2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

パリでめしを食う

自らがパリに暮らす著者が、10人の日本人の生き様をルポする。パリは住む者にとって優しくなくまた易しくもない。アプローチの仕方は人それぞれ。パリの人を引きつける魅力とそこに挑もうとする想い。現代的に肩の力を抜いてシンプルに行くスタイルが好結…

壮心の夢

短編連作集。太閤秀吉を取り巻く14人の武将や商人を描く。それぞれ野望や信じる者への野望。女性への想いを抱えながら戦乱の世を生き抜く。運命に翻弄されながら矜持を保とうとする姿は清々しいものがある。秀吉の人物評価は絶対でありながらいつもある意…

ちょんまげぷりん2

続編。前作とは逆に現代の少年が江戸時代へタイムスリップし、菓子屋を始めようと苦戦する侍を手助けする。主人公の少年が現代社会ではゆがみかけの人生観と生活態度を改めていく姿が主題。ライトノベルだけに設定が強引で、問題解決策もほぼ予想通りの内容…

早雲の軍配者

戦国時代北条家の軍配者となる風魔小太郎の青春時代を描く。不遇な境遇ながら初代早雲に才能を見いだされ、足利学校で英才教育を受ける。勉学仲間である後の山本勘介、やがて敵対する曽我冬の介と助け合い、競いあいながら軍学だけでなく医学、易学と修めて…

半島へ再び

拉致被害者であった著者のエッセイ。二部構成になっており、前半は韓国への紀行文。かっての北の住民が南の繁栄ぶりに驚嘆するという筋立て。後半は翻訳者として新たに人生を始めようとする苦闘の日々。ブログへの連載なので一遍ごとには訴える力があるのだ…

となりの用心棒

沖縄出身の空手の名人が主人公。アマリカで武者修行の放浪の後、下町育ちの妻と結婚し婿養子となる。特技を活かして妻の実家を改装し道場を開くが銀行からの借金に追われている。この夫婦の周囲に様々なご近所が登場し市井人情小説となる。ところどころ格闘…

リボンステークス

元騎手の主人公が調教助手としてダービ馬を育て上げるまでの物語。競馬会の裏側の事情を丹念な取材をベースにリアルに描く。狭い社会だけに序列にうるさく、陰湿な嫌がらせや戦略的な駆け引きが存在する。中学時代のいじめられた経験を主人公に思い出させる…

私が「にんぎょひめ」だったころ

著者は爆笑問題の太田光夫人にして所属事務所の社長。TVへの露出も多く酒を飲んでのエピソードには事欠かない。本書は雑誌に掲載されたエッセイの寄せ集めではあるが、幼少時から現在へ至るまでの女性としての自伝がユーモアたっぷりに綴られる。タイトル…

ガラスの巨塔

著者は元NHKで看板番組「プロジェクトX」のプロデジューサーを勤める。視聴者の圧倒的な支持と独裁的権力を持つ会長の庇護を得たことで、異例の出世をするが、エリート組織独特の妬みと中傷により、番組は打ち切り、ストレスから躁鬱病となり辞職に追い…

逃亡作法

近未来の日本。変質者に娘を殺された父親が復讐のため、監獄に押し入り変質者を殺害しようとする。これを機に大規模な脱獄劇が繰り広げられる。多国籍の曲者どもが生存をかけて争いながら逃亡する。登場人物の書き分けが未熟で読みづらい。主題も作者の独り…

{経営]未来工業

こちらも特色ある中小企業。ケチで不思議な創業者だが、人間の能力を信じ社員力で業績を伸ばす。「常に考える」が社是

日本でいちばん大切にしたい会社

中小企業研究のため、全国6000社を廻った著者が、心に残る経営を実践する5社を紹介する。いずれも明確な目的意識を持ち、やたら規模や利益の拡大をめざさず、地域にしっかり根ざすことでステークホルダーをサポーターにしている。すでにカンブリア宮殿…

熱い視線

短編集。「金のゆりかご」でブレークしたため雑誌掲載の作品から未収録の短編をかき集めて文庫化した。プロットとエンディングはしっかりしているが、内容的には可もなく不可も無くというレベル。熱い視線 (徳間文庫)作者: 北川歩実出版社/メーカー: 徳間書…

夏休み

二組の若いカップルが主人公。カメラの分解を趣味にする男が発作的に家出し危機が訪れる。元のさやにおさめるためにテレビゲームで決着をつけるのが世代を象徴する。小道具の使い方がうまく、背景となる脇役もいいひとばかり。全体にまったりした良い雰囲気…