2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

最強の経営者

アサヒビール唯一の名誉会長である樋口氏の経営をたどる。住友銀行から出向。夕日ビールと揶揄された当時の苦境から、キリンと覇を競うところまで急成長させる。スーパードライのヒットによるところが大きいが、巨大投資を実行しチャンスをつかみ取った決断…

気仙沼ニッティング

経営コンサルでブータン帰りの著者が、震災で甚大な被害を受けた気仙沼でベンチャーを立ち上げる。目指すのは日常のルーチン。職場があり、収入があり生活がある。4人の編み手という小規模でスタートしながら初年度から黒字を計上。納税で地域社会にも貢献…

自分を成長させる技術

ユニチャーム現社長である著者が人材育成術について語る。世界展開を図り急成長中であり、優秀な人材はいくらでも必要。具体策として日々の報告書を一新し、失敗を重要視してPDCAサイクルを廻す。目指す組織を「共振」と上下水平とも風通しの良い会社を企図…

午後には陽のあたる場所

著者の自伝。アイドルから結婚、出産。長女は障害を持ち教育に苦労する。子育ての傍ら大学院でキャリア形成論を修得。現在は母校の女子大で教壇にたつ。引っ込み事案の幼少期から、家族や周囲に支えられ自らが大きく成長。積極的に発言するようになる。特に…

ルカの方舟

理系ミステリー。火星隕石の発見で注目を浴びる大学の研究室。研究データ捏造の告発メールが舞い込む。渦中で相次ぐ殺人事件。人を喰った天才肌の研究者が探偵役。見事に謎を解いて見せる。背景には成果を求められ厳しい競争の中で報われない若き研究者たち…

ファミリーレス

家族を題材にした連作集。全6話だがそれぞれは完全に独立。ごくうすく登場人物で繋がる。少し複雑な家族の事情と人々の感情を淡々と描く。最終話が一番良いかな。著者の作品は初めてだが、なかなかの書き手。今後注目。ファミリー・レス作者: 奥田亜希子出…

なぜぼくが新国立競技場をつくるのか。

センセーショナルなタイトルだが、著者が戦後の日本建築史と自らの経歴を語る。強調されるのは現代の建築家はプロマネだということ。設計事務所やゼネコンとコーディネートし施工中もよりよき解を求め続ける。新競技場については素材として木をふんだんに使…

赤毛のアンナ

タイトル通り赤毛のアンへのオマージュミステリー。孤児院で育ったヒロインは赤毛のアンにあこがれ、つらい境遇にもつねに明るく振る舞う。そんな彼女が2度目の恋人を刺してしまう。急を聞いた友人達がサポートに立ち上がり、過去にさかのぼり事実を調査。…

ここで負けてしまってごめんな

高校球児とそれを取り巻く人々のエピソード集。タイトルの通りほとんどが地方大会でのネタ。選手だけでなくマネージャーや家族の作も含まれる。多感な時期のトーナメントにはそれぞれドラマがあり、感動を誘う。忘れてはならないのは指導者やサポーターへの…

英語と日本軍

旧軍における英語教育のシステムとその歴史的意義を考える一冊。戦前の英語教育は一部エリートに限定されており、情報収集や占領地の治世で問題が生じた。陸軍は幼年学校からドイツ留学組が中枢を占めており、親独派が国を誤った格好。海軍はリベラルで終戦…

経営者になるためのノート

柳井氏の社員教育資料。広く公開することで日本企業社会の活性化を目的とする。4章建てでそれぞれがイノベーターとしての変革力、商売人としての儲ける力、リーダーとしてのチームを作る力について解説。その総合力が理想を追求する力となる。小難しい理論…

人生エロエロ

エロエッセイ集。「人生の三分の二はいやらしいことを考えてきた。」と毎回同じ書き出しで始まる。思春期から中年までの遍歴の数々。アブな世界も垣間見えるが、根底にあるのは男の悲しい性。世代的には同じなので笑わせてもらった。読後感が薄いのはまあ仕…

指導者の条件

経営の神様が、古今の名著より引用。独自の解釈で指導者の心得を102箇条にまとめる。1箇条が見開き1ページに簡潔にまとめられ、読みやすい。内容的には常識的で、天の理に従い正しく事業を行い、人を愛し自分を厳しく律して組織を統括する。あとがきに書か…

虎一筋必死のパッチの19年

今年引退した著者の自伝。長距離バッターとして入団したが、限界を感じ短くバットを持つ独特の打法で開眼。ユーティリティプレーヤーとしてのレギュラーを獲得。打順も守備もどこでもこなす。相手の押さえから四球を選ぶことも大きな誇り。意外と理論的で将…

好きなようにしてください

ネット上のサイトに掲載された著者の相談コーナー。キャリア志向の若者らの質問に著者はバッサリと応える。突き詰めれば個人の自由意志の問題なので、タイトル通りに答えるしかない。その後の解説や余談が面白い。ロジックは明快。繰り返されるのは仕事とは…

ほらあれだよあれがなくなる本

講演と対談で構成。老化に伴う脳の劣化を以下に防ぐかがテーマ。結論を言えば常に好奇心を持ち続け、刺激を与えること。ドーパミンが発生し、記憶回路を活性化する。講演だけに内容は平易だが、主張は同じことが繰り返される。茂木さんがややはしゃぎすぎな…

象は忘れない

福島原発事故を題材とした連作。現場や地元で携わった無名の人々を描く。ある意味情報に疎く、災禍に対して無力な人々。事故がもたらした理不尽さに対しては憤りがくすぶる。ご都合主義の政府方針もお粗末。すでに事故が無かったものとしたい政府や東電さら…

吉野家で経済入門

吉野家の現役社長と経済学者の対談。これが2冊目。デフレ経済の中で生き残る実践的な経営を、最新の経営理論で分析する構成。実例を伴うだけに非常に理解しやすい。牛丼単品で勝負出来た時代は終わり、多角化、海外進出が現在の課題となっている。久しぶり…