2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

夢をつなぐ

ママさん宇宙飛行士である著者の自伝。小学生のときに見たチャレンジャー事故。アニメ好きの少女は搭乗していた女性教師の死を自らの夢と重ね合わせる。これが原点となる。難関を越えて候補生に、訓練中に結婚、出産、夫はサポートにまわるために退職しやが…

マウス

二人の少女の物語。小学生の律は自分に自信が無くクラスでの位置取りに気をつかう大人しい女の子。わずか3人のグループ内でも微妙な関係に一喜一憂する。瀬利奈はクラスで完全に孤立する自閉症の子。何かあるとトイレの用具入れに閉じこもり自分の世界へ逃…

北緯43度の雪

1972年の札幌オリンピック。亜熱帯の台湾からスキー選手が参加していた。前年に国連から脱退させられ中国への対抗から蒋介石が取った国策。ともかく完走して記録を残すことが彼らの使命であった。素人の彼らを日本のスキー界の草分け的存在であった映画監督…

よみがえる昭和天皇

歴史学者と歌人の共著、天皇の御製から昭和史を見直そうとする。昭和天皇の和歌は驚くほど真情が表に出ており、確かに歌人として一流であったと評価できる。残念なのは戦前は歌会始つまり一年に一首しか公表されておらず、しかもそれは厳しい選定を経ての上…

[社会}地方の幸せ

著者は富士宮市長を2期勤め、独自のフードバレー構想を展開。食による産業、地方の活性化に成功した。キーワードは農業の6次産業化、循環社会の形成、食育。先行していた富士宮やきそばに続いてニジマスを特産品とする。東京の価値観を押しつけるのではな…

追想五断章

亡き父親が残した5つの短編小説。創作を依頼主の女性から託された古本屋の居候が語り手。小説は結末を伏せたリドルストーリーになっているが、娘の手元には結末の原稿が残されている。やがて小説は妻殺しの汚名を着せられた父親の反論であることが判明する…

ソーシャルゲームはなぜハマるのか

SNS(Social Network Service)上でブームになっているゲームを社会現象として解説する。日本ではモバイルの発達発展により独自の発展を遂げている。最初に解析モデルを図示し、これを繰り返し用いることで、全体像を明らかにしていく。具体例としては「つりス…

満つる月の如し

平安期の仏師定朝。物語中では天才仏師として描かれる。若き日の天才はただし信仰心は薄く既存仏教と庶民のギャップに疑問を抱く。に彼の作品に魅了された比叡山の高僧である隆範がもう一人の主人公で、最後は定朝の作品を世に出すために自ら罪をかぶる。時…

降霊会の夜

別荘地で迷い込んだ降霊会。初老の主人公の抱える過去の悔恨が明らかにされる。小学生時代の貧しい友人一家の不幸と学生時代の恋人達のその後。戦後から脱し高度成長に移る時代背景がバックとなる。主題はさよなら。死者にたいしてもまた生き別れる者にもき…

言葉力が人を動かす

著者は現コマツ会長。社長時代にダントツ経営でV字回復を成し遂げた。若い頃からのクレーム処理で鍛えられたコミュニケーション力をベースとする。経営の基本は「見る」「語る」「実行する」。うわべの言葉でなく語る内容が重要。コマツの例では冷徹な現状…

ツイッター140文字が世界を変える

2009年の著作。まさにツイッターが爆発的にブームとなる時点での紹介本。基本コンセプトから楽しめるようになるまでを平易に解説。実際に使う身としては容易に理解できる一方で知らなかった部分もある。基本は公開にして新たな人的ネットワークを楽しむべし…

陽だまりの彼女

現代版恋愛小説。中学時代いじめにあった女の子を助けた主人公が、社会人になって偶然彼女と再会。但し12歳以前の記憶を持たないという。親の反対を押し切って結婚し幸せな新婚生活を送る。彼女は必死に彼の足跡を探していたと聞いて感動。読む方が幸せに…

「失われた20年」の終わり

副題は地政学で診る日本経済。高度成長で思い上がった日本は覇権国家アメリカの標的にされ、理を超えた円高に導かれた。失われた20年だがその間に血を流した企業努力と忍耐強い国民性で世界に伍せる競争力を身につけた。アメリカの驚異は中国に移っており…

大エルミタージュ美術館展

フレックスを使い新美術館へ。16世紀ルネッサンスから20世紀のアヴァンギャルドまで時代別に秀品が勢揃い。わかりやすい展示構成だ。目玉は間違いなくマチスの「赤い部屋」だが、目を引いたのはルソーの「クランヴィル近郊の眺め」、レンブラントの「老…

ツイッター幸福論

著者は現役の心療科医で研究職。自ら実行したツイッター上でのアンケート結果を軸にユーザーの実像に迫る。中高年には食わず嫌いの感が強いニューツールであるが、新たな人間関係を築くには適している。実際の人間関係で非常に満足している階層と逆に常に不…

聖徳太子はいなかった

衝撃的なタイトルではあるが、歴史学上ではもはや常識であるとのこと。本書はその事実を一般読者に伝える。日本書紀を編纂させた天武天皇と藤原不比等が自らの系統の正当性を作り上げるために創造した理想の天子が聖徳太子であるとする。記紀も釈迦像の銘板…

町工場のおやじ電気自動車に挑む

著者は大阪守口の板金会社の社長。松下、三洋の海外移転に伴い廃業の相次ぐ中小企業を活性化すべく、共同プロジェクトを立ち上げ電気自動車の製作に挑む。その名も「あっぱれEVプロジェクト」。内容は大半が女性デザイナーとの衝突。インテリアデザイナーと…

中小企業

東大阪の中小企業集団が打ち上げに成功した「まいど1号」。著者はその中心となった鉄工所の社長。無謀とも思われた構想を情熱で具体化し、積極的な交渉で政府の助成金を引出し、産学共同でプロジェクトを成功に導いた。東大阪の貢献部分は15%の技能であり、…

日本男児

著者の自伝。若くしてインテルの準レギュラーまで登りつめたが、決して超エリートという訳ではなく、自ら道を切り開いてきたという感が強い。小柄な体格を徹底して鍛え、スタミナと当たりの強さを自らのストロングポイントとする。中学時代に荒れたサッカー…

偉大なるしゅららぼん

作者得意の異能ワールド。今回は琵琶湖が舞台。湖東に歴代覇を唱える豪商と武道家。共に湖の民として人の心や時を操る才能を持つが、互いに牽制することで一方の独走を封じてきた。共に高校に進学した両家の跡取りと、脇から侵入てきた他地方からの絡み。相…

希望の地図

震災の被災地の現状を伝えるノンフィクション。作者の分身であり実際のフリーライター名である「田村章」が登校拒否の中学生を連れて被災地を訪ねる。絶望の中で希望を見出す明るい材料が中心になるが、暗い現実にも目をそむけない。「被災」とは過去の出来…