する郷の長筋である主人公。物の怪たちを鎮めるワザを持つ。恩師の娘である妻は事があるたびに猫に変身する。不思議系メルヘンSF。短めのエピソードで構成されるが、全体を統一する抒情的な雰囲気の醸成は作者の力量…

ジパング の海

著者は熊本大准教授で火山地質学が専攻。海底火山列に注目し長年探査を続ける。九州から南西に伸びる巨大カルデラ群は特に有望。ローテクのドレッジですでに鉱石を発見。NHK特集で放映され一気に全国区に。まだまだ探索段階で商業化にはほど遠いが、国家プロ…

1949年の大東亜共栄圏

終戦から自衛隊の発足まで、旧軍の高級将校達の動きを検証する。反共と自衛軍の再建のため非公認の機関が存在した。結局軍国化を恐れるアメリカの思惑もありその傘の下に入ることに。政治家の権力闘争のどろどろした内幕も。全体にあまり新しい発見に乏しく…

ライバル

高校の女子ゴルフ部が舞台。親友でライバルの二人がヒロイン。よくある設定だが性格は正反対。天衣無縫で楽天的な主人公と、真面目でとことん突き詰めるタイプの友人。後者が期待の星だったがイップスで再起不能に。主人公のキャディーにつくことで自らのゴ…

神山プロジェクト

徳島県の山村で現在進行形の地域活性プロジェクト。ITインフラを活かしてサテライトオフィスを誘致。Iターンのワークインレジデンスとあい待って人口減少に歯止めをかける。如何に現役世代を根付かせることが出来るか。成功の秘訣は肩に力を入れない緩やかな…

沸騰図書館

現役武雄市長による図書館改革記。頑迷な官僚主義の図書館をリニューアル。批判の矢を浴び、ブログは炎上。それでも全ての市民が楽しめる施設を目指す。具体的にはCCCを指定業者に選び、運営を委託。スタバを招いて全国に例のないライブラリーカフェを実現。…

日本史の謎は地形で解ける

従来の歴史学者の定説に囚われず、地形と気候から日本史の謎に挑む。キーワードは治水と水運。特に徳川家康の利根川東遷と吉良家との確執には因を割く。他には大陸からのアクセスから見た平城京と平安京。新たな観点の提示は予想以上に新鮮で面白かった。続…

理系あるある

理系族の生態、癖をネタにしたエッセイ集。標本数や有効数字にこだわるあたりは教育の賜で専攻によらず共通。化学系として笑えたネタは「液体窒素」と「キムワイプ」。基本的には一般向けに軽く書かれているが、著者の専攻である天文学では少し話が掘り下げ…

かわいい琳派

初心者向け美術入門書。現代女性の感覚で琳派の作品を再評価する。デフォルメと単純化さらにユーモアをお家芸とする歴代の作品は現代的でクールでかわいいということになる。カラー図録を多用し、作品の魅力を存分に伝える。いい出来である。かわいい琳派作…

孤高のアルピニスト山野井泰史とその妻妙子を描く山岳ノンフィクション。名だたる山が征服された現代、登山家たちの興味は如何に困難な山壁を新たなルートで開拓することにある。山野井氏は名声に興味は無く、登りたい絶壁を求め続ける。そのスタイルは登山…

スタバ株は1月に買え

著者の推奨するイベント投資を勧める。配当や株主優待狙いで値上がる権利確定日前に売り買いすることで確実なキャピタルゲインを狙う。内需向け安定株が狙い。利幅が少ないので数量でこなす必要有り。キャッチーなコピーの割に驚きには乏しい。スタバ株は1月…

悪韓論

タイトル通り、韓国を手厳しく批判した一冊。「外華内貧」に代表されるように、外見、対面にこだわるが、内面は卑しいと病巣を鋭く批判。汚職は官民共に蔓延し、社員の定着率も低い。ここまで書いてもいいのかという内容。著者は元時事通信のソウル特派員。…