厨房の哲学者

中華料理の有名シェフである著者の自伝。易者である父親から、中卒で名店の厨房へ抛りこまれる。最若手で下働きの修行。中華鍋を洗う日々が、3年続くが、やがて背中に眼を持ち、ウサギの耳を立て、人知れず多くの学びを重ねる。当時の中華は料理人のトップは中国から招いた人々で占められ、ガラスの天井が存在した。立川のホテル経営者に見込まれ、新店の料理長となるが、客はまばらで苦戦。新たに中華の常識を破り始めた一人用のコースが評判を呼び繁盛、やがて都心で多くの店を経営するようになる。運命のように先達に恵まれたとあるが、当人の料理の実力と人柄のなせる業だろう。実篤の書「この道より我を生かす道なし。この道を歩む」信条。変革の意識も高い。全般にドラマチックで良い作品であるが、書評による期待が高すぎたか。

 

 

 

 

夢見る勇気

書き下ろしで新編集。これまでの著作や講演からの引用も多いが、経歴と人となりを新たに味わえる。経営者たるもの夢を語り先頭に立って邁進すべしと繰り返し主張。気の漢字の中は「シメ」でなく「米」を使う。八方に広がるイメージを大切にある。労組の強かったバスの営業所で、無視されてもへこたれず朝の挨拶に通ったエピソードが秀逸。その力の根本は人間的な魅力なのであろう。話好き文章好きでもある。修羅場での決断力は見習いたい。

夢みる勇気

夢みる勇気

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若冲川を下る

伊藤若冲を長年追いかけてきた筆者。その生涯と作品を題材にしながら、本作は自らの家族の姿を描く。本人は伏見に育ち、若冲の川下り乗興図をたどる。特に印象的なのは父親の生涯。事実上離婚をしながら、中書島の元置屋に下宿。家族のもとへ食事に通う。最後は自裁とのこと。不思議な読後感。評価は分かれるだろう。

 

 

 

 

 

ウイルス

パンデミックを題材としたフィクション。エボラとコロナを合体した新たなウィルスが発生。感染力、致死率とも史上最悪。政府は早めの対策を打つが、あっという間に感染は拡大。東京封鎖にまで追い込まれる。医療関係者のあくなき戦いと献身。関係者にも不幸は続き、最後は首相も倒れる。ワクチンが完成し、やがて沈静化。コロナ再発のリスクは今も存在する。

 

 

 

ウイルス

ウイルス

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ナイス実存

アジア、オセアニアの動物の物語に託して、哲学を語る。あまり堅苦しくなく、孤独と愛情がメインテーマ。動物の子供たちは厳しい環境からやがて自立し、それぞれの道を歩む。見知ったところではシャカが登場。その他直接ではないがキルケゴールの実存主義がバックボーン。こちらは解説サイトからの引用。心温まる一冊。

 

 

動物哲学物語 ナイス実存

動物哲学物語 ナイス実存

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smART

スマートと読ませる。名画の鑑賞を通じて脳を活性化し、子供たちの精神的成長を促すことを目的とする。観察、考察、伝達の3段階。題材に揚げられる絵画の内容、表現をを、いかに見過ごしているかを鋭く指摘。トレーニングを重ねることで、日常の生活でも観察、判断力の向上が期待できる。実際に課題につきあうことはしなかったが、手法はよく理解できる。ページ替えの構成もよく考えられている。

 

 

 

人は仕事の場で育つ

伊丹先生の人材育成論。仕事を通じていかに人を育てるか。成功例としてキーエンスとドン・キホーテを挙げ、その実践方法を論理的につきつめる構成。マトリックスで理論解析。経営サイドには人事システムの最適設計を促す。内容的には常識の範囲内を出ない感じもするが、読みやすく説得力はある。自著の引用も多数目についた。

 

-高い志と低い視線(現場へ下りる)

-キーエンスのニーズカード(月一枚)

-狭さ、深さ、繰り返し(キーエンス)

-仕事の実行とそこでのコミュニケーション

 

 

人は仕事の場で育つ

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