2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

最強知名度の作り方

イモトのWIFIとニシタンクリニックで名を馳せた企業家。ともかく知名度優先で市場に参入、完成度は後追いさせる経営手法。具体的にはインパクトのあるCMで名前を連呼する。商品説明は極論すれば客に検索させる。効果は抜群で市場を占有。金融や採用にも好循…

ワーカーズダイジェスト

主人公は30過ぎの独身の男女。偶然に姓と誕生日が同じ。互いに異なる職場でそれぞれの葛藤を抱えながら暮らす。ラストで出会いが訪れ少し光明がさす所で完結。付属の短編も含めて、現代社会で若者の生き方を問うような主題。全体を通して焦燥感と寂寥感が…

グレイがまっているから

画家とその家族とシベリアンハスキーの日々。わずか5歳で昇天するので、後半は闘病日記。やんちゃで好奇心旺盛な性格だが、家族には甘え、周囲を明るくする犬の力。文章も巧みだが、画家本来の挿絵とスケッチで読みやすい構成。本書は愛蔵版と銘打ち、いく…

やらかした時にどうするか

失敗学の大家が、長年の研究の成果を学生向けにやさしく解説する。失敗と創造は背中合わせの関係で、決して恐れることなく貴重な体験知とすること。逆算の原因解明プロセスが創造的思考に通じる。自らの失敗も実例を挙げて説明。思いつきノートや思考展開図…

日本株を動かす外国人投資家の思考法と投資戦略

最新の外国人機関投資家の動向を解説。籍は海外法人だが実際の運用は日本人が担当しているケースもある。最大の問題は下向きの国勢により、投資対象となっていないこと。巨大ファンドの運用額から見れば日本株の比率は数%に過ぎず、さらに減少傾向とのこと…

夕映え天使

短編集。全6篇。人情とペーソスをベースにするが、必ずしもハッピーエンドではなく、意外な結末が待っているものが多い。設定から導入まで思わず引き込まれるあたりは流石である。十分に愉しめた。 夕映え天使(新潮文庫) 作者:浅田次郎 新潮社 Amazon

JAPAN TRANSFORMATION

楽天三木谷氏の率いる新経済連盟。デジタル企業のトップが日本の未来のために提言、活動を行う。錚々のメンバーだけに発言力は大きい。本書は結成から10年を機に現時点での問題意識を対談形式で世に問う形。徹底した規制改革と人材の流動化。後者には移民…

美術の物語

古代からポストモダンまで美術史を俯瞰する大著。この分野では圧倒的に支持されるバイブル的な存在。美術の流れを時代別に追う。建築、絵画、彫刻の分野を網羅。美術が過去を参考にしつつ、新しい流れに乗り発展していった変遷が良く理解できる。有名な作例…

東京のぼる坂くだる坂

幼い時に自分と母を残して家を出た父。転居を繰り返し名のある坂に住むというこだわりの変人。中年を迎えた主人公がその坂を訪ね、父との関係と隠された家族の謎を探る構成。一応家族関係が主題だが、むしろ東京の坂道のガイドブック的な要素が強い。そこに…

パンデミックなき未来へ僕たちにできること

自らの財団を通じて、長年保健医療に貢献してきた著者が、コロナとの闘いを評価、解析する。満点ではないが、短期間でワクチンの開発ができ、一定規模で押さえこめたことは一定の評価。国ごとの格差の問題は大きく、死者は貧しい国々に集中している。今回学…

長寿と画家

東西の著名な画家の代表作と遺作を通じて、その生涯と芸術性を解明する。文章は適度な長さで印象的なエピソードを紹介。図版も良いがもう少し点数が欲しいところ。画家たちに共通するのは年齢とともに衰える肉体、特に視力の低下に苦しみながら最後まで求め…

撤退戦

近代戦史の中から9例を精査。最も困難を極める撤退戦の成功と失敗の実例を考察する。どうしても組織の各レベルで判断は遅れがちで状況を悪くする。筋の通った命令系統が必要。現場は正確な状況報告、トップ側は部下を慮ることなく冷徹な判断が求められる。…

2040年の未来予測

タイトル通り、20年先の未来を予測する。著者はテクノロジーの信奉者で明るい未来を予測してきた。5G,6Gにより完全なIT,自動化社会が到来し、生活は一変する。日本は高齢少子化で衰退モードが避けられない。さらに温暖化による災害の発生は予測しようがない…

シュウマイの本

餃子におされ今一つメジャーになれないシュウマイ愛好家の著者が、その歴史と現在の展開を記述する。中華料理の点心が始まりで、街中華に広まり、冷凍食品により家庭に浸透した。世代分類では現在は第七代。各代個性を発揮し現存だが、コロナの影響もあり、…

世界の賢人12人が見たウクライナの未来プーチンの運命

タイトル通りの内容。様々な分野の著名人が寄稿したもの。2月の開戦直後の論評が多く、最近の戦況は考慮されていない。立場は様々だが、ロシア帝国復活を狙うプーチンの狙い、世界大戦の危機感などは共通。西側の論評なので民主主義を守るために立ち上がるべ…

WHYから始めよ

アメリカで評判のリーダー論。3層構造のメガホンを提唱する。WHY=ミッション。企業家には最上部に明確なミッションが必要。HOW(手法)、WHAT(成果)はその後についてくる。成功例としてはアップルやサウスウエスト航空さらにはキング牧師による公民権運…

データドリブン思考

経営にビックデータを活かすための啓蒙書。著者はこの分野の草分け的存在で、大阪ガスから滋賀大学の教授に転身。データ活用については組織の壁に苦労したようだ。まず強調されるのは問題解決のための課題の抽出。このステップが極めて重要だが、日本人の不…