2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

知の仕事術

エッセイ。自らの知的生産術を公開。現代に生きる作家として、ネットの情報を使いつつ、如何にしてテーマを深く掘り下げるかに腐心する。日本の右傾化にはさりげなく敬称。毎日新聞に連載している書評について頁を割く。その中には書物に対する愛情と読者へ…

アリガト謝謝

東日本大震災に際して台湾の各方面から、多額の寄付が寄せられる。中国を慮った日本政府は公式に感謝できない。不思議に思った民間人である一人の女性がSNSを活用して寄付をつのり、台湾の新聞に広告を出す。日台の親交の深さを物語り、それを願う一作。フィ…

理化学研究所

日本最高峰の研究機関である理研の今を、研究者へのインタビューを中心に平易に解説。スプリング8やスパコン京など国家プロジェクトで技術開発に邁進する。ミクロの分光分析とシュミレーション技術で世界の課題の解決を目指す。科学技術の頂点を引っ張り上…

日本ノンフィクション史

今や書物の一ジャンルを占めるに至ったノンフィクションだが、その歴史は浅い。本書は戦中からの歴代の作家と作品を俯瞰する。大物である大宅壮一から始まり、梶山、草柳のトップ屋の時代を経て沢木耕太郎で完成を見る。学際的で言葉の定義や作家のスタンス…

罪の声

グリコ森永事件を題材にしたフィクション。録音テープの声から家族が犯人でないかと悩む青年と、特集で取材に駆り出された記者が過去の真実に迫る。犯人グループ像を特定し、仲間割れまで描き出して終わる。もちろん創作なのだが、ひょっとして一部は事実に…

ザ会社改造

創業者から請われ、ミスミの社長に就任。12年間の在位中に業績を急拡大させた実績を物語化。機械部品の専門商社をグローバルなメーカーに変身させた。キーとなる事業は3つ。メーカーの買収と海外進出、さたにシステム構築。若く見どころのある幹部候補生…

ドラッガーを読んだら会社が変わった

マネジメント理論を実践した実例を紹介。中小企業における18の物語。経営に悩んだ社長たちが頼る読書会。恐れず実践すると小回りが利くので劇的に効果が上がる。実例に著者が解説を加えて分かりやすい構成となっている。繰り返されるのは言葉の重要性。マ…

ゼロからの奇跡

著者は50歳の専業主婦から、自然派の化粧品会社を立ち上げる。インスピレーションに導かれ植物エキスを主原料とし、北海道で専用農場を持つにいたる。素人の苦闘だが徹底的したこだわりが市場で評価される。本書はサクセスストーリーだが、企業の苦労より…

アイドルエコノミーで稼げ

大前塾のセミナー。空き資源とITの融合による新ビジネスの展開。新たな産業革命となる可能性がある。ハードだけではなく人材リソースの活用にも直結する。概論のあと3つの実例のプレゼン。ネスレ、日本交通、ラクスル。アイデア勝負の部分が大きく、ビジ…

良い質問をする技術

著者は経営者へのエクゼクティブコーチ。ポイントをついた質問を発することで日頃と違う観点からの気づきを促す。良い質問とは受け手が答えたく、また気づきがあるものと定義する。コーチはコンサルと異なりアドバイスはしない。主観的なメッセージを伝える…

ダブルマリッジ

主人公は大手商社の部長。若い時にフィリピンで入籍した現地女性が知らぬ間に自分の戸籍に入籍される。さらに息子も。謎を追う本人と娘はさまざまなトラブルに巻き込まれる。本人は離婚に転職。長男は不遇の死を迎える。小説仕立てだが、戸籍法の穴をついて…

八日目の蝉

不倫関係にあった男の実子を出来心で誘拐。逃避行をしながら育てた女性が主人公。一時カルト集団に身を寄せたが、最後は小豆島で逮捕される。後半は成長した娘の一人称。不倫関係から妊娠。産み育てる決心をする。解説にもあるように女子にとって恋愛より、…

米中戦争

著者は元陸自の東部総監。公表された資料から米中の戦略と極東での有事を研究する。中国は覇権主義で領土拡大のためには、実力行使も辞さない。相対的に弱まったとはいえ、アメリカの実力は世界一で強大。日本は南西諸島の防衛で連携を取りつつ、一定の抑止…

バカざんまい

辛口の世評コラム。世に巣くうバカどもを酷評する。有名人、メディアから一般人までその対象はとどまるところを知らない。ネットに踊らされ、一定方向を向く日本人集団。特にネトウヨには手厳しい。正直我々の感覚とは極めて近いのであるいみ痛快ではあるが…