2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ブータンこれでいいのだ

GHPを指標に国民の幸せを最大化することを目的とする小国ブータン。著者はその政府職員として一年間の現地生活を経験する。日本では理想郷として報じられているが、急速に海外の情報と商品が入り、一種のバブル経済。国民のおおらかでのんびりした気質はアジ…

The Customer Journey

最新のマーケティング手法の解説書。顧客の側からストーリーを書き、重要な局面でのコンタクトを重視する。ネット時代には個別の対応が可能となっている。背景は人口減少、コモディティ化、スマート化。対応はつながりを用いた量と質のバランス。BtoCがメ…

島へ免許を取りに行く

40歳を過ぎた独身女性作家の著者が一念発起。合宿での免許取得に挑む。選んだのは五島列島の福江島。のどかな環境の中悪戦苦闘。4週間かけて取得するまでのルポ。地元の教官やさまざまな教習生からの出会いはまさに一期一会。ある意味単純な目的に没頭す…

鉄客商売

独自路線で評価の高いJR九州。著者はその社長として手腕を発揮。本書は若い時からの自叙伝。あまりシリアスにならず、自らの経歴をユーモラスに記している。旧国鉄に入社。いわゆるキャリアとして各所を転々とするが、徹底した現場主義で硬い組織や組合の…

銀翼のイカロス

半沢直樹シリーズ。日航をモデルとするナショナルキャリアの再建が題材。新政権で女性キャスター上がりの国交相が人気取りのために創設したタスクフォースと銀行の全面対決。債権放棄を迫る官僚側と拒む銀行。合併銀行の中での権力争いも絡む。過去の政治家…

この寺社を見ずに死ねるか

宗教学者である著書による寺社のガイドブック。大人の美学歴史旅行を目的とする。星別に3ランクに分けるが、基本的には美術的な価値によっている。このため神社の位置は相対的に低い。ほとんど探訪済みだが、星3つで私が未訪の場所は、西芳寺と三輪神社。…

やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人

GHQの占領政策として植え付けられた自虐史観。平和憲法をありがたがり親米べっったりの保守と、国内反日勢力である野党で戦後体制を過ごしてきた。国際的には自衛力を持たず、自らの価値判断出来ない国として一人前と見なされない。中韓を強く非難。経済力の…

靴下バカ一代

タビオ創業者の自伝。中卒で大阪の問屋へ丁稚奉公。主家とのいざこざから20代で独立。奈良の地場産業を足場に製販のネットワークを一代で築きあげる。日本製の高品質を武器に安売りに対抗。いち早くIT化によりサプライチェーンを確立する。若い時から中国…

十三匹の犬

ある家族と歴代の飼い犬の関係を、犬の視点から書き、最後に飼い主からの補足で完結するという連作集。戦前の中国と戦後の日本が舞台。犬たちの運命が如何に人間に左右されるかが丹念に描かれる。犬付きの主人とその娘が愛情を持って犬たちに接する。犬側の…

シャープ崩壊

日経の担当記者によるノンフィクション。ユニークな技術を誇った優良企業が、赤字を繰り返し崩壊するまでの軌跡を描く。液晶への過剰投資と社内の権力闘争。決められない体制が事態をより悪化させた。OBたちの老害も悪い方に作用。リストラを繰り返しトップ…

戦場のコックたち

第二次大戦のヨーロッパ。アメリカ空挺師団の特技兵。平時はコックであるが、戦闘員でもある。ノルマンディーから終戦まで、混乱下で起こった不可解な事件を彼らが解いていくミステリー仕立て。頼りなかった主人公のキッドが親友の死を乗り越え、成長してい…

池上彰が世界の知性に聞く

対談集。今が旬のピケティが目玉だが、本章は中曽根元総理をはじめ戦後経済を担った大物へのインタビュー。答える側も時効なのか赤裸々に過去を語る。日本経済の失われた20年の真因を探る。定性的に言えば過去の成功体験と指導層の先送り。国の負債は敗戦前…

金魚姫

ブラック企業で働くさえない男のもとに舞い込んだ流金。実は中国古代の娘の化身で時折美女に変身する。恋人を殺された恨みを果たすべく、末代までをつけねらう。著者の得意とするどたばたファンタジーだが、最後はほろりとさせられる。少し全体として長いか…

当確師

自ら当確師を称する選挙コンサルタントが主人公。3選は硬いと思われる現役市長に挑む。依頼者は身元を明かさず、作業は候補者選定から。入り組んだ人間環境は小説ならではだが、選挙の結果は公示日には決まっているのは現実を描いている。幕裏で繰り返され…

ヒロコ

初期ウルトラシリーズのヒロイン役であった著者の自伝。これが第2作とのこと。父親の破産で貧しい「マーケット」で育つが、夢を諦めず少女誌に応募。日本人離れした風貌で役を射止める。東宝でデビューするもテレビの世界へ移り、女優として活躍。多感な少…

ホンダ式一点バカ

自動車業界に精通した著者が、ホンダの若手、中堅12人にインタビュー。ホンダイズムと人材育成のキーを探る。繰り返されるのが「2階へ上げて梯子を外す」。自ら判断し動かなければならない状況を作り出し、場数を踏ませる。それによく応える柔軟性のある…