2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

日本を考える

BSテレ東での対談番組妙録。政財界の大物をゲストに招き、インタビューでその思想と実像に迫る。安部長期政権には基本的に好意的。安定した政策運営と国際的な発言力にに期待する。興味深かったのは大橋光夫氏。祖父は浜口雄幸。覚悟を持った理想政治を求め…

チョンキンマンションのボスは知っている

文化人類学のフィールドワーク。香港の魔窟に巣くうタンザニア人の社会。ボスを自称する主人公は、中古車のディーラーを生業とし、中国からアフリカへの輸出を仲介する。東アフリカ人で組織するゆるい連帯。開かれた互酬性。見返りは期待せず助けあう。不幸…

家族の幸せの経済学

人生の重要な幸福度ポイントである、結婚、出産、育児を経済学、社会学的に分析する。統計データと諸外国の学術論文から、真実を明らかにする。斬新な視点で常識を覆す。親の学歴すなわち家庭の貧富の差が子供の発育に影響を与えるのは事実。このあたりも勇…

現場のドラッガー

長年コンサルとしてドラッガーの経営学の普及に努めた著者が、そのエッセンスを解説。名前は明かさないがメーカー系の商社での成功例から紐解く。売上至上主義から顧客第一主義への変換。社員の意識変化を促し成功例となる。要所でドラッガーの原文を引用し…

図解でわかる会社の数字

投資初心者向けの解説本。財務3表の見方から、経済指標までをネコの漫画を交えて平易に解説。99%既知の事項だが、復習と確認には役立ったかな。著者は女性ながら大和証券の取締役。 図解でわかる会社の数字 ──株価を動かす財務データの見方 (ちくま新書)…

むちゃぶりで日本一

三重伊賀の中小メーカー。ベアリング部品を製造。これはと見込んだ若手に仕事を任せ、大きく育てる。ドイツ製大型機器の導入、新規製造技術の開発、タイへの進出と社運をかけたプロジェクトをむちゃぶりで任せる。当然ながら全社をあげてのサポートも万全に…

タスキメシ箱根

人気の箱根駅伝モノ。弱小大学が予選会を通過し、本戦初年で苦戦するまでを描く。主人公は食事を担当する栄養士院生。自らも現役時代に挑むが、故障に悩まされサポートに廻る。もう一人の主人公であるキャプテンとの折り合いが悪いが、やがて融和していく。…

看取り犬文福の奇跡

横須賀市の特別養護老人ホーム。入居者とペットの犬猫の同居を可能にした。本書はそこでおこる数多くのドラマを描く。それぞれに感じるのは固い絆。周囲にも良い影響を与える。ほぼ予想した内容、文章、イラストともプロではないが、それでも感動は大きい。…

きいろいゾウ

長編小説。舞台は九州の田舎。小説家の夫と不思議系の妻。若夫婦の睦まじい田舎生活を描くと思いきや、急展開。夫の謎に満ちた過去が明かされて行く。この危機を乗り切り、夫婦愛が確認される。周囲の登場人物も描き分けられ微笑ましい。初期の西ワールド。…

残業禁止

ホテルの建設現場。ゼネコンの事務所長が主人公。サービス残業と規制の板挟み。副所長が過労で倒れ、代役の若手は使えない上に自殺未遂。降格され閑職に回されるが、見事な復活逆転を果たす。仕事と部下への熱い想いが主題。出来過ぎの予定調和だが、恋愛編…

失敗の本質と戦略思想

名著の焼き直し。キーとなる重要な会戦を孫子の兵法とクラウゼヴィッツの戦争論から見直す。問われるのは作戦レベルで無く、戦略レベル。確固たる終戦プランが無く、開戦したのが最大の愚。空気に流される社会風土は今も本質的には変わっていない。このシリ…

CHANGE僕たちは変われる

五輪メダリストである著者は、若くしてフェンシング協会の理事、さらに会長として協会の改革と競技の普及に努める。圧倒的な知名度とネットワークで外部の血を積極的に導入。大きな成果を上げる。ビジョンを明確にし、末端まで浸透を図る。それはまさにビジ…

風神雷神

琳派の祖、俵屋宗達の伝記小説。京の扇屋の跡取りとして本家から養子として迎えられる。外見は抜けボンのキャラだが、画才は素晴らしい。その実力を見抜いたのは本阿弥光悦であり、烏丸光広。年代ごとに代表的な作品が物語に登場する。風神雷神屏風はその遺…

外国人が熱狂するクールな田舎の作り方

著者は外資系コンサルから転身、飛騨古川で、ツーリズム会社を起業。サイクリングとガイドを組み合わせ、外国人の需要に堪える。売り物は里山の暮らし。海外を放浪した経験から日本の素晴らしさに目覚める。立ち上げ時は補助金に頼ったが、すぐに自立。成功…

ペテロの葬列

バスジャック事件に巻き込まれた主人公。警察が突入し、犯人は自殺。一見落着かに見えたが、人質に後日慰謝料が届き謎を呼ぶ。犯人の過去はマルチ商法の参謀役。自省の念から黒幕を殺害し、世に実態を明らかにするため犯行に及んだ。探偵役の主人公は、巨大…

下戸の逸話辞典

東西の下戸のエピソードをまとめた一冊。著名人がずらずら並ぶ。カリスマ性のある偉人たちは酒の力を借りずとも良かったということか。総じて甘党が多い。網羅的であり、一人当たりの記述がやや少ない。文献による情報量、しかも酒に関する部分には限りがあ…