2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

がんばっていきまっしょい

実在の松山東高を舞台に、女子ボート部を復活させた主人公達の青春群像を描く部活モノ。女子高生を取り巻く進路や恋愛の悩みと、ボート競技の持つ修練と協調の重要さを見事に織り交ぜて行く。「坊ちゃん文学賞」を受賞したのもうなずける。ストレートな文体…

靖国

何かと騒がしい靖国神社についての評論集。明治初期に招魂社として大村益次郎が戊辰戦争の戦死者を祀ったのが嚆矢。九段という土地柄も、山の手と下町の境界、すなわち勝者と敗者の境であったとの意味合いを重視する。最近の論調は日本の帝国主義の象徴、A…

直感でわかる数学

一切数式を使わず、感覚的に数学の楽しさを読者に伝えようとする意欲的な著作。著者自身の前作でのPRに触発され、図書館で予約して購読。その目的は半分達せられ、半分は?というところ。自分の例でいうと、微積分や確率は容易に理解できるが、複素関数と…

カンブリア宮殿

仕事には3つの喜びがある。 発見 達成 上達 特に上司は部下に発見の喜びを与えるべき。 くらコーポレーション社長

[書評]夜は短し歩けよ乙女

明らかに京大を舞台としたファンタジー小説。硬派で内気な「先輩」と天真爛漫な「乙女」のほのぼのとした恋物語。多彩な脇役を配し、随所にユーモアをちりばめ読者を引き込む。やや設定が強引でついて行けない部分はあるものの、割り切って楽しむには充分な…

葉桜の日

葉桜の日 果実の舟を川に流して の2作。横浜、川崎のどちらかと言えば場末を舞台にし、そこに生きる若者を主人公とする。恋愛モノではなく、周囲の濃い登場人物との交叉の中で自分の生き様を考える姿を描く。背景には在日韓国人、ベトナム戦争を重い題材を…

プロフェッショナル

古い放映分だが、宮大工の棟梁菊池氏の巻を昼飯を喰いながら。氏はかの西岡常一氏の最後の弟子。圧巻は図面の寸法をベニヤ板上に1/1のスケールで落とす「原寸書き」の作業。主要寸法は設計者の仕事だが、屋根の反りなどの曲線は棟梁の仕事とのこと。昔呉…

頭がいい人、悪い人の話し方

知的な話し方を身につけるため、悪い例を類型化し、周囲の人間としての対応法、本人としての自覚と改善策を述べる。内容は正直言って平凡につきる。わかりやすい例のため、思い当たるふしがある人間が周囲にいないことはないが、意外と少ないのは私が恵まれ…

聖女ジャンヌと娼婦ジャンヌ

フランスの救世主であるジャンヌダルクの奇跡の陰に、それを演出した策士であるもう一人のジャンヌが存在した。ひたすら神の言葉を信じ、理想に進むダルク(ラピュセル)と、不幸な身の上が故に10歳にして娼婦とならざをを得なかったジャンヌは、神も他人…

プロフェッショナル

久しぶりに生で放送を見る。帝国ホテル総料理長田中氏の巻。 100−1=0 : 妥協を許さぬ姿勢。 味の決め手は情熱 : そのままの意味。 背中で教える : 若手の教育にズッキーニの下ごしらえ。 地位や格式に拘泥せず、コックコートを着れば常に戦場にあり。…

あなたを忘れない

新大久保駅で実際に起こった韓国人留学生の事故。線路上に落ちた酔っぱらいを救おうとして命を落とした。映画化されるようで、ヒロイン側のバンドのコンテストと絡めて劇的なシナリオに仕上げている。個人的には兵役をこなした韓国の若者、また儒教の影響が…

バイキング

出張の最終日。フライトまでの時間を利用して、あらためて市内を散策。マイナーなところを拾う。今日は日曜日のため、敬虔なクリスチャンは盛装してバイブルを手に教会へ。意外とこれまで目につかなかった黒人が多い。「休息日」のため公的な美術館や博物館…

故事成語でわかる経済学のキーワード

よく知られた中国の故事成語の、1出典をひもとき解説を加え。2現代の経済学の理論にあてはめて、3実例を挙げて説明するという構成。1は90%くらい既知の内容なので、ふんふん。2はまあそうだろうという関連づけ。3はやや退屈。実例がとってつけたよ…

ビジネス席の位置取り

最近出遅れて、最前列であることが多い。今回はNH747の16列。足下が広々しているのは有り難いが、モノ入れが小さくて不便。トイレの表示灯が見えない。バンコクからの帰りもそうだったな。次回からは避けましょう。

憑神

ヨーロッパ出張の機内で。最近邦画づいている。本来原作を先に読みたいところだったが、ストーリーとしては予想通り。浅田−降旗のコンビは安心して観ていられる。豪華な配役でコミカルに進む中、幕末の下級御家人である主人公の凛とした生き方が清々しい。貧…

ふたつの太陽と満月と

ゴルフものの連作集。ニューヨークの場末のゴルフ場に集う在留日本人キチガイ達のプレーにそれぞれゲストが登場し、過去が絡めた人間ドラマを展開する。川上健一は好きな方だが作品ごとに出来不出来がある。お気に入りは厳格な父親との和解を描いた「メリー…

日本の盛衰

私は堺屋さんの主要著書はほぼ網羅しているつもりなので、本書に述べられた論点はすでに何度か目にしている既知感があるのは仕方がない。「歴史から見る目」で「知価社会」の到来を予言する。すでに我々は大きな変化の渦中にあり、産業革命をそれとは知らず…

変革の手順

仕方(テクニック)の改革=「乾いた雑巾を絞る合理化」80年代後半 仕掛け(システム)の変更=「非常なまでの経営努力」90年代前半 仕組み(ストラクチャー)の変革=企業系列、事業構造の改編、リストラクチャリング(97、8年) 革命(レボルーショ…

日本の経済を見る6つの尺度

経済規模 (GDP成長率) 仕事 (失業率) 物価と賃金(物価上昇率/賃金上昇率) 金融 (公定歩合) 財政 (国債依存度) 国際関係 (経常収支、為替) ( )は代表的指標 「日本の盛衰」p223

アナザヘヴン

近未来?から送り込まれた「悪意」が次々と被害者の脳に忍び込み、残虐な殺人を繰り返す。それを追う肉体派のアナログ中年刑事と、美形の若手のペアが良い味を出す。物語自体は盛りだくさんである割に意外と引き込まれるモノに乏しい。TV脚本用に底が浅い…