2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

共創力

掃除ロボット「ルンバ」を世に送り出した創業者コリン・アングルの伝記。子供のころから機械好き。MITでコンピューター工学を専攻。技術的に優秀なのはもちろんであるが、真価は理想を追求し、周囲を巻き込む力にある。飽くなき探求と状況に応じて柔軟に対応…

リープフロッグ

タイトルは文字通り蛙飛び。後から来たものが先行者を一気に追い抜き経済的な勝者となる。現代では中国とアイルランドが好例。単なるキャッチアップとは異なり、技術変革と社会組織が時代に合致することが条件。過去の中華帝国や西欧の歴史も振り返る。日本…

未来を見る力

近未来日本が直面する人口減少。これはもう避けようがない事実。未曽有の静かなる有事。政治も企業も小手先の対策ではどうにもならない。基本は縮小均衡を受け入れること。拡大志向のビジネスモデルからの転換が求められる。いかに戦略的に縮むことができる…

両利きの経営

評判の経営書。要は既存ビジネスの深化と新規ビジネスの探索を両立させ、イノベーションの時代を乗り切ろうという内容。結論的には当たり前だが豊富な企業研究からその実例を示す。特に利益を上げている既存分野には大きな慣性が働くので、新規はつぶされや…

いつの空にも橋が出ていた

プロ野球横浜のファンが織りなす4篇の物語。本当の主人公はチームそのものかも知れない。実在の選手たちは歴代を網羅。奇跡の優勝と長い低迷。さらに近年の復活。変わらず応援するファンたちにとって人生の一部というよりさらに重い部分を占める。最後のダ…

上野駅公園口

上野公園に住むホームレスが主人公。加賀からの移住組の子孫で、福島県相馬では極貧。長年出稼ぎで家計を支えるが、息子と奥さんを先に無くす。残された家族のために老境になり家出を敢行。上野で厳しい余生を暮らす。対比として示されるのが皇室の幸せな姿…

会計士と画廊主の異色の対談。美術界をビジネス的な視点で分析していく。日本の美術館の収蔵品は時価評価がなされず、フローもストックも実態は不明のまま。改善の余地は大きい。最終的な論点は美意識に及ぶ。軽めの記述の中で美術史上の蘊蓄も随所で語られ…

人新世の資本論

気候変動により人類は滅亡する。SDGSでは間に合わない。それを防ぐには資本主義から脱却し、経済成長から決別すること。脱成長のコミュニズム。これは晩期のマルクスがたどりついた思想と合致する。すでに欧州ではその流れに乗った市民活動が支持を得ている…

デルタの羊

アニメ制作を題材にしたフィクション。高校時代の同級生が、伝説のSF小説をアニメ化する。業界の内幕やスキャンダルにより紆余曲折を経るが、最後は自ら製作会社を立ち上げ、仲間たちの協力もあってプレゼンに挑む。劇中劇の複雑な構成を経るが、破綻せず…

デジタル化する新興国

急速に拡大するIT社会の現状を解析。対象となる新興国には中国、インドがメインとなる。20世紀の工業化の進展となぞらえ、類似点、相違点を整理。スピード感と末端までの変容度はおおきくなるだろう。デジタルによる社会変革は新興国の可能性と脆弱性の両…

2025年を制覇する破壊的企業

ベンチャーキャピタリストによる近未来産業地図。GAFA+M、テスラ、ネットフリックス、ロビンフッド(金融)、インポッシブルフーズ(植物肉)、クラウドストライク (セキュリティ)、ショッピフライの11社による産業支配を予見する。いずれもアメリカのIT…

読まなくてもいい本の読書案内

最新の社会、自然科学の進化を豊富な読書から抜粋する。章立てのテーマは、複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、功利主義。ベースとなるのは進化論でこれに最近の統計学、コンピューターが進歩を加速させた。若者向けにかなりかみ砕いて書かれているが、概…