DXとは何か

学界の大御所がDXを平易に解説する。技術的なことよりコンセプトや社会にもたらすインパクトについて頁を割く。繰り返されるのは何事も絶対的な正解はなく「程度の問題」。最適な解を目指して社会の妥協と納得が必要。日本は保守的で抵抗が強く、欧米やアジアの先進国に対して大きく遅れを取った。コロナを契機として、デジタル化、非接触の社会が大きく進むことを期待する。政府としては時期を区切った明確な目標設定が必要。全く同意。内容の割に時間を要したのは、こちらの都合の問題。

 

-DXの目的は効率化

-イノベーションに必要なのはやり方を変える勇気

-ネットの世界ではオープンイノベーションが常識

 

 

 

お寺の日本地図

47都道府県ごとに、代表的な1寺を紹介する。選定の基準は歴史的価値。日本の仏教史上重要な寺院を解説していく。例えば奈良は飛鳥寺。それぞれの歴史は様々だが、権力者に左右されまた自然災害との闘い。特に明治期の廃仏毀釈はすさまじいものがあった。また浄土宗、浄土真宗禅宗の比率が高い。美術サイドからはやや物足りないが、そこは宗教家としてのテーマが優先

 

-東京 正福寺

-愛知 日泰寺

 

 

 

三行で撃つ

文章塾。良い文章を書くための25のキーを伝授される。表面的なテクニックではなく、如何に物事の本質に迫れるか。突き詰めれば書き手の人間性、生き方に立ち返っていく。逆に言えば文章は表現の一つにすぎず、すべての人間に問われる根源的な内容でもある。一冊書き上げるために尽くされる思考と努力には感嘆する。

著者は元朝日新聞の記者。現在は猟師であり作家。私塾を開き若手ライターを育てる。

-理想は摩擦の少ない「すべる」文章

-常套句は禁句

-論ではなくエピソードで語らせる。

 

 

 

 

 

 

 

幻想列車

メルヘン小説。上野駅18番線を発射する旧型列車は、乗客の記憶を無くす効果を持つ。結果を先にシュミレーションし本人に見せるサービス付き。4編に描かれたケース。徐々にテーマは重くなる。いずれも現実に向き直る覚悟を決め、記憶操作は最小限にとどめる。どこかで見たような設定。まあ普通の出来で甘めのB評価かな。

 

 

プロイセン王家12の物語

ドイツプロイセン王家の盛衰を簡潔に紐解く。地方の豪族からプロセインを統一、さらにドイツ皇帝まで。各代に特徴はあるが名前がだぶるのであだ名で呼ばれる。歴史上評価が高いのは3代フリードリヒ2世(大王)と8代同三世(われらがフリッツ、老王)、後者は鉄血宰相ビスマルクとのコンビが有名。家風は質実剛健。勤勉な国民性で工業化、強国となっていく。イギリス王室とは姻戚関係。フランスとは対抗意識が強い。肖像画を題材に人物像と歴史を顧みる人気シリーズ。

 

 

 

東京藝大仏さま研究室

藝大実在の講座をモデルにしたフィクション。4人の修士2年生が、修論として仏像の模刻に挑む。難関の藝大への挑戦。創作の世界から修復の世界への葛藤。恋愛と将来の進路など織り込みながら、芸術の意味、仏教信仰との関係など深いテーマを抉る。コミカルに軽妙なタッチで描かれており、愉しく読めた。深く楽しむには仏像に対する一定の知識が必要かも知れない。文庫書下ろしとのことだが文句なしのA評価。

 

-藝大にあえて旧字を関する意味。人を育てる。

-仏像は「伝世古」ながらく人の想いが重なる。

 

 

 

 

 

 

大前研一の世界の潮流2020-21

シリーズ版。トランプとコロナによって破壊された世界。その影響はしばらく続くと予測。注目すべきはブレクジット後のイギリスの動向。スコットランドの独立が焦点。自動車産業はEV化で今後大幅な削減が見込まれる。日本は低迷が続くが、強国中国にぶら下がるしたたかな戦略が必要。中華連邦制を提案。直近の懸念は良質ともに見込まれる人出不足。外国人の受け入れしかないが対応は遅れていると嘆く。図表使いで短時間で読破。定期的な論客の視点内容確認用でやはり外せないか。