2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ダイスをころがせ

無所属で衆議院選挙に立候補する元新聞記者。高校時代の親友でありライバルであった主人公は商社をリストラされ、その秘書役兼選挙参謀となる。両者の人生の転機となった公共工事にまつわる疑惑。高校時代に想いをよせた同級生とエンタメとしての伏線はひか…

社長が戦わなければ会社は変わらない

現代のカリスマ経営者のビジネス書。成功体験はアメリカでの塩ビ事業シンテック社。徹底した合理化と少数精鋭主義でオールドエコノミーながら安定した収益を上げる。社長職にありながら毎朝営業情報をチェックしマーケットの変わり目を見逃さない。主張は単…

コメ兵

80:20の法則 買取価格は客の8割が売る値段 販売価格は2週間で2割が売れる値段。2ヶ月で8割が売れる値段。2年で完売。

日産

カンブリア宮殿の新春特別版 合理主義者だが少年のような車への愛着 日本の現場力は世界一 解決策は社員が知っている。 欧米の労働人口の10%が自動車産業。政府の救済は妥当。 日産は電気自動車を2011年に発売。車体価格はガソリン車と同等。バッテリーはリ…

佐藤さん

幽霊が見える主人公と、霊にとりつかれやすい佐藤さん。秀逸な設定から二人の恋愛を描く学園青春モノ。内気でいじめられた経験を持つ主人公が、様々な事件に遭遇しながら成長していく。気のいい幽霊や友人、そして何より佐藤さんへの想いがそれを助ける。フ…

白いメリーさん

短編集。ユーモアあふれるファンタジー小品が並ぶ。軽めの不条理な世界が展開するが一応納得のいく説明がなされるところはサービス精神あふれるところ。才気豊かな作者の急逝が惜しまれる。白いメリ-さん (講談社文庫)作者: 中島らも出版社/メーカー: 講談社…

なせば成る

副題は偏差値38からの挑戦。若くして衆議院議員から横浜市長となった著者だが、エリートではなく、高校時代までは落ちこぼれだった。一念発起の上2浪して大学、さらに松下政経塾へと進む。本書は自らの経験をベースに若者へのエール、啓蒙書となっている…

算法少女

江戸時代に記された同名の古書がモチーフとなっている。少女でありながら父の教えを受けた数学の知識で、当時絶大な力を持った関流の和算に挑む。一揆やお家騒動などストーリー立てのための事件も用意されているが、これは児童文学の域を出ない。円熟しても…

くちぶえ番長

小学校4年のクラスにやってきた転校生。父の遺言を帽子に刻み、悲しみは口笛に変えて目指すは番長。最初は警戒したクラスもその一本気で弱者を助ける優しい姿勢に惹かれていく。優等生の学級委員である作者の分身は彼女に淡い恋心を抱く。愛犬との死別、再…

凍りのくじら

年齢の割に覚めた自我を持つ女子高生である理帆子が主人公。表面的には社交的だが誰からも必ず距離をおく「少し不在」な存在。自らの死期を悟り姿を消した高名な写真家だった父。病床で死を間近に見据える母。精神を病みストーカーとなる元恋人。父の親友の…

長期投資を始めるなら50歳からが旬

著者の持論である長期投資の実践論を解説。キーワードは成熟経済。日本経済については比較的楽観論。バブル崩壊により成熟期に入ったが、企業がコスト削減により経営目線を下げたことで、買い換え需要だけでも十分に経済は循環する。個人資産の10%が投資…

雨の日も晴れ男

メルヘン小説。天使のいたずらで次々と不幸に見舞われるイギリス紳士が、持ち前のポジティブシンキングとすこしずれたユーモアセンスで乗り切る。ベストセラー「夢をかなえるゾウ」の原型がかいま見える。 神は人を不幸にすることも幸福にすることもできない…

シャングリラ

近未来小説。地球温暖化防止のために東京を森林化し、空中都市アトラスを建築する政府と、取り残された地上民側のゲリラ。富と新たな皇位継承競いさまざまな背景を持つ登場人物が絡み合う。エコ時代を映した設定であるが、盛りだくさんで散漫。戦闘シーンは…

東京物語

80年代。名古屋出身の若者が、上京し30直前の結婚前夜までの青春譜である。東京で浪人、初恋、大学中退、広告代理店につとめバブルのまっただ中の異常な業界も経験する。誰もが通過する一時代であるが、主人公の1959年生まれという設定であり、作者の…

サブプライム問題とは何か

副題は「アメリカ帝国の終焉」。2007年夏に発生したサブプライム問題をわかりやすく解説する。直接的には借金を苦にしないアメリカ人の楽天主義。ローンの証券化による貸し手のモラルハザードが原因とされるが、中長期的に世界経済の流れを追う新たな視点を提…

クライマーズハイ

群馬の地方紙編集局が舞台。過去に部下を死なせたトラウマを持つ一匹狼のデスクが、もらい事故である尾鷹巣山の日航機事故の全権デスクに任命される。同じ日に白根山の絶壁に挑もうとしていた同僚が過労がたたり倒れる。世紀の大事故にはやり立つ部下、社内…

ソニーをダメにした「普通」という病

著者はソニー出身の経営コンサルタント。内外から見たソニーを実例に、大企業病に苦しむ日本企業を解析する。要はアメイカナイズである国際化。大企業病。経理重視の内部統制には手厳しい。人材も製品も「機能価値」より「使用価値」を重視すべしと説く。ビ…

なかよし小鳩組

零細広告代理店が受けた起死回生の受注は、暴力団のCIであったというおいしい設定。強面の構成員たちもつきあうに従い徐々に人間味を出していく。アル中で前妻にも愛想を就かされた主人公のクリエーターだが、妻の乳がんの手術の間、小2の娘をあずかる羽…

竹千代を盗め

桶狭間の後の徳川家が舞台。今川家に人質に取られている家康の妻子を取り返す仕事を請け負った甲賀ものの一族。婿養子の棟梁が主人公。必ずしも一枚岩でない配下、一族の統率と、情報漏れのため防御を固める今川方との暗闘。両家の家臣たちの思惑も絡み合い…