花形の社会部から文化部へ左遷され将棋の担当となった秋葉と無頼の将棋指し真田。美人ママ静の店でのケンカから、３人の共同生活がスタートする。真田のアマチュア戦優勝から奨励会への奇跡的な復帰まで、支えたのは周囲のサポートと幼い頃からの不幸な生い…

ＪＲ九州の車両デザイナーとして名を馳せた水戸岡氏の生き様を描くノンフィクション。あらゆるタブーを無視、クライアントとの衝突も辞さず、信念を曲げない設計。素材、色彩、細部に徹底的にこだわる。それを受け入れたＪＲやメーカー日立の度量も考えたら…

IT業界での大型Ｍ＆Ａ案件。子会社の証券会社に出向中の主人公が本店証券部とまっこう勝負に出る。最後は買収側の粉飾決算を明らかにして一方的な勝利。出向者とプロパーの確執。ロスジェネ世代のバブル世代への不満。急成長したＩＴ業界の内幕。リアルな設…

短編集。現代の高校生の恋愛を描く。人間レベル２／１００点と自らを評する男子が主人公の表題作を始め、どちらかと言えば冴えない部類が主役を演じる。やや不自然な設定が多いが、ストーリー立ては自然に読ませてくれるところが力量なのだろう。読後感はさ…

日本を代表する企業経営者１１３人へのインタビューをベースに、著者がテーマ毎に編集して構成した１冊。リーダーの言葉を各節の表題にすえ、すらすら読めるように工夫されている。２００６年の出版で失われた１０年でもがき苦しむ時期だが、今から見るとま…

信濃、村上義清の家臣石堂一徹。なみはずれた巨体に文武両道を備えるが、外様であるため合戦以外では家中では重んじられず、武断派の主君には戦略的な献策がなかなか入れられない。大柄で明るい妻と幸せで微笑ましい一家を成すが、武田との抗争の中で不幸な…

スカンンジナ航空を世界屈指の航空会社に育てた著者の経営哲学。今日の経済では企業のコースを決めるのは製品や技術ではなく顧客であると断言し、最前線の従業員が顧客と接する１５秒がサービス業の死命を決するとする。従来のピラミット組織から徹底した権…

尾鷲で林業を営む著者の提言。日本や海外の林業の現状を紹介。日本で初めてFMC（森林認証システム）を取得した第一人者である。一声５年の長いスパンで営む産業には将来への成長と伐採のバランスを考慮しつつ、一定の利益を産み出す構造が必要。総じて一般の…

アニメ映画のための書き下ろし。狼男と恋に落ちた女子大生が、二人の子供を必死に育てる。山村に移り住み周囲の手助けもあって、子供は順調に育つが、やがて人か狼かの決断を下す時が来る。弱虫の弟「雨」が自然に帰る道を選ぶ。ストーリー立ては単純である…

伊那食品工業社長が自らの経営哲学を語る。急成長を好まず着実に毎年事業を成長させてきた。社員と取引先を常に第一に考えるが、その哲学に社員達は真摯に応え、自発的な３０分の毎朝の掃除を買って出ている。利益は企業のウンチと言い切り、株主至上主義の…

酒癖の悪い不注意な父親のせいで近所の不興を買い、いじめにあった母親が重度の精神障害に陥る。身勝手なフリーターであった主人公が一念発起、土木工事のアルバイトから正社員へ最後は父親と共同で母親のために家を買うまでの成長ストーリー。何よりの成長…

「事件簿」とはサービス業で日常おこるクレーム対応やその解決策。表面的な処理に終わらず必ず原因の究明とその解決まで追求する。ボトムアップの議論を大切にし、全社員のベクトルをあわせる経営は、多くの社員が辞めていった苦い経験に基づく。これを貫く…

シリーズ最終作。川中島の決戦まで。軍神謙信は戦の天才であるが、内政は不得手で武田の調略を受けて重臣の謀反が相次ぐ。嫌気がさした謙信は高野山に籠もる一歩手前まで世を捨てようとする。一方で信玄は謙信の軍略を恐れ不戦かつ実を取ることを基本戦略と…

秋田犬五郎丸の数奇な一生と関わった人間達のドラマ。賢い犬でありながら飼い主達の事情で、５家族を転々とする。最後は帰巣本能、生まれ故郷で生涯を終えるが、独居老人に震災に立ち向かう力を与える。身勝手な人間達に文句も言わず従順で献身的な犬の姿を…

星野社長は慶応からアメリカビジネススクール留学の経歴。経営理論の古典的名著を多数熟読し、それらを経営の教科書とする。企業経営は「アート」と「サイエンス」の組み合わせ。後者には理論的なバックグラウンドがかかせない。つまみ食いは戒め、教科書通…

評判の新しい日本人論。東北大震災に触発され書き起こす。世界史、思想史からひもときあまたの書籍、理論を紹介する。日本人の個人としての優れた資質と機能しない組織としての短所をコインの表裏として解析する。各章の末にまとめを掲載するところも読みや…

シリーズ第２作。武田晴信の軍師となった勘助が信濃を手中に収めるまでの活躍を描く。軍事の指南だけでなくが、雪姫（湖衣姫）との政略結婚による諏訪の懐柔策も軍師の仕事とする。武田信玄も連勝に奢り、かなり危機的な状況であったことは新たな発見。楽し…

「事件簿」とはサービス業で日常おこるクレーム対応やその解決策。表面的な処理に終わらず必ず原因の究明とその解決まで追求する。ボトムアップの議論を大切にし、全社員のベクトルをあわせる経営は、多くの社員が辞めていった苦い経験に基づく。これを貫く…