2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴーギャン展

フレックスで15時退社。竹橋へ開催中のゴーギャン展を観に行く。出品数は意外と少なく、しかも半数が版画であったが、内容は極めて充実していた。年代順に並んでいたが、初期の頃は印象派のような色彩あふれた作品がある。これは新鮮な驚き。その中にも超…

あわせ鏡に飛び込んで

岡嶋二人からソロデビューした後の短編集。90年代の雑誌への掲載だがトライアル的な作品も多い。最初に作者の狙いがメモ書きで示される。小道具はさすがに時代を感じさせるが、我々の世代には抵抗感ない。むしろ楽しい部類。お気に入りはパソコン2台に対…

ジェネラルルージュの凱旋

こちらも続編。シリーズ3作目。今回の舞台は緊急処置室。予算削減の中医療レベル維持のためあえて、納入業者から便宜を受ける部長。それを裁こうとする倫理委員会。今回は犯人捜しではなく、大学病院内での権力争い、官僚主義との対決がテーマ。前作「ナイ…

ジウ2

続編。逮捕した実行犯のもと自衛隊レンジャーの取り調べが続く中、連続誘拐犯のジウが新秩序を目指したカリスマ性を発揮し同調者を引き込んでいく。SATを卒業した行動派の伊崎基子もそのターゲットとなる。ジウの育ての親の独白がストーリーの背面で綴られ、…

シーバス

帰国日。朝の散歩としてシーバスで対岸へ往復。土曜日は30分おきに発着。完全に市民の足で、オープンデッキはなく船内からの眺めは思ったほどではない。北岸に渡り西側に歩いて数分の公園からダウンタウンの全景が満喫できる。朝もいいが夜景もすばらしい…

バンクーバー美術館

会議が早めに終わったので訪問。ちょうどオランダ絵画の特別展を開催中。レンブラントやフェルメールが来ていたがこちらはまあそそくさと時間の制約と時差のため。2FのEmily Carrを現地作家の作品が興味深い。20$は少し高くないか。http://www.vanartgal…

書評[豊かさの探求]

副題「信長の棺」の仕事論にあるように、元エリートサラリーマンである自らが経験に基づき人生論を展開する。特に40−50代の中間管理職には会社人間であることに疑問をむけさせる。ITの進展により21世紀は全人口の25%にあたる知識層のみで済む社会が…

そこに日本人がいた

幕末から明治にかけて鎖国の呪縛から解放され、世界各地にに雄飛した日本人たち。著者は丹念な文献、現地調査から、辺境の地に残された彼らの足跡を記録する。第1作の本書では22例が示されるが、貧しい日本を出て海外で一旗揚げようとする民間人のパワー…

岡田文化財団寄贈作品展

三重県美術館の収蔵品の中から、地元の岡田財団(イオングループ)寄贈の作品をまとめて展示。コピーは「未来への贈り物」。洋画のコレクションはほぼ既視感があり、サプライズはないが、須田国太郎の「信楽」がいい。日本画の方には興味を惹く秀作が多かっ…

セレンディビティの時代

副題「偶然の幸運に出会う方法」の通り、夢を見れなくなった現代日本の若者に語りかける口調でステレオタイプから脱却し積極的な人生を送ることを薦める。具体的にはつねに周辺視野を研ぎ澄まし「出会い」「気づき」「受容」のセレンディピティサイクルステ…

線路を楽しむ鉄道学

いわゆる「鉄」の中でも珍しい部類の線路マニア。路線図とそれにまつわるエピソードを披露する。鉄道敷設の苦難の歴史は以下に高低差を乗り越えるかにつきる。スイッチバック、ループ線と実例を挙げて解説。地形図を見ながらの解説は興味深いが、地図は彩色…

家族の言い訳

短編集。著者は作詞家で多数のヒット曲を有する。どにでもいる平凡な家族を題材に特に親子の情愛を描く。当然ながら小説にするには何らかの問題、不幸の種が存在する。いずれの作品もラストは家族の絆が深まる形のハッピーエンドでほんわりさせられる。予定…

「渋滞の先頭」は何をしているのか

著者が提唱する渋滞学。本書はその入門編。高速道路の渋滞発生メカニズムを数理物理学の手法で解明する。前半は極めて理詰めで工学的に理解しやすい。後半この渋滞理論を一般の社会現象に適用しようとする部分は、理論が曖昧になり食い足りない印象。 渋滞と…

ハイブリッド

初代プリウスの開発秘話。わずか2年でのラインオフはトヨタとしても奇跡である。21世紀の車の開発を目指して探索的な研究ではじまったプロジェクトが、時代を見据えたトップの英断で期限を繰り延べされ、横断的な組織運用により異例の速さで実現した。も…

地球温暖化後の社会

地球温暖化問題を科学的データから解明する入門書。科学者らしく豊富なデータを使い平易に解説されているが、基本的な原理はすでによく知られていることで目新しい点は少ない。温暖化の原因は二酸化炭素であると断定されたわけではないとしながら、直ちに対…

私コスモの目になる。

舞台は青森の農業高校。盲目の馬と女子部員の心の交流。大学の馬術部の花形で女王と呼ばれた名馬は、盲いてもなおプライド高く容易に人を寄せ付けない。新入部員の主人公は辛抱強く世話をするが、怖々と接しているうちは馬も敏感にそれを感じ取る。ある日ふ…

マネー力

最近の著者が得意とする投資指南書。日本政府は財政上将棋で言えばすでに「詰み」の状態で、これに頼ることは逆に大きなリスクである。最期に残された個人資産を積極的に運用するしか、生き残る道はないと力説する。さすがに論旨は明快で、従来の説とぶれて…

経済成長という病

評論集。長い前書きで書いているように、現在の経済危機を、政治や金融のせいにせず、時代を構成する一員として内部から見極めようとするスタンス。これには好感。経済成長を追い求める体制はすでに終焉を迎えており、人口減少、環境問題、富の偏在を考える…

マーリー

フロリダ在住のコラムニスト夫妻が飼ったアメリカンラブ。体重45kgの体力にものを言わせて騒動を起こす。世界一おバカな犬との副題だが、ラブを3匹育てた私から見れば、まあ想定の範囲。著者も犬が時折みせる忠誠心となによりもかけがえのない家族の一員…