2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

国境なき医師団を見に行く

世界各地4か所の活動拠点を訪問、その現状を報告する硬派なルポ。フランス発祥だがグローバルに医療関係者が参加。紛争地帯や難民対策では頼るべき最後の砦として大きな力となっている。本部ごとに別体制でゆるい組織では、現地では外部とも協力。またスタ…

自分で考える力の事業

クリティカルシンキングの教科書。欧米人に比べ圧倒的に劣る日本人の意見形成力。元を正せば子供のころからの教育の差である。雰囲気に流されず、批判精神を持ち、礼儀正しく根拠を問うことが第一歩。自らも論拠を明確に準備する必要がある。考えてみれば実…

新仕事力

単行本「個人が企業を強くする」の新書版。新たに追加されたまえがき、あとがきのみをチェック。コロナ化で書き足したとのことだが、阿漕な商売。言われないと多分気づかないが。時間を節約。 新・仕事力~「テレワーク」時代に差がつく働き方~(小学館新書…

見果てぬ花

エッセイ集。JAL機内誌への連載。もう17年も続いているとのこと。食べ物ネタ、ダイエットネタが多く、エスプリが効いてくすっとさせられる。著者の日頃の生活感が伝わり、安心して読める内容。 見果てぬ花 作者:浅田次郎 発売日: 2020/10/27 メディア: Kindl…

逆タイムマシン経営論

近過去に立ち戻り、寝かせた新聞、雑誌の記事を読み込むことで、逆にその時々の経営判断を解析する。章立てで3つのトラップを挙げる。順に「飛び道具」「激動期」「遠近歪曲」。常にメディアは現代のトレンドをはやし立てるが、時代は徐々にステップを踏ん…

築地本願寺の経営学

著者は銀行員からコンサルを経て僧侶となった異色の経歴。宗務長として築地本願寺の改革にあたる。大福帳経営の旧態依然たる組織を近代化。現代にマッチした仏教をめざす。親鸞、蓮如とも当時としては変革者。すべての衆生を救う阿弥陀如来の慈悲はコロナの…

地名の世界地図

世界の国名、地名の由来を解説。知らない事実も多いが、全体に網羅的でめりはりに欠ける。古代は地形の特徴を現す命名が多いが、やがて軍事、民族、政治が影響を与える。フン族の大移動と新大陸発見が大きな契機であったようだ。後半の大索引は読んではいな…

ポストコロナ時代の稼ぎ方

大前経営塾の講演集。タイトルと異なり、17ー18年のプレゼンが多く現在と状況は異なる。働き方改革はホットな話題で、日本企業はいかに生産性を上げるかが大きな課題。元東レの佐々木氏、日本電産の川勝氏の講演が内容的には濃く、多数引用した。図表も…

大仏師運慶

運慶の美術史的価値を再評価する一冊。鎌倉時代の仏像は工房の作品であり、一般のイメージと異なり、プロデユーサーとしてとらえる。朝廷と幕府の二十構造の中で、両方から受注を受け、慶派を率い発展させたところも高評価。美術としては現代西洋美術の価値…

村井さんちの生活

エッセイ集。著者は翻訳家、双子の男の子の母親でもある。琵琶湖西岸に住み、仕事と子育てに追われる。ほのぼの系かと思いきや、後半は本人の大病、手術。兄の孤独死と重めの内容。全般に子供たちの成長とそれに伴う驚きと一抹の寂しさ。各編短めで凝縮され…

宿無し弘文

アップルのステーブ-ジョブスが師と仰ぐ日本人の禅僧。その評価は関係者間でも大きく分かれる。戒律に縛られない破戒僧、酒色に溺れ最後は娘と溺死する。その人間的魅力に欧米人の信奉者は多い。作者の結論はキリスト教社会で禅に救いを求める者は複雑な事情…

図書館の子

タイムトラベルを題材とした短編集。ミステリー仕立て。時間旅行者たちが、良くも悪くも運命や歴史を変えようとする。戦前、戦中の設定が多く、底流には反戦の精神がある。一気に読ませる構成は流石。安心して楽しめるエンタメ系。 図書館の子 作者:佐々木 …

天才富永仲基

江戸時代、大阪の町人学者である富永仲吉の業績をその著作からたどる。数多の仏典を読破し、その関係性を解明する。時代に先駆けて「加上」の概念を導入。先達の哲学に新たな要素を加えていくこと。これにより経典の時代の変遷を明らかにする。国学者には仏…

日本のタコ壺社会

麻布高校の同窓生による対談。相原氏は物理学者で東大理学部長、奥原氏は農林省次官と位階を極める。理系、文系を問わず、タコ壺と呼ぶ、大学、官界に巣くうセクショナリズムが日本社会の足かせになっていると批判。高度成長期はそれなりに機能したシステム…

関西人はなぜ阪急を別格だと思うのか

タイトル通りの内容。創業者である小林逸翁からの伝統である、その顧客第一主義とブランド志向を解説。阪神との競合、京阪との融合分離と企業としての生々しい歴史も描かれる。ファンによる推しの部分と鉄道ジャーナリストとしての分析が入り混じる。期待通…

予測学

著者は数理学者。予測学という学域があるわけではないが、幅広い分野で数理モデルが応用されている実例を紹介。意外と簡単なモデルで事象は説明できる。ビックデータやAIの応用で予測精度が向上しているようだ。平易な解説で読みやすい入門書となっているが…

リーチ先生

英国人でありながら、日本の陶芸に魅入られ、その創作と芸術性の発展に貢献したバーナード.リーチ。その助手として彼をささえる青年が主人公。白樺派との交遊。自分の窯での製作。さらに英国へ渡り工房の設立、彼の目を通してリーチの生涯を描く。陶器を芸術…