2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

奇跡の歌

ペギー葉山が歌い大ヒットとなった「南国土佐を後にして」。数奇な運命に彩られた一曲である。戦時中に高知の連隊が中国大陸で歌った望郷の歌。作者は不明のまま。戦後に手を入れられ、NHKのプロヂューザーが嫌がるジャズ歌手であるペギー葉山をなかば騙…

米中もし戦わば

アメリカ側から米中の軍事バランスを解説する。中国の膨張政策により暴発の危機は高まっている。経済発展により急速に軍事力を高めた中国に対し、米軍は予算削減によりアジアでのプレゼンスは減少している。現在がほぼバランス点で政策転換が無い限り、次第…

夫のちんぽが入らない

女性教師による衝撃の告白書。大学時代から交際している夫婦であるが、性交渉が成立しない。二人共教師であるが、著者側は学級崩壊のトラブルもありやがて精神を病んでいく。出会いサイトで知り合った男性とは関係を持てる不可思議。そんなことが起こりうる…

駅格差

沿線格差の第2段。首都圏の駅をルポし、その実態と評価をまとめる。前段はさまざまな駅ランキング。後段はライバル駅対決。ここはあまり縁がないこともあり退屈。まあ交通情報本としての位置づけ。上中里、西ヶ原ともにマイナー側のネタとして挙げられてい…

最高の空港の歩き方

空港ファン(マニア)の著者によるガイドブック。単なる交通機関ではなく地域のエンタメ拠点としての明るい未来を予想する。民間のオペレータによる運営により、その動きは加速する。代表例は関空だがLCCにより救われた部分は大きい。内容的には少し物足…

笑福亭鶴瓶論

今やお笑い界の大御所、国民的スターの神髄に迫る。キーワードはスケベ。人、場所、時間にこだわらず貪欲な好奇心を発揮、他人を純粋に愛し愛される。その反面笑いには貪欲。自分がいじられることで笑いを取る。若い時はアフロが反骨精神の塊だった。意識し…

勝率2割の仕事論

著者は電通出身。自らの代理店タグボートを主宰し、ヒットを連発する。嘘の日記で書き溜めたアイディアの引き出しから、クライアントの要望に沿ったストーリーを紡ぎだす。数多くの広告賞を受賞。代表作はユニークでくすとさせるシリーズが多い。品質にはこ…

豆の上で眠る

アンデルセンの童話に題材を取ったミステリー。二人姉妹の姉が誘拐され家族は大騒ぎとなるが、2年後に無事帰って来る。妹である私は姉が入れ替わったのでないかと疑いを持つ。最終的には出生の秘密まで明かされる。産院での意図的な取替。読み応えのあるプロ…

クイズでワイン通

ワインに関する蘊蓄をクイズ形式で語る。ランク別に難易度が上がっていくが、ついていけたのは初級まで。中級以上は趣味の世界で実用性は乏しい。気軽な繋ぎの一冊。どこかでネタになればというレベル。クイズでワイン通 思わず人に話したくなる (講談社+α文…

ケモノの城

九州で実際に起こった家族監禁、殺害事件をモデルとする。警察の捜査とカップル宅に転がり込んだ怪しい中年男の挙動を並行して語る。犯行はまさにケモノの所業で気分が悪くなるほど。生来の悪人と暴力に支配されそれに従う人間の弱さがある意味で主題。最後…

王道経営

著者の経営指南書。経営には3ランクあり、王道をめざすべしとの主張を繰り返す。日本の長寿企業に代表される3方良しが基本。短期利益を狙う覇道や皇族秩序に反する邪道は厳しく批判。経営者は自らの信じる道を根気よく社員に説くべしとする。言葉はそのた…

最後の秘境東京藝大

東京藝大の実像に迫るノンフィクション。入試の難易度が高く一般からは天才集団と評され敷居が高い藝大。その内情と学生像を丹念に描く。著者の奥様は彫刻科の学生で、謎の生態が導入部。美校と音校は隔絶しており、別世界の様相。学科ごとの内容も千差万別…

コスパ飯

食に関する楽しいエッセイ。著者はかなりの食通であるだけでなく、自ら厨房で腕を振るい、外食で食べた美味しいレシピを再現する。決して材料に凝るわけでなく、簡単に入手できるモノにこだわる。弁当や甘物など食べ歩き自己ベストを探すあたりが面白い。出…

クルーズ万歳

日本を代表するクルーズライターがこれまでの雑誌投稿をまとめた1冊。娘時代から豪華客船に乗り続けて45年。マツコでブレーク。今日のブームの立役者となった。大半が海外のラグジュアリー船の紹介で直接の縁は無いがだが、まあこんな世界もあるなと楽し…

トモダチ作戦

東日本大震災の折に、気仙沼大島の救助に入ったアメリカ海兵隊。機動性と献身的な作業で3週間の任務を全うする。そこから住民との本当の交流が始まる。沖縄でのホームスティや軍楽隊によるメモリアルコンサートなど、絆を深めていく。決して好意的に受け入…

日本の大正解

著者は自らを数量分析家と称する。公の統計データからのロジカルな分析で政治から経済に至るまで日本の問題点を一刀両断。マスメディアは官庁や日銀の御用放送に過ぎないと手厳しい。アベノミクスは失業率を順調に下げているので一定の評価。年金問題は人口…

ぼくらはその日まで

男2人と女1人の中学生トリオ。成長段階にあり初恋も司式する。夏休みの合宿と称して祖父母の家での体験。謎の女子高校生は母親の再婚話を自らに納得させるために訪れており、三人組と不思議な絡みによりトリオの先導役を務める。幼少のころの出来事が巧み…

検索禁止

著者が長らく携わった禁忌事項=タブーをまとめる。猟奇事件や都市伝説が大半で、三面記事の羅列の色合いが強い。これを知りたがるのもある意味人間の性なのだろう。後半は自己PRが強くなりより興味が削がれた。久々のC判定。 検索禁止 (新潮新書)作者: 長江…

政と源

墨田区の下町に住む幼馴染の物語。御年73歳。政は元銀行員の堅物で妻とは別居中。源は現役のつまみ簪職人で妻とは死別。源の弟子であるヤンキー上がりが巻き起こす騒動に振り回せれながらも愉しみ、そして自分の人生を振り返る。冷え切った夫婦間はハッピ…

おもちゃ絵芳藤

主人公は歌川国芳門下の売れない浮世絵師。なかなか世に出れず子供相手のおもちゃ絵で糊口をしのぐ。師匠の遺志を継ぎ、画塾を継承するが、私生活では女房に先立たれ、不器用な生き方で師匠の愛娘の想いにも応えられない。時代は明治維新。浮世絵自体の存続…