2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

電車をデザインする仕事

JR九州のデザイナーである著者が哲学とコンセプトを語る。運行を開始した七つ星により、時代の寵児に。繰り返されるのはデザインの公共性。別著と内容は重複する。後半の作例とイラストは判りやすい。引退を意識し後輩に想いを伝えようとする一冊。電車を…

エスカレーター人間

著者の教育論。画一的で個性のないエスカレーター人間を育てる現代日本の教育に警鐘を鳴らす。歴史を紐解き、理想とするのは、寄宿舎のあるイギリスのパブリックスクールや兄弟の多い日本の戦前。生活の中で揉まれることが必要。エッセイ形式で読みやすいが…

奇跡の職場

JR東日本の子会社TESSEIが舞台。主要業務は新幹線の車内を7分間で清掃する。「新幹線劇場」を唱え、単なる下請け清掃会社から鉄道業務のサービス会社に見事な変身を遂げる。トップダウンの管理とボトムアップの提案を融合し、社員の意識を変えたことが成功…

至高の音楽

クラシック音楽好きの著者が、古今の名曲を紹介。さらに膨大なコレクションの中から演奏者を選び抜いた名盤を紹介する。推薦盤はやや古めの大家の演奏が多いがこれには理由がある。録音が発達していなかった当時、徹底してスコアを読み込み自らの解釈を深め…

大地のゲーム

近未来、震災直後の大学キャンパスが舞台。誰もが生きるための争いやリンチが横行する。カリスマ性を発揮したリーダーのもと秩序が一定の回復されるが、彼をとりまく男女の嫉妬、リーダー自身の野心と人間の本性がするどく描かれる。クライマックスは再度大…

村上龍の質問術

カンブリア宮殿の楽屋本。並み居る経営者へのインタビューを通して、いかに経営哲学の核心に迫るかの質問術。周到な準備と資料の読み込みによりブレーストーミングから肝となる質問を見つける過程が明かされる。本番でのやりとりはほとんど視聴しているはず…

鉄道会社の経営

経営面から日本の鉄道会社の現状と将来を分析する。人口の減少により需要増が見込めない中で、都市部はすでにインフラが完備に近く、既存の有効活用が課題。地方は厳しく観光資源としての自助努力と公共性を鑑みた補助が不可欠。財務諸表等を示し、経済学者…

歌舞伎町セブン

都市伝説となった現代の必殺仕事人歌舞伎町セブン。13年前の火事で大半が死亡したはずが、何人かが生き残り闇の世界で暗躍している。主人公は足を洗い愛娘の成長を陰ながら見守る立場だが、いやおうなく抗争に飲み込まれていく。分類で言えばアクションも…

ゼロ戦と日本刀

対談集。百田氏の著作「永遠のゼロ」「海賊と呼ばれた男」を題材に、GHQ主導の戦後史を斬る。曰く贖罪意識を植え付けたのはアメリカの戦略。日本人には自らを侵略者とし、憲法を絶対視する観念が植え付けられた。朝日新聞と日教組がその走狗となった。「…

あと1%だけやってみよう。

JR九州の列車デザインを長年手がけ、七つ星を世に送り出した著者の仕事哲学。異空間を作り出すためにデザインには徹底的にこだわる。工業デザインとしての真髄はむしろ関係部署とのコミュニケーション。目的を明確としたグランドデザインへはあらゆる業種…

翳りの城

武田に恨みを持つ、今川の旧家臣が築いた西洋式の小城。防衛が目的でなく、殺戮を目的とした蟻地獄にたとえられる罠。わずか一日で2千弱の犠牲を強いることになる。背後にはヨーロッパから設計をもたらした虐げられた民の数奇な運命。史実からはほど通りが…

失敗屋ファーザー

思春期の娘との関係に悩む父親の職業は「失敗屋」。以来先でトラブルを起こすことで、人間関係を改善する。経験を通して娘と本気でぶつかりあえるようになり、ハッピーエンドを迎える。ライトノベルほのぼの系だが、終盤にはサプライズも用意されており楽し…

フライングガールズ

日本女子ジャンプ陣を追ったスポーツノンフィクション。主役は高梨沙羅ではなく、先駆者達。男の世界のジャンプ界で偏見や厳しい環境に耐え、競技がオリンピック種目になるまで苦難の道を歩む。共通するには飛ぶことの楽しさ。鳥のように舞い上がる感覚は経…

人類資金

5巻までの要約 M資金は、マッカーサーがフィリピンにためこんだ財宝が元 目的はアジア諸国をアメリカよりにするための工作資金 ローゼンバークが存在情報を陸軍にリークし、南進政策/対米戦争に導いた。 ユダヤの論理=金利払いのための成長志向が限界に…

どうして人はキスをしたくなるんだろうか

異色の創作家二人の対談。恋愛、人生、仕事と話のネタはつきない。年代的には微妙に差があるが、共通するのは豊かな戦後に育った中流の香り。悪ぶるがアウトローになりきれないところは自ら認めている。初体験から初めて下ネタが多いのはご愛敬。どうして人…

ガソリン生活

仙台に住む母子家庭の愛車が語り手。人は良いが頼りない長男と、生意気で頭の早い小学生の次男。ダイアナ妃の悲劇を再現したようなパパラッチ事件の謎に挑む。トリックは単純でハッピーエンドだが、車の目から見た人間社会や家族愛が描かれるほのぼの系。楽…

魂の経営

本業喪失の危機に陥った富士フィルムの経営改革を成し遂げた著者の経営書。豊富な内部留保と技術の蓄積があるものの、短期間で事業内容を一新した剛腕。M&Aや研究開発投資には積極的。日本企業に不足しているのは戦う姿勢と勝ち抜く意欲。バックボーンは圧倒…

ヒーローインタビュー

阪神の2軍選手が主人公。抜群の打撃センスを持ちながら、不器用で生真面目な性格が目が出ない苦闘の日々が続く。恋人、スカウト、友人、チームメート、さらに対戦相手まで各人のインタビューで構成される。伝説となる甲子園での場外ホームランがクライマッ…

稼ぐ力

著者の人材、教育論。国内にまで国際競争が浸透するこれからは真のグローバル人材が必要となる。会社人生を3段階にわけそれぞれ必要なスキルと目標を定義する。英語は表面的なもので本当に必要とされるのはロジックを構成する知的能力。企業はIT化の発達に…

九転十起

浅野セメントの創業者である浅野総一郎の伝記。富山で事業に失敗、夜逃げして上京。一代でセメントから海運まで巨大な企業グループを起こす。周囲もあきれさすような矢継ぎ早で積極的な投資。思いは日本を近代国家とするためのインフラ整備。時代が彼の様な…