2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

空の上の格差社会

旅客機の黎明期から、クラス変遷をひもとき最近の動向を解説する。かっては高価な価格から一部富裕層の乗り物だったが、ジャンボの導入あたりから一気に大衆化した。厳しい競争により価格、サービス競争となり、利用者としては有り難いところ。最も利益率の…

挑戦する会社

コンサルである著者のPR本。中小企業にはファンが多いとのこと。東京オリンピックを控えて日本は変革の時期にあり、ビジネスチャンスと捉えるべきと主張。キーワードはIT化と高齢化対応。興味があるのは主催する寄付活動。100%MAD。注目したい。…

日米開戦の正体

最大の愚作である真珠湾攻撃。なぜ日本のリーダー達はその道を選んだのか。日露戦争の勝利により獲得した満州の権益を守ろうとする余り、国際社会の動きに盲目となってしまった。主張のためにテロを繰り返す軍部を筆頭に、権益のためにそれにすり寄る官僚や…

地方消滅創生戦略篇

対談の中で人口減少への対策を提言する。繰り返されるのは特に地方での人手不足。これを機会と捉え、イノベーションの実験をすべしとの提言。わかりやすい例が自動運転。かっての環境問題を克服したように技術力で解決策が見つかれば世界への先駆けとなりう…

名画の謎対決編

シリーズ第四弾はタイトル通り、同じ題材で異なる画家の作品を解説する。有名どころが中心だが、知らない作品もまだまだある。蘊蓄に富む記述はユーモアたっぷりで読みやすい。著者の人気の源泉だろう。口絵もカラーで精細。期待通りの一冊である。中野京子…

黒子の流儀

著者はDeNA創業当時に住友銀行から転職。急成長のベンチャーを財務担当と資金繰りから株式公開までを取り仕切る。公開に当たっては緻密な計画で書類を作成、戦略的に乗り切る。タイトルは女性社長を支えた裏方の誇り。企業としてのKFSはPCからモバイルへの転…

海に降る

海洋開発機構が舞台。しんかい6500女性パイロット候補生がヒロイン。設計者である実父にあこがれ、夢を追うが閉所恐怖症を起こし苦闘中。一方のヒーローは事故死した海洋学者の息子で謎の深海生物を追う。ハッピーエンドが待っているのだが、背景には予…

シンプルに考える

事実上日本のLINEを立ち上げた著者の経営哲学をまとめる。徹底した顧客志向と権限委譲でスピード感が必須のIT業界で成功をおさめた。日本テレビのシステム部門に飽き足らず、ベンチャーへ転職。従来の企業にはない独自の経営を実践。考えてみれば当た…

誰も戦争を教えられない

気鋭の社会学者が世界各地の戦争博物館を訪問。それぞれの主張と効果を評価するルポ。いくらハコモノを作ってもやがて陳腐化し、来訪客を維持するにはイノベーションを繰り返す必要がある。また戦争の様相が急速に変化する中、先の大戦を記録することにどこ…

人類資金

マッカーサーの残したM資金を題材にした超大作。戦後の日本経済の発展に貢献してきたが、行き過ぎた資本主義は格差をはじめとする軋みも社会に産みだしてきた。番人たる笹倉一族からも財団のルールに逆らおうとして不幸な死を遂げた者が複数。後継者たる「…

原爆投下

太平洋戦争中の日本の諜報活動は優秀で、コールサインの解析からテニアンの爆撃部隊の動向はほぼ正確に把握していた。特に2度目となる長崎では迎撃や避難が行えたのではないかとの疑問。現場は優秀であるが、中枢はメンツや政略により機能しない日本の官僚…

ブラックオアホワイト

ストーリテラーによる夢譚。漱石の夢十夜へのオマージュか。エリート商社マンが各地で経験した不思議な経験。白枕は良い夢を黒枕は悪夢を呼び寄せる。実ビジネスや社内競争とも織り込んで展開される。著者の得意な中国や戦前の南洋が舞台となる。流石の出来…

地方消滅

元岩手県知事による衝撃の書。確度の高い人口動向データより地方社会の消滅を予言する。出生率ではなく若年女性の絶対数より、厳しい現実を明らかにする。地方ではすでに高齢者もその数を減らしており、平均の10年先の現象が見られる。東京は極点化してお…

天空の救命室

自衛隊に新設された軌道衛生隊が舞台。輸送機に医療ユニットを積み、広域で患者を搬送する。厳しいパイロットと新米医官の組み合わせ。搬送任務を通じて互いの交流、成長が描かれる。後半はそれぞれのロマンスも絡めて、最後はタイでの誘拐事件。盛りだくさ…

江ノ電10Kmの奇跡

現役社長が鉄道人生を語る。鉄道一家で育ち、土木工学を専攻。小田急では保線、設備を担当。駅の近代化など大型プロジェクトを担当する。箱根登山鉄道、江ノ電の社長を歴任。江ノ電では停滞していた経営を刷新する。常に優先するのはお客様の目線。人口減少…

かわいい自分には旅をさせよ

自伝的エッセイ。短編をひとつ掲載。生い立ちから自衛隊生活、作家デビュー現在に至るまでの来し方を、作品を絡めて記載。ユーモラスな文体でありながら、きっちり主張を織り込むところは流石。両親の離婚から、早熟な読書家に。は自然と作家になるものだと…

撤退戦の研究

共著。半対談の形を取り、第二次大戦での日本の軍部、政治の失敗を研究。半藤氏が歴史的側面を江坂氏が経営的視点から分析を行う。過去にもかなり研究され、私自身も知っている事実が大半だが、新たな視点も明らかにされる。日本は人口減少と金融ビックバン…