2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

あぽやん

APOとはエアポートの略号。旅行会社の空港支局員をアポやんと呼ぶ。主な仕事はツアー客の送り出しで、社内での地位は決して高くない。そんな部署に配属された中堅社員が、一見無気力に見える上司や同僚のプロ意識に気付き成長していく姿を描く。女性職員との…

エクスマキナ

SFアニメのノベライズ化。第4次大戦下の近未来。サイボーグとアンドロイドを交えてのテロとの戦い。寮の書庫から拝借したつなぎ本。エクスマキナ (幻冬舎文庫)作者: 竹内清人出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2007/09メディア: 文庫 クリック: 5回この商品…

99のなみだ

短編集。これが第1作のようだが、私にとってはシリーズ2作目。いずれも親子や家族を題材にした作品。ステレオタイプのような感じがして、1冊目ほどの感動がない。慣れたか。お薦めは空襲による悲劇を題材にした「恋しくて」。99のなみだ―涙がこころを癒す…

魁偉なり

日露戦争の軍神として崇められた故に実像の見えにくい、広瀬中佐の生涯を歴史資料をもとに解き明かす。ロシアでの恋愛等脚色された部分をそぎ落とすと、史実に残る部分は意外と短い。明治初期のエリート軍人であり、部下や友人に信奉者の多かった人物像。後…

君たちに明日はない。

主人公はリストラ請負会社の中堅社員。クライアントからの依頼を受けて社員を自主的に退職に追い込むのが仕事。一見クールで非情な彼だが、自身にはオートレーサーを目指し挫折した過去を持つ。徹底した調査は人生を左右される社員たちへの彼なりの誠意の表…

臨場スペシャルブック

表題作ドラマのオフィシャルガイドと銘打ち、ドラマ全10話までのあらすじと、文庫本編未掲載の短編4編から構成される。商業主義の編集は好きになれないが、短編の迫力はさすが。本編を読みたくなった。臨場 スペシャルブック (光文社文庫)作者: 横山秀夫…

はじめて語られる企画の「虎の巻」

著者はCCCの創業者。枚方駅前の1号店から全国規模のTSUTAYAをフランチャイズ展開。自社を企画会社と位置づける。常に若い血を入れ、斬新な発想で時代をリードする。本書は写真等をふんだんに使い、あるいみで自身の企画書のイメージ。内容は濃い。 儲かると…

月光

何より慕う姉の事故死に疑問を持った妹が謎に迫る。事実は音楽教師との不倫を目撃され、同級生に肉体関係を強要されるていた。どんなときも性善説を信じ再生を待っていた彼女もあるとき限界を超える。妹と教師それに同級生の3者の視点で物語はスピーディに…

消費社会から格差社会へ

対談集。表裏をなすような経歴を歩んできた社会学者(上野)とマーケッター(三浦)。女性、世代を含め格差社会について語る。両者との歯に衣をきせぬ物言いで勢いがある。三浦はパルコの社内誌の編集長で上野はその読者であったという。副題は「1980年…

オーデジュボンの祈り

著者のデビュー作。外界との交流を絶った不思議な島に紛れ込んだ主人公。そこは未来を予言するかかしを中心に独自の社会を形成していた。そのかかしが殺され連続して殺人が起こるミステリー仕立て。人物の書き分けが不十分で中盤までかったるい印象。後半一…

もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの「マネジメント」を読んだら

話題の書。タイトル通りの内容。ストーリーは波瀾万丈の末、予定調和だが結構引き込まれた。若者読者を馬鹿に出来ない。企業の価値はマーケティングとイノベーション。マネージャーたるものすべてに真摯たるべしとの教え。もし高校野球の女子マネージャーが…

ご不浄バトル

悪徳教育販売会社に就職してまった主人公が、会社都合退職を勝ち取るまでのバトル。トイレしかも個室がキーとなる。最終的には当局の捜査が入る。若い世相の就職難と未来に希望を持てない現状が反映されているが、内容的にはあまり感心しない。御不浄バトル…

お金持ちになる投資成功ノート

若者向けの解説書。30ステップで投資の基本を解説。記入用のノート形式のところが売りだが、内容は基礎的。基本は長期のアセットアロケーション。すでに実行済みだが少しメンテしなければ。内藤忍のお金持ちになる投資成功ノート作者: 内藤忍出版社/メーカ…

村を助くは誰ぞ

時代は織田信秀と斎藤道三が争う戦国期。戦に巻き込まれる庶民たちを描く連作形式。厳しい世相の中で欲望や保身があらわになる。著者の作品はすべてにそつなく、完成度は高い割に、なんとなくのめり込めないのはなぜだろう。村を助くは誰ぞ (講談社文庫)作者…

空の中

高空域で発見された未知の飛行生物。単一体であり高度な知性を有する。自衛隊機は衝突にしてパイロットが殉職する。残された高校生の息子と、部下の女性パイロット。2組のカップルがその後展開する騒動に巻き込まれていく。自衛隊ものでこういう設定あった…

私が自民党を立て直す。

政策、主義主張を明らかにした1冊。野党となり総裁選で敗れた後の著作。政治家らしく論使明解かつ説得力に富む。目指すところは温かな小さな政府。日本が直面するすべての問題に回答を示してはいる。確かに旧時代の政治と決別しなければ日本は二流国になっ…

悪魔のエレベーター

密室となったエレベーターに閉じこめられた4人。実は素行調査の対象者に不倫を告白させるため探偵が考え出したお芝居だったが、アクシデントが重なり思わぬ展開に、さらにラストにはどんでん返しが待っている。異なる3人の立場から語られる凝った構成でコ…