2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

弱小集団東大ゴルフ部が優勝しちゃったゴルフ術

著者はプロのゴルフコーチ。縁あって東大ゴルフ部の指導を引き受ける。理論的なバックアップを学生たちは瞬く間に吸収し、見事一年で上部への昇格を果たす。指導者でこうも変わるのかの良き見本。無駄を省き、限られた時間で成果を挙げる。技術面も少しは参…

天才の証明

お笑い芸人から音楽ユニットと成功の陰にある戦略を語る。自らの長所を学習能力と分析力と位置付け、時代の転換点で新しいエンタメを模索する。強調されるのは得意分野で勝負すべしということ。自分を分析しその特性を活かせるようにルールを変える。武勇伝…

法制の王国

戦後裁判史の内情を描く大作。同期修了生の3人を軸に物語が転換する。一人はエリート、一人は護憲派で左翼的な活動が影響し、支部を転々とする。もう一人は苦学の末、原発反対の弁護士に。人事を壟断する管理派とそれにおもねる中間管理層は普通の会社と変…

残り全部バケーション

当たり屋を生業とする小悪党が主人公の連作集。行き当たりばったりで自分のために部下を売るような男だが、なぜか憎めない。ペアを取り換えつつかけあい漫才のように各章が進行する。最後は思いもかけない展開が用意されている。作者の伏線に思わずまいった…

技術の街道をゆく

技術史エッセイ。タイトルは司馬遼太郎を意識。ネタは製鉄、津波、陶磁器、開発と続く。技術の変遷と発達を紐解くことで問題解決の手法を解説する。究極の問いは技術は何のためにあるか。メーカーの自己満足でなく社会に受け入れられる価値の提供が必要。巻…

食いつめものブルース

中国都市部の下層社会をルポする。農民工とは地方出身者が上海や北京の都会で肉体労働者として働くこと。社会の上層部とはほとんど接点がなく、安アパートや取り壊し前の建物に暮らす。極めて真面目に働き生活を切りつめても子供たちに教育を与える。最大の…

50歳からの鉄道旅行

JR各社が発行するシニア向けの乗り放題パス。これを使用した格安旅行のガイド本。代表的なのが大人の休日倶楽部パス。旅そのものよりもいかにお得感を出すかに重点がおかれる。少し行き過ぎの感あり。まだまだ日本国内で行きたいところはあるが、期間限定…

[書評}Kmはなぜ大卒新卒タクシードライバーにこだわるのか

訳あり中年男性の職場というイメージが強いタクシー業界にあって、kmは新卒採用に踏み切る。ホスピタリティを合言葉に運送業からサービス業への転換。会社自体も採用される側にも意識改革が必要。本書はインタビューを通してそれぞれの事情と心境を浮き彫…

コミュニティーキャピタル論

優れたパフォーマンスを示すコミュニティーを社会学的に解析。その力の源泉を探る。研究対象は近江商人。温州企業、トヨタのサプライチェーン。地縁から始まり、共通の利益目標で繋がる。キーワードは同一尺度の信頼、準紐帯。近所づきあいがベースだがジャ…

ヒルビリーエレジー

トランプの大票田である白人労働層の実態を描く。著者の私小説の形で生い立ちを帰す。母親は麻薬重毒で離婚再婚を繰り返す。気性は激しいが家族思いの祖父母に育てられ、優しい姉に支えられる。転機は海兵隊への入隊。エール大学から弁護士へと階層のステッ…