極夜行

著者の探検記。太陽がささない極寒期のグリーンランドを犬橇で単独行。ブリザードや食糧難に悩まされながら無事生還する。究極の目的は太陽の位置づけ、生誕の記憶との結びつけはやや強引か。犬は最終的に食料にもなりうる。幸い最悪の事態は避けられた。引き込まれる部分も多いが、変化が乏しい日々は繰り返しが多くやや単調になりがち。

 

 

極夜行

極夜行

 

 

嫌われる勇気

アドラー哲学の入門書。フロイト原因論から脱却し、目的論をベースに理論を展開。人生の基本は対人関係にあるとするが、他者との境界を明確化。対人はすべて対等な横の関係とする。突き詰めれば人生の幸せは「貢献感」。ただし他者承認では主観的なもの。ある意味非常にシンプルな理論。現代社会にマッチする。勇気の心理学と言われるだけに自分が納得し変われるか。現代のプラトンとして対話形式で解りやすい1冊。非常に刺激的。近頃にない高評価。

 

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

 

日本の中国人社会

タイトル通りのルポ。急速に経済成長する本国、日本の中の中国人社会も大きく変貌している。驚くのは熱いその成長上昇志向。子供たちへの教育投資に顕著に現れる。いまだ日本人との交流は疎であるが、日本人の学校で学ぶ子供世代から将来への希望を持たせる変化も垣間見える。日本人側も積極的な参画が必要。やや掘り下げが浅い気はしたが興味深く読んだ。

 

 

日本の「中国人」社会 (日経プレミアシリーズ)
 

 

 

売国

特捜検事が主役。疑獄事件を追ううち、戦後アメリカの陰謀に遭遇する。各所にスパイを配置し、日本の技術と富を本国に吸い上げる。もう一面は宇宙開発。糸川博士が創始した固体燃料ロケットがターゲットとなる。老政治家の命をかけた告発も不発に終わり、解決は未来に託される。前半のわくわく感はさすが。終盤尻すぼみに終わった感は否めない。

 

売国 (文春文庫)

売国 (文春文庫)

 

 

あなたは誰かの大切な人

短編集。さまざまな世代の女性を主人公に、人生での別離の情景とその心情を描く。特に親の世代との関係に重きをおく。バックには建築や美術。なかなか抒情的で秀作ぞろい。メキシコに行きたくなった。

 

あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫)
 

 

 

人生の勝算

20代の起業家SHOWROOMの社長である著者の自叙伝。早くして父母を亡くし、ストリートミュージシャンとして生計を立て、エンタメの可能性に気付く。目指すのは後天的な努力で誰もが報われる世界。将来はライブストリーミングで世界一を目指す。外資系からDeNAへ。圧倒的な努力と熱量で周囲を圧倒する。これからに注目したい。甘めだが生き様にA評価。

 

人生の勝算 (NewsPicks Book)

人生の勝算 (NewsPicks Book)

 

 

横田空域

日本の中心部に主権の及ばぬ広大な空域がある。米軍は傍若無人に訓練を繰り返し、騒音被害や事故の懸念も消えない。この背景には日米地位協定があり、日本の法制を超越している。本来駐留軍はその国の法制に従うのが国際ルール。独伊では国内法に米軍は従う。著者は日本の現状を厳しく批判する。法改正を求める。意外と知られていない事実。トランプべったりの安倍政権では改善は期待できない。