2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

桑田佳祐論

デビューから現在までの1000曲以上の中から、26曲を厳選。その歌詞を解析、解説する。メロディが先行し、付属品的な扱いを受ける歌詞だが、その含意は深遠で含蓄に富む。コメディソングからメッセージソングまで、ロックの魂として自由に表現する。戦…

家計簿から見る中国今ほんとうの姿

中国の中流家庭に焦点をあて、その家計と生活ぶりを浮き彫りにする。国全体といしては豊かになっているが、教育費が高騰し、二人目は望めない。このままでは少子化、高齢化がかなりのスピードで進行する。一人っ子は皇帝化し、月光族となる。稼いだ金は使い…

世界の潮流2022-23

シリーズの最新版。トップはウクライナ。日本では西側の報道が主流だが、ロシア側の視点を紹介。一定の理解はできる。中国の台湾進攻は無いと断言。次いでコロナ対応。立ち遅れた日本の対策に批判。これを機にデジタル化、地方への権限移管を進めるべきとは…

ウクライナ戦争は世界をどう変えたか

タイトル通りの時事評論。海外情報を網羅し多面的に状況を分析する。この戦争は第二次大戦の東部戦線の延長線上にあると指摘。ロシアから見れば、ナチスから欧州を解放したのは自分たちであり、西側がNATO拡大により領土を拡大してくるのは裏切り行為としか…

失敗の本質を語る

著者の自叙伝。種本は私の履歴書。名著「失敗の本質」からその後の研究人生を振り返る。組織論、知識創造論。を極め独自のSECIモデルを展開。米海兵隊を自己変革する理想のモデルとする。私も考えたら結構読んではいる。特に後半生は哲学的要素も加わり、抽…

陸・海・空 軍人によるウクライナ侵攻分析

ロシアのウクライナ侵攻の実情を、自衛隊大物OBたちが解説。専門家の目から見て戦況を冷静に分析する。互いの対空ミサイルが有効で本格的な制空戦闘は行われていない。ロシアのキエフ侵攻は政権転覆を狙った神経戦で占領の意図はない。撃沈された軍艦モス…

餃子のおんがえし

料理エッセイ。著者は料理人で主婦。これまでの人生での種々の料理の関わりをレシピとともに公開。コミカルなタッチだが、父親との確執や一度目の結婚の失敗など、辛い経験もさらっと盛り込む。これが初めての著書とのことだが、文才豊か。軽めの内容で愉し…

円空を旅する

売れっ子漫画家である著者が、円空仏を訪ねる。生誕地岐阜を起点に、東北、北海道、三重志摩、愛知と巡り、終焉の地岐阜に戻る。円空の作順とも合致し、作風の変化を追う旅でもある。徹底したデフォルメと簡易化、それでいて人の心に寄りそう諸仏は、心温ま…

経営は焚き火のように

創業家の3代目、女性社長の著書。アウトドアでのブランド力を活かし、事業を多角化。急成長を遂げる。源泉はわかりやすいミッションと社員のモチベーション。コアなファン層との距離感も近い。本人はかなりアグレッシブで、社長指名の理由となる。社員の評…

サバカン

時代は昭和、舞台は長崎。著者がモデルの小学生男子が主人公。貧しい友達との冒険と別れ、純情な体躯教師の恋愛、弟の手術と連作3部の構成。今から思えば野卑だが、大らかで素朴な時代。人と人とがしっかり繋がっているのが実感できる。著者はお笑い芸人か…

考えて生きる

連載のシリーズ対談。時事問題を中心に二人が自由に語る。歯に衣を着せぬ物言いで、話題が脱線することもしばしばであるが、二人とも何事にも好奇心旺盛に知的な情報収集をしていることはよくわかる。目新しいのは核融合技術の実現と次世代自民党議員のクオ…

飛び立つ季節

国内旅行エッセイ。「つばくろ」シリーズのこれが第2段。コロナの制限がある中、国内の各地を訪ねる。旅先はマイナーな場所が多い。16歳で著者初めての一人旅である東北地方を再訪するノスタルジックな部分がテーマとなる。50年を経て大きく変貌してい…

円安が日本を滅ぼす

タイトルの円安は現在の話ではなく、日本が凋落を始めた90年代。躍進する中国との競争のために円安を誘導し、製造業をそのままの姿で生きながらえてしまった。本来やるべきは韓国や台湾のように技術を高度化し、世界との水平分業を確立すること。近い将来日…

線路つまみ食い散歩

鉄道つたい歩きの第2段。ローカル線に沿ってブラブラ歩く。下調べは無し、現地でもGPSは極力使わず、偶然の出会いを大切にする。ローカルな食堂でのB級グルメにビール。のんびり旅情をかき立てる。鉄道の脇を歩くのは意外と難しい。明らかにされるのは地方…

ズラシ戦略

企業の新規事業開発の指南本。その名の通り、マーケットあるいはスキルアセットを少しずらして、新たな分野を開拓する。まあ良く言われる戦略ではある。具体例を挙げ解り易く説明。キーはそれぞれの企業が持つ本質的なアセット(強み)を活かすこと。一気に…

東京裏返し

東京の北東部に焦点を当て、その歴史的価値を再評価し、将来の展望を探る。東京は家康、明治維新、終戦と3度の占領を経て、中心部が北東部の台地から南西部に移った。今後は時間軸を再考し、トラムと水運の時速10km強のスロー化を提案する。具体案はトラムの…

遊戯神通

絵師若冲を題材にした歴史小説。明治期にその子孫である芸妓がいたことからストーリを展開。生涯独身であった若冲に妻と子供の存在を見る。主人公はこちらは末弟の妻となる美形の女性。末弟は実は若冲の実子なのだが、若くして謎の死を遂げる。ヒロインは若…

名門再生

一度経営破綻した太平洋クラブの再生物語。新たに株主となったのはパチンコ業界の雄であるマルハン。近代的な経営手法を持ち込む。創業家一族は何かと問題の多いパチンコ業界を若者や女性に支持されるエンタメ企業に変身させた実績がある。顧客第一主義を貫…

普通のサラリーマン、ラジオパーソナリティになる。

著者はテレ東の敏腕プロデューサー。バラエティーで名をはせる。憧れのオールナイトニッポンのパーソナリティーとなりその巧みなトークで好評を博す。やがて退社し独立。本書はそのエッセンスを網羅。計算されたトークだろうがネタにはことかかず、笑わせて…

まなの本棚

自称活字中毒の子役アイドルが、読書遍歴を披露。絵本、児童文学から古典に至るまで対象は広く、深い。発行時中学生と思えない読書量。書評はまあ普通だが純粋で可愛らしいのでOK。山中教授と辻村美月氏との対談も掲載。気に入った本は何度も読み直すそうな…

金利を見れば投資はうまくいく

著者は通りキャリア30年のファンドマネージャー。金利の動きで景気動向を把握する。金利は炭鉱のカナリアと喩える。経済学としては極めて基礎的な話であるが、豊富なデータからなる図表は説得力十分。簡易的なスコアリング手法も示され実践的。現在は明らか…

機関車先生

終戦直後の瀬戸内の小島。臨時教員で赴任した機関車先生は、大柄で剣道の達人だが、しゃべることが出来ない。その人柄と包容力で子供たちはもちろん、島の大人たちを魅了する。様々な問題を解決するが、短期間で別れがやってくる。二十四の瞳へのオマージュ…