2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

楽園の蝶

戦中の満州。闇の帝王である甘粕が理事長を務める満州映画撮影所。京都のボンボンである主人公はさっそくさまざまな事件に巻き込まれる。謎を解くうちに満州を取り巻く様々な勢力に振舞わされることになる。最後は大逆事件まで遡る。歴史ミステリー。クルー…

熱海の奇跡

温泉地熱海も御多分にもれずシャッター街となっていた。著者を中心にした民間ベースで再生を図る。リノベーション街づくりを目指し、30代のクリエイティブな人々が集まる街をビジョンに掲げる。まずは拠点となるカフェを創設。人のネットワークを拡げていく…

サラリーマン2.0

忙しい広告代理店のサラリーマンが週末を使い世界をたびする。観光旅行でなく現地の人々との本物の交流が目的。結果が評判を呼びメディアに露出。出版に繋がった。羨ましいばかりの若さとヴァィタリティ。称賛したい。 −旅と旅行は全くの別物。自分を探すの…

社風の正体

会社の文化である社風の研究所。主として文献からの引用、解釈が多い。社風は本来発展のための武器となるべきものであるが、最近は東芝や神鋼の例を引くまでもなく弊害の方が多い。時代に合わせて変えていくにはエネルギーを多とするが、トップの仕事ではあ…

美貌のひと

古今の名画から、美貌の肖像画を取り上げ、そのエピソードを紹介する。ほとんど女性だが、なかには自画像を含め男性も。モデルと画家の両面から掘り下げ興味深い。ヨーロッパに今も続く身分意識の深さが繰り返し述べられる。図像はカラーで読みやすいシリー…

大富豪からの手紙

ドラマ仕立てにした人生観。祖父から託された9通の手紙。それに導かれるように京都、タイ、ブータンと旧友を訪ねる。話はもちろん出来過ぎでハッピーエンド。主張はスピリチュアルな部分もあるが、完全に世間離れではなく頷けない訳ではない。どうとらえる…

そこそこやるか、そこまでやるか

秀岳館高校をわずか三年で全国ベスト4まで導いた鍛治舎監督の自伝。県岐阜商から早大ではスター選手。ドラフトを拒否して松下電器へ。人事畑での仕事が評価され専務まで昇進。長年の夢であった高校野球の監督へ華麗な転身をとげる。リーダーとして大事にし…

仕事ができる人はなぜワインにはまるのか

表題通りの軽い読み物。「ソムリエ」誌のインタビュー記事をベースに編集。特に若手のIT関係経営者には愛好家が多い。ワイン自体のもつ奥深さに好奇心がマッチする。実務としては食事の時に話題とそこからの交友関係の広がりに貢献。まあ予想通りの内容。初…

仕事ができる人はなぜワインにはまるのか

表題通りの軽い読み物。「ソムリエ」誌のインタビュー記事をベースに編集。特に若手のIT関係経営者には愛好家が多い。ワイン自体のもつ奥深さに好奇心がマッチする。実務としては食事の時に話題とそこからの交友関係の広がりに貢献。まあ予想通りの内容。初…

激動の世界を行く

大越キャスターの取材記。BS1で放送されたドキュメンタリー。北朝鮮、メキシコをはじめ世界情勢の焦点となる地域を実際に訪ねる。バルト3国が目新しい。現地のコーディネーターと協力して地道に取材する。どこにでも入り込み本音を引き出すのは著者の人間力…

淳子のてっぺん

日本女子登山家のパイオニアでエベレストに初登頂した田部井淳子女史の伝記小説。子供の頃から山に魅せられ、女ながらに谷川岳の岸壁に挑む。女子だけの隊でヒマラヤに挑戦。副隊長として隊内の調整に腐心する。誰もが頂上に登りたがりサポート役は嫌がる。…

長く高い壁

中国戦線。北京近郊の長城で留守部隊の守備隊が全滅する。従軍記者の冒険作家が謎ときに派遣される。憲兵の監視のもと、関係者に尋問。見事に謎を解いて見せる。結果は中国人協力者による復讐だが、守備隊の中にも協力者が存在した。公表できるはずもなく真…

ゴッホのあしあと

最新作である「たゆたえど沈まず」の取材記。ゴッホの足跡を追い、自らの創作の部分を明らかにしていく。著者にとってゴッホは特別な画家、残した文章からは非常に思慮深いインテリの人格を感じ取っている。世にいう狂気の部分は否定する。2度美味しい商売…

オリンピックへ行こう

代表選考を題材にした3本立て。卓球、競歩、ブラインドサッカーとマイナーな競技を取り上げる。スター選手でなく当落線上の主人公が最後の望みにかけて奮闘する。裏に人間ドラマを織り交ぜるところは流石だが、卓球のラリーの記述はさすがに難易度が高い。…

アメリカ本土を爆撃した男

太平洋戦争中、伊25号搭載の水偵でオレゴン州を爆撃。ドーリットルの報復を果たしたパイロットが主人公。戦後アメリカに招かれ英雄として称賛される。日本政府は何もしていないのと好対照。その後日米の親善に努め、自費で高校生をつくば万博に招待する。…

マンゴスチンの恋人

現代の高校を舞台とする連作。青春恋愛ものかと思いきやテーマは同性愛。植物はその雌雄の形態により性的なマイノリティーを象徴している。展開と設定は巧みで自然に読ませれた感じ。負い目により恋愛はより苦しく純粋。マンゴスチンの恋人 (小学館文庫) […

モナリザに並んだ少年

表題は著者のこと。美術ファンであろ自身の遍歴をベースに、画家100人とその作風について論評するくらい。時代を遡るのが新しい構成。文章は簡潔で洞察に富む。図版も美しく読みやすい。まずは期待通り。[rakuten:bookoffonline:12656555:detail]