2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

DXの思考法

DXについてその本質を解説する。表面上のデジタル化ではなく、社会を変革する大きな流れととらえるべき。繰り返されるキーワードはレイヤーと抽象化。食に例えた比喩も適切で理解が深まる。特に経営層を意識して書かれており、真剣に受け止めたい。著者は経…

河井寛次郎、棟方志功

随筆集。河井氏は出雲安来で育った少年時代の思い出を端麗な文章で描く。棟方氏は戦後すぐの自らの生活を軽妙に綴る。さすがに時代背景が古く完全には理解できない。文体、構成も時代を感じさせるものであった。巨匠の創作が垣間見えた部分もあったが、ごく…

グリーンジャイアント

2050年のカーボンニュートラルへ向けての、各国の状況、企業の取り組みを解説する。意外に思えたのは中国の再エネ率の高さ。ここでも日本は立ち遅れる。期待の大きいのは洋上風力発電。安全性の高い新たな原子力もベース電源としては欠かせない。日本が…

臨床の砦

舞台は長野地方都市の中規模病院。コロナの発熱外来として機能。2021年1月の奮闘を描く。時期的には第3波だが事実上の医療崩壊に近い。クラスターや院内感染と次々起こる事態に対処するのは、医療従事者の使命感と矜持。「正解ではないが最善を選ぶ」…

太平洋の巨鷲山本五十六

山本五十六提督の再評価。真珠湾の戦果と自らの戦死により偶像神格化され、未だに評価が定まらない。本書では多数の文献からその人間性はあえて無視し、用兵思想に焦点をあてて評価を試みる。基本的には好意的で特にその統率力、戦略性は傑出していたとする…

EV

自動車業界の近未来小説。主人公は経産省の若手官僚。中国の不穏な動きがきっかけ。時期を早めてEVに全面移行することで、日本のハイブリッド車を潰し、世界の経済制覇を狙う。テスラの中国進出をギリギリのタイミングで阻止。日本の部品業界に新たな光明と…

土の中

畑作日記。90日間の記録である。著者は作家にして画家であるが、躁鬱病に悩まされていた。畑を借り、野菜作りに勤しむことで、自然との一体感を体得。創作にも良い影響が顕著。野良猫親子との交流も癒しになり主題の一つである。パステル画は力強く引き込ま…

地球の未来のために僕が決断したこと

言わずと知れた大物が、地球温暖化対策を解説し、提言する。技術屋らしく原因の分析から入り、必要な要素技術とその関連、活用まで言及。経営者として経済的な数値も詳しく示す。最終的には政治の調整力が必要だが、その部分は踏み込めず理想論。長年貧困対…