2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧
副題にあるとおり、人気教授が大人を対象に自らの勉強法を公開する。専門分野の「知識」はもちろん、異分野に積極的にも入り込み優れた点はどん欲に吸収し「教養」としていく。ノートや手帳、デジカメの活用法にも言及。全般に非常に実践的で合理的であるが…
ファスト風土=ファースト風土である。画一化された消費文化と郊外化により地方はより疲弊を進めている。がある。地方の青少年犯罪が急激に増加しているのは、急速な発展により社会が崩壊しつつある現象の現れ。かっての緊密な人間関係が薄れる一方で、一次…
東京直下型地震の恐怖を描いた近未来SF。主人公は神戸の大震災を経験し、家族を失ったポスドク。自ら開発したシュミレーターで大地震を予知する。判定委員会はそれなりの兆候をつかんでいるものの東海地震を想定しており、有効な警告を打てない。このあた…
池田藩岡山城下で自製の大凧で空を飛んだ男がいた。これが飢饉の続く社会不安時の政権批判ととらえられ所払の刑に。一方江戸では独占された塩の専売に挑む行徳の問屋。意気に感じた備前の廻船船頭がこれに協力する。同乗していた主人公は自らの技量一つで未…
ボロアパートに救う10人の素人集団がわずか1年で選考会を突破し、箱根駅伝の本選でシード権を獲得するまでを描く。中心となるのは4年生の主将と1年生のエース。過去に故障と不祥事で陸上をから離れた経緯がある。他のメンバーは半ば強制されながら主将…
作者得意の軍事物。自衛隊の潜水艦が北朝鮮のテロに巻き込まれるというやや無理のある設定。大連から日本へ向かうが、中国海軍原潜の執拗な追跡に合う。お互い武器は使用せず、操艦技量と神経戦で凌ぎ合う。自衛隊の宣伝小説の様相もするが、エンタメとして…
タイ現代史の総括。80年代以降一応の民主化を達成した時点から現在までの政治史、社会史をを詳細に解説。この間にバーツ危機があったものの、農業国から工業国に完全に脱皮した。それは必然的にグローバル化にさらされることになり急激に社会構造が変貌しつ…
安定した政治、不安定な政権 国民の父 仏法と倫理に基づく統治 選挙に基づく政治
住宅機器メーカに同期で入社した男女。初任地の福岡でそれぞれ激務をこなし成長していく。このあたりは著者の経歴からして実体験に基づくものだろう。その後男性は地元の先輩女性と結婚し、単身赴任中に不慮の死を遂げる。主人公は生前の「協定」に従い彼のH…
ブッダとその子ラーフラ、さらに孫メッティヤを同時代として描き、悟りへの道を暗示する。「文芸賞」受賞ということだが、抒情的で美しい文書でありながら主題は難解。正直良さがわからない。一般読者の評価は分かれるのでは。1000肝心の子供作者: 磯崎憲一…
北朝鮮の金正日政権の罪を弾劾する衝撃の書である。その実態は軍事独裁政権であり、権力維持のためには反対勢力は無論、実父である金日成まで謀殺したと断言する。飢餓による数百万の餓死者はまつろわない北東部の住民に対する虐殺であり、金日成は電力政策…
天才的なスリの祖父に仕込まれた青年と女装の占い師の不思議な共同生活。それぞれの立場から若者達の暴力的なスリ集団を追いかける。まわりを固める人々も事情を抱えながら好人物。特に病弱ながら芯の強いヒロインがよい。スピード感あふれる展開で読ませる…
副題通り、エクセレントカンパニーからグッドカンパニーへの脱皮を図る日本企業の模索を報告する。よく言われるとおりこれからの企業は収益の追求だけでなく、すべてのステークホルダーに対する社会的責務を負う。キーはいかに社会に開かれた会社にするか。…
写真家の著者が名だたる芸術家のアトリエを訪問。その製作風景をカメラに納める。写真集自身は80年に新人賞を受賞。ミロやシャガールなど今は亡き巨匠の姿もある。癖のある画家達に対して粘り強い交渉と人間性で取材を勝ち取る。やはり本著の神髄はその写…
イタリアを舞台に日本人少女の誘拐に挑む特命規格外外交官。子供の安全を第一に考える気の強いシングルマザーと事なかれ主義の大使館、縄張り意識の強い地元警察の板挟みにあいながら、犯行の裏に隠された複雑なテロ計画を暴く。映画のプロット用に書き下ろ…
フィリップ・マーローに憧れるしがない探偵が、やとった秘書は齢80歳のやたら元気な老婆。二人の奇妙なコンビがドタバタの中で、動物を巻き込んだ難事件を解決していく。軽快な読み筋のなかに、しっかりドンデン返しとペーソスを盛り込むのは作者の真骨頂…