2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

バカと無知

最近の脳科学、心理学の成果から人間の本質に迫る。社会的な生物である我々は生存のための戦略が遺伝子に組み込まれている。集団の一員としての機能と集団内で生殖のために一定のポジションを獲得する必要がある。前著の続編の位置づけ。言いにくいタブーを…

どんがら

トヨタの技術部門を舞台にした企業小説。主人公はスポーツカーの再生に挑むチーフエンジニア(CE)多田氏。新車の構想、設計、生産、販売まですべてに責任を負い、車種の社長と呼ばれる。単独ではかなわず、スバルとさらにBMWとの共同開発。専門用語から異な…

49%に嫌われ、51%に好かれる社長になれ

著者はキャバクラ嬢から経営者に。北新地で有名店を営む。華やかな女の世界の維持には気遣いが欠かせない。キャッチーなタイトルは部下との緊張感を醸成すること。組織の運営についてはどの世界も基本は一緒。部下に気づきを促し、成長させる。内容的には常…

脳は若返る

一般に粘れとともに老化が考えられる脳だが、著者は対応によって若さを保てると主張する。一言で言えば社会と繋がり、好奇心を持って挑戦を続けること。ドーパミンの分泌がキーとなる。エピファニーがあるとベスト。まさにアクティビシニアとなりエージレス…

ディック・ブルーナ

ミッフィーの産みの親であるオランダの絵本作家ブルーナの評伝。極限までシンプル化されたデザインで全世界の子供たちに愛される。資産家の出版社の家庭に生まれる。ナチスの時代は地下に潜る。厳格な実業家の父親と衝突し、芸術の道へ。多数の本の表紙を手…

その先の世界へ

日本の高校生バスケ選手を、アメリカの留学させるプロジェクト。スラムダンクの著者が基金を拠出。すでに10年を超える実績。圧倒的な体力差と語学の壁を乗り越え、現地でNBAを目指すか帰国してBリーグのプロとなる。プレイタイムの獲得がまず課題。アメリ…

天路の旅人

大戦末期の中国大陸。密偵としてモンゴル、チベットに赴いた若者。ラマ僧に扮し、現地に溶け込みながら長い旅路の末にチベットにたどり着く。終戦後もインドやネパールと修行の旅を続ける。社会の最下層に身をやつしながら、語学力と真面目な働きぶりはどこ…

会話を哲学する

会話を科学する。副題にあるようにコミュニケーションとその先にあるマニュピレーション。小説や漫画等フィクションを例にあげ、パターン化する。コミュニケーションでは一定の約束事を形成。その先で話者の関係性により複数の分岐が生じる。試みとしては面…

突き抜けろ

楽天グループの創業25年を振り返る。創業者の三木谷氏や役員への取材を上坂氏がまとめる形式。何度もターニングポイントがあるが、トラベルや証券を買収し、現在の巨大なエコシステムを確立した。思いは「日本を元気にする」「世の中をよくする」。現代の…

Web3とDAO

何かと話題のDAOの解説書。著者らはその最前線に立つ。インターネットの歴史からひもとき、現在のプラットフォーマーの寡占から脱却し、民主化を目指した変革に期待する。前半は平易に書かれているが、後半は専門用語が頻出し理解が及ばない。興味はあるがな…

キーエンス解剖

超優良企業であるキーエンスの強さの秘密に迫る。直販による顧客に密着したコンサル営業とその情報共有。さらに即納体制で、ユーザーの心を鷲掴みにする。ある意味王道なのだが、仕組みづくりとそれを愚直に実行する力。社員には処遇で答えモチベーションを…

寿命ハック

医科学エッセイ。目指すはテーマは不老不死。最新の分子生物学の知見をユーモアをこめて描く。急速に発展しており、人類の寿命は伸びていく可能性がある。知らなかった科学的事実も多いが、後半はやや平凡に思える。著者はデンマークの大学院生。翻訳の常だ…

レッドゾーン

コロナ感染の初期。舞台は長野の公立病院。唯一の感染症指定病院となり、陽性者を受け入れる。立ち向かうはわずか3人の内科医のチーム。それぞれの事情を抱え、考え方も異なるが、厳しい対応の中でやがて一体感が生まれて行き、院内で協力者も現れる。ワクチ…

みんな元気だ

世界各地を旅した著者が出会った野性動物を綴ったショートエッセイに、和田誠氏が挿絵をつかた大人用の絵本。エッセイ2ページにイラスト2ページの構成となっている。あとがきに記されているが、当時の写真をベースにする。面白いエピソード満載の文章と、…